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この手の中を、守りたい  作者: カヤ
集まる子羊編
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あるギルドマスターの、ひとりごと2

今日5話目です。

アーシュはすぐにセロのグループになじんだ。


もともとセロは、ウィルとマルを引き受けて文句も言わない、男気のあるヤツだ。けど、ウィルとマルは兄妹だから、たぶんさみしかったんだろうな。アーシュをかわいがってるのがよくわかった。


子猫のかたまりみたいに、4人でなかよく暮らしてた。


けど、子猫どころじゃなかったんだ。


たった1ヶ月だっていうのに、セロとウィルががっちりしてきた。しっかり食べてる証拠だ。ギルドの訓練でも、恐ろしいほど体が動く。アーシュは、まあ、あれだが、比べる対象がセロとウィルとマルだからな……ふつうよりはできんだろ。


と思ってたら、セロのグループだけでなく、ザッシュのグループも立て直しやがった。あいつは、なんだ?


ギルドの部屋を借りて勉強だと言うから見に行ったら、金の使い方から、貯金のしかたまで教えてやがった。栄養っつの?飯の食い方まで教えてる。なるほど、セロとウィルの体ががっちりしてきたわけだ。アーシュはちっこいままだけどな。


ギルドの銀行システムは、商業ギルドの銀行と共に、超古代技術だかなんだかでできている、安定したシステムだ。けど、大人でもうまく使ってるやつは少ないんだ。


それを使いこなすどころか、簡単な説明で子どもらを納得させていた。オレだってすぐさま貯金したくなったくらいだったぜ。いや、もちろん、ちゃんと稼いで貯金してるって、なんで嫁が来ないかって、大きなお世話だっつーの。まだ若いんだオレは。


そんなこんなで過ごしたある日、訓練所でキャーキャー騒いでた。めずらしいなっておもって見に行ったら、やつらがライトを10個以上飛ばしてた。人に向けてたからすぐげんこつ食らわしたが、驚いた。


ライトをいくつも出すなんて、見たことなかった。だってそうだろ、そもそも二つ以上ともす必要がどこにある。ちゃんと注意しないと、危険だろ?


けどな、なんかワクワクしたんだ。オレも魔法師だ。魔法の素質が大きいやつは、割と王都の学院に行く。そして、決まりきった魔法を習う。オレは魔力量が多かったから、冒険者として、結構いいところまでいけた。もちろん、現役だぜ。


で、魔法の基本は、ボール系だ。で、次がストームなんだよ。ボール2つや3つなんて、なかったんだ。それをやつらは平気で飛び越えた。


次の日。呼び出して様子を見たが、アレは、なんだ。ライト6個って。それも自由自在だぞ?あれ、炎で敵の裏側から当てたら……ゾクッとした。


もしかしてと思ったら、風の魔法も基礎は出来ていた。おそらく、水もできるだろう。では、炎はどうなんだ?


ちょっとした好奇心だったんだ。けど、え、2つ、3つ、4つ、5つ?全部的に当てていた。しかも、さらに工夫しようとしてやがった。


ここまでやって、魔力ギレもねえ。こいつら、子猫どころじゃねえ。ちゃんとしつけないとならない、ティガだろ。


オレが、育てる。


で、ちょっと炎2つ出しに行ってくる。

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