アーシュ8歳子羊たちの1年は
今日、3話目です。
宿屋をはじめる前に、1年の総括をしようと思う。
「1年のまとめって、なにをやるの?」
「どのくらい働いたかってことだよ」
「マルは、すごく働いたと思う。貯金もできたし」
「オレたちもだな。でも、働いたっていうよりも、冒険者になるための準備って言った方が合ってる気がする」
「そうそう、荷物運びもだけど、毎日ギルドで訓練できてるのがうれしい」
「そ、そか」
「アーシュはもっと剣の訓練を真剣にやらないとだめだ」
「で、でも」
「魔法師になるからって、甘えるなよ、ウィルだって両方やってるだろ」
「う、わかりました……」
「で、でね、収入のまとめなんだけどね!」
「……逃げたな……」
「アーシュに任せてあったやつだろ」
「そう」
では、いきます。
アーシュとマル。
「ひと月、平均12000ギル稼ぎました」
「「おー」」
「合計、14.4万ギルです」
「マジで?すげー!」
拍手です。
次、セロとウィル。
「ひと月、平均12000ギル稼ぎました」
「「いぇーい」」
「合計、15.6万ギルです」
「「金持ちー」」
拍手です。
次、家計費。
「平均15000ギル。合計、19.3万ギルです」
「「おおー?」」
「これで、服や、剣や、バッグなどを買うことができるんだよ」
「「剣も買えるのか!」」
「来年、必要だもんね、結構いいのが買えるんじゃない?」
「「!よし!」」
次でーす。
「「まだあるの?」」
あるのです。
「ギルドの朝食の稼ぎ、ひと月5万」
「「「ひと月で!」」」
「言ってあったよー」
「「「?」」」
「興味ないからだよ……」
「ランチの稼ぎ、ひと月6万」
「「「!!」」」
「魔石の稼ぎ、ひと月17万」
「「「!!!」」」
「パーティ費、合計337万ギルです」
「「「……教会の改修、自分たちだけでできたんじゃ……」」」
「出してくれるものは、ありがたくいただく!」
「朝食とランチ、今年もやるんだろ?宿屋必要なくない?」
「うーん、でもね、来年セロとウィル、冒険者になるでしょ?」
「1日、いくら稼ぐ?」
「少なくとも5000くらいはいくつもり」
「ね、そうすると、1ヶ月で?」
「一週6日働いて4週間、12万ギルか、あ、」
「無理することはないけど、できるだけがんばるんだ。ケガや病気になったら、あっという間だから」
「まあ、無理せず行こうよ、だってオレたちの目標はさ」
「「「「冒険者になって、遠くに行く!」」」」
準備は少しずつ。




