マリアの決意
今日2話目、です。
私はマリア。12歳になった。メリルの孤児の、ザッシュのグループにいる。ザッシュはしっかりしたリーダーで同い年なのに頼りがいがあった。孤児が稼げるのはダンジョンの荷物持ちなのだが、私とソフィーは女の子だから、働かなくていいと言われていた。グループ6人のめんどうをみながら、ときどき、解体所で働いてる。
そんな中、メリルで新しい孤児ができた。立て続けに両親をなくしたが、もともと親のいない私たちからすれば、親がいただけぜいたくだと思ってた。それでもかわいそうだから、なぐさめて大事にしてあげようと思っていたら、セロのグループに入ってしまった。
心配をよそに、マルと1日走り回り、忙しく、楽しくしてる。
悲しくないの?
お金がなくて、大変じゃないの?
セロのグループは、いつの間にか身ぎれいになり、みんな元気になってた。
それに比べて、私たちは、ザッシュが冒険者になってから、お金も増えたのになぜかうまくいかない。稼いで疲れて、不機嫌なザッシュとクリフ。お金をもらって、遊んでいるニコとブラン。そして、申し訳程度に解体所で働いてる私とソフィー。ごはんさえ別々だ。
そんな中、5の月に入ってすぐ、ザッシュがケガをした。
ケガをして、がく然とした。2、3日は大丈夫だけど、このままザッシュたちが休んだら、食べるものがない。解体所ではたらいても、黒パン程度だ。ましてザッシュたちの分など買えない。こないだまで、どうやってくらしてた?
眠れない夜を過ごし、ザッシュのところに行くと、アーシュがやってきて、スープとパンをもってきてくれた。おいしい!ジャムって、はじめて食べた。ザッシュもうれしそうだ。スープもジャムも作れるんだって!
そして、ザッシュにごはんのことを聞いてる。私は、ザッシュが食べてるものなんて気にしたこともなかった。このままだと、やせて大きくなれないって。そんなのいやだよ!今はなんかバラバラだけど、ずっとみんなで支えあって生きてきたのに。アーシュは8歳。私よりずっと、みんなのこと考えてる。
変わりたい。みんなのために、何かしたい。疲れて、ケガをしてる仲間はもうみたくない。
「ねえ、アーシュ、私、ごはんつくれるようになりたい」