ダンのターン続き
今日2話目です。
販売が初めてのダンと共に、お茶の販売に立った。
「冷たいお茶、温かいお茶、いかがですかー」
「疲れた体に、甘いお茶もありますよー」
気にはなっているようだが、ダンが気になるようでなかなか来ない。
「よーう、ダン、アーシュ、甘くて冷たいやつくれ」
ギルド長さま!
「300ギルでーす」
「カーッ、冷てえなあ」
「ギルマスよー、なんだよそれァ」
「なんか冷たいお茶だと、これは甘いやつだ」
「へぇー、オレも1杯くれ」
「オレは甘いもんだめだ。温かい茶をくれ」
流れが来た!
慣れてなくてわたわたするダンだったが、なんとかフォローして売り終わった。冷たい飲み物に慣れないのか、温かいお茶の注文も多かったが、
「明日もやんのか」
と聞かれたりもしたので、まあ成功だろう。
「……疲れた」
「まだまだだねー」
と、いうことで、売り上げ発表です!
1位、冷たくて甘いお茶、20杯!300ギルのうち、利益200。4000ギルの儲け。
2位。温かいお茶、20杯!200ギルのうち、利益150。3000ギルの儲け。
3位。冷たいお茶、10杯。200ギルのうち、利益150。1500ギルの儲け。
4位。甘くて温かいお茶、5杯。300ギルのうち、利益200。1000ギルの儲け。
売れ残りが2000の損として、儲け9500、差し引き7500の利益だ。
「すごい、のか」
「この調子なら、一週間で水筒代が出るよ?その後は純粋に利益になる」
「オレさ、考えてたんだ」
「うん」
「来年からは王都だろ?」
「うん」
「セロとウィルが、冒険者としてがんばってるあいだ、ただ過ごしてるのは、イヤなんだ。王都で、なにか試したい」
「勉強してるじゃない」
「それだけじゃ、追いつけないんだ!いつだって、肩を並べて歩きたいだろ」
「どんなダンでもダンなのに……」
「アーシュはさ、甘えられるのか?」
「うーん……甘えるとか甘えないじゃなくて」
「なくて?」
「走り出したから、止まれない」
「っ!」
「くっ!ははは!アーシュらしいな。オレはね、まずは、走り出してみたいんだ」
「そうか、なら」
「「王都で、勝負だ!」」
試験期間、王都でのお茶販売が、決まった。




