アーシュ7歳3の月2週2日目
今日4話目です。
次の日、セロとウィルは解体所に働きに行った。
朝ごはんは黒パンのみ。朝昼でひとつだ。
さて、私とマルは、今日は教会を探険しようと思う。
「教会はどうなってるの?」
「しらないー」
「じゃ、探検しよっか」
「うん!」
教会の敷地は広く、山のすそにある。入口にうまや、その先に教会、奥に牧師館があるようだ。教会の入口の横に、井戸がある。「ここで水を飲むよ」
牧師館の壊れたものおきを探すと、壊れかけの鍋やカップが出てきた。また、しばらく手入れをしなかった周囲は枯れ草でいっぱいだ。
あんぜんのため、井戸のそばにカマドを作ろう。
マルと競争しながら井戸の草刈をし、焚きつけを集める。
そして崩れたものおきのレンガを利用して、ロケットストーブもどきを作る。何を隠そう、前世では夫がキャンプ好きだったため、カマドのつくりかたもダッチオーブンの使い方もバッチリだ。
そして、なんとこの世界には、魔法が存在し、誰でも使えるのだ!と言っても大半の人は生活魔法のみ。それでも、カップ半分の水、着火に必要な火、洗濯物を乾かすそよ風、夜に使うライトなどは、大なり小なりみんな使え、便利なことこの上なかった。
そんな魔法を、使わないでいられようか!
かあちゃんの代わりに家事をやっていた私は、生活魔法をかなりしっかり使えた。そこで、簡易カマドに、焚きつけで着火。壊れかけの鍋に、井戸の水をいれれば、お湯の出来上がりです。
マルと私のお昼は、黒パンとお湯にグレードアップした。
午後からは、街にでかけた。
かあちゃんの看病してる時は、ぜんぜんゆっくり見られなかった。農家のおばちゃんは午前中で野菜を売りきって帰るんだー。
飼葉やさんは、貸馬もしていて、馬房の掃除が追いついていない。飼葉用のお店には、塩も、売ってる。わらの他に、あ、大豆を売ってる!燕麦もだ!
「おじちゃん、塩はいくらなの?」
「1キロ1000ギルだな」
「いちばん少なくてどのくらい?」
「ひとカップで200ギルだ」
「この豆は?」
「これはコッカようだぜ?小さい単位では売らねえが」
「燕麦も?」
「たいてい10キロ単位だな」
「嬢ちゃん、あれか、かあちゃんは残念だったな」
「うん、お父ちゃんと仲良かったから」
「今どうしてんだ」
「マルとセロとウィルと」
「あー、そりゃ腹減るわな」
「なあ、おまえ、かあちゃんの代わりに家事やってたよな?」
「うん」
「馬房の掃除、できるか?」
「教われば、あとマルが」
「マルもできる!」
「じゃあ、馬房1つにつき100ギル払う。1日に一つでも助かるんだ。昼までに、できるだけ、どうだ。豆と燕麦はおまけするぞ」
「やる!」
とりあえず、その日はマルと馬房一つ試しに掃除してみて、100ギルと片手でひとすくいの豆と燕麦を稼いだ。
「明日頑張って塩をかおうね!」
「アーシュ、解体所に兄ちゃんとセロ迎えに行こ!」
「行こう!」
手をつないで迎えに行った。
1人6時間働けたセロとウィルは、1200ギル稼いでいた。
パンを8個買って帰る。余ったのはたった400ギルだったけど、ちゃんとみんなの分パンが買えた。
そして、今日はお湯があった。
寒いなか、黒パンとお湯だけの夕食は、温かく、なんだか希望の味がした。豆を水につけて、今日もみんなで、おやすみなさい。