アーシュ7歳3の月2週3日目
今日5話目です。
かあちゃんが死んで、まだ5日しかたっていない。
けど、生きていくのはそんなにあまくない。
泣いてなんかいられない。
あさに、豆を煮て、
豆の煮汁をスープ代わりに飲む。
「あったかいけど、おいしくはないかな?」
「水よりはいいな」
そのまま、お豆はわらのお布団に入れておく。食べるのは夕ごはんだ。出かける前に、みんなでしばかりをする。くさを払い、太い茎をあつめ、教会の軒下に積んでいく。
今日は4人でお出かけだ!
セロとウィルは解体所に、私とマルは飼葉やさんだ。
2時間で、3つの馬房の掃除ができた。
「おじさん、塩カップいっぱいください」
「あいよ、明日も頼むなー」
アーシュは急いで残りの200ギルを握りしめ、野菜屋さんに走る。
「おばあちゃん、野菜!」
「もう小さいのと、クズしか残ってないよ」
「それでもいいの、 200ギルでどれだけ買える?」
「残り全部いいよ、その代わりこのゴミ、集積所に捨ててきてくんな」
「ありがとう!」
マルとお昼を食べて、解体所に行く。
アーシュは、解体所の手伝いをしている時、いつも思っていたことがある。
子供の仕事は、クズ肉を運んだり、骨を捨てたりする運搬だ。
いつも、捨てる骨に肉が残っている。それを集めたら、ハンバーグになるのにな、ということだ。
マルと2人で見学してたら、知り合いの工場長さんに、
「アーシュ、働かないのか」
と声を掛けられた。
「働きたいけどマルがつかれてて」
飼葉やさんは疲れたと思う。マルはウトウトしている。
「いつでも言えよ」
「あ、工場長さん、」
「なんだ? 」
「あの骨に残ったお肉って、」
「もったいないけど、さばききれねぇんだ」
「何時間か働いたら、あのお肉削ってもらっていってもいい?」
「そんなに困ってるのか……」
「今まで、パンしか食べてなかったみたい」
「働いた日だけだぞ?」
「ありがとう!」
その日は、セロとウィルに、パンの他に、干し肉を200ギル分買ってもらった。
豆は柔らかくなってた。
さて、干し肉少しと、野菜をきざんで、お豆を入れて、塩で味つけ。簡単野菜スープのできあがり!
いかが?
「「「おいしい!」」」
お肉はほんの少しだけど、お豆がタンパク質の代わりだ。干し肉も、お野菜も明日の分は残してある。育ち盛りのみんなが、少しでも大きくなりますように!さて、豆を水に浸して今日もおやすみなさい……
今までの収支、+600ギル




