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この手の中を、守りたい  作者: カヤ
集まる子羊編

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アーシュ8歳1の月2の月

今日、2話目です。

孤児も越して来ることになり、改修は急ピッチで進む。教会は、ザッシュたちの希望もあり、雑魚寝用につくられた部屋、6室からなる、独立したコテージのようになった。外観は教会のままだ。


台所兼、ダイニングを真ん中に2部屋、4部屋に分かれる。4部屋をザッシュたちが2人ずつ3部屋使い、ひと部屋は予備。対面の2部屋が、宿泊者用となる。風呂、トイレは男女別。女子用は孤児側、男子用は宿泊者側に設置してある。


宿泊者用は、雑魚寝で詰め込めば8人ほど入るが、一パーティずつ入れる事にした。


一方、牧師館側は、私たちが使う。もともと人の集まる場所で、大きなリビングがあり、主寝室が一部屋、それが1階だ。2階は個室が4部屋。その上に、屋根裏がある。


リビングを食堂として整備する。6人用テーブルが2つ入っても、まだスペースがある。そして、一階の主寝室を、私たちの雑魚寝部屋とした。広さは、教会の部屋と変わらない。


2階はシンプルに、ベッドと、書き物机、いす、暖房が入る。

一部屋だけツインにした。広い台所と、男女別のお風呂と、トイレがある。屋根裏にもわらを上げて、これは、みんなの秘密基地だ。


もともとしっかりした建物で、そのまま生かしたので、そこまで大きな改装にはならなかったらしい。2の月の終わりには、ほとんど仕上がり、それまでひと部屋におさまっていた孤児たちも、個室を満喫することとなった。


改修費用は、300万ほど。思ったより安く済んだそうだ。お風呂やトイレや台所は、魔法石を使うので、後付けだが、そこも領主が、サービスしてくれた。

「今年も魔法石の補充は頼んだよ」

との言葉とともに。


そして、2階のベッドやリネンは、ダンのお父さんが用意してくれた。

「去年のフフクラブで、優勝した賞金なんだよ」

といって、さらに、牧師館のリビングに、黒板をつけてくれた。

「ダンのためだからね」


大きく手は広げない。マリアとソフィーとも相談して、1日1パーティ、雑魚寝で二食付き、1人2000ギルで行く。雑魚寝大部屋二食付きの標準がこの値段だそうだ。夕食は牧師館の食堂で、朝はギルドで食べてもらう。お昼は別で、頼めばギルドで500ギルで渡してもらえる。大変なときは、奥さまたちを雇う。あくまで自分たちが住み、あまりを駆け出しの冒険者に安く利用してもらう。


はずだったのだ。それは、3の月に入ってすぐだった。

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