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この手の中を、守りたい  作者: カヤ
飛び出す子羊編

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124/307

アーシュ12歳5の月ナッシュ

「冒険者になってからしばらくは、動かないのが普通だぞ。ナッシュなんぞ去年行っただろう」

「でも、行ってみたいんです」

「ウィル、お前が行きたいだけだろ?まあ、大丈夫だとは思うが、変なやつには引っかかるなよ」

「別に引っかかっては」

「ジュスト」

「あー」


「とにかく行ってきまーす」



「よく来たな、アーシュ君、セロ君、大きくなって。また時間があったらガガでも入れてくれ」

「ギルド長、ジュストいませんよね?」

「あいつ、オルドが気に入ったらしくて、しばらくそこにいるだろ」

「マル」

「しかたない、しばらく行かない」


ナッシュでは去年、ジュストにつれられて15階まで行った。それは上級の魔法師と行ったから楽だったのだと、冒険者になった今ならわかる。剣士2人、魔法師2人との組み合わせだ。慎重に行って、ようすを見る必要があるだろう。


そんなことはまったくなかった。


まずウィルが飛び出した。

「アーシュ、炎からだ、10個全部打ち込んでやれ!」


何言ってんの?

言われたらやらないわけにはいかないではないか。


「「炎、10、極小、行け!」」


20個のスライムが消えた。


「アーシュ、やるな、けど次はどうかな」

「ウィルこそ!火力の調節イマイチじゃない?」

「よし、次の部屋だ!行くぞ!」

「行こう!」

「お、おい、待……」

「あ……」


「マル、しかたない、後ろからフォローに回るぞ」

「わかった」


出せるのはもちろん炎だけではない。だてにジュストについてまわったわけではない。スライムの属性に合わせ、大きさで魔力を調整し、片っ端からやっつけていく。


すると、小さいスライムがたくさん涌いている部屋があった。


「コレはいちいちやってらんないな、アーシュ、あれ行くぞ」

「わかった、私が風ね」

「おう、さあ、オレの最大火力だ。炎、壁、最大、展開!」

「風、前方、吹き荒れろ!」


「お前ら、待……」

「無駄。経験ある」

「はあ」


スライム、消滅!

いつの間にか肩で息をしていた。あれ?


「アーシュ」

「あ、セロ、なに?」

「なにじゃない、魔力の残りは?」

「あ、れ?少ない……魔力注入できるギリギリ」

「ウィル」

「オレ、は?もう少し、行けるか……?」

「今何階かわかるか」

「「……」」

「少し落ち着け、昼にするぞ」

「「うん」」


「「「「……」」」」

「アーシュ?」

「……」

「ウィル?」

「……」

「アーシュ、ウィル」

「「マル?」」

「思い出して。こないだの私」

「「あ」」

「暴走してる。このままだと帰るのが大変」

「「ごめん」」

「お兄ちゃん」

「うん?」

「2回目」

「うっ」

「さあ、スープでも飲んで落ち着こう」

「「セロ」」


そこからは落ち着いた。今度はていねいに、そして2人の剣士の力を借りながら10階から上階へ。ギルドに無事戻ってきた。


受け付けだ。マルが拾った魔石をザラザラっと渡していく。


「……50万ギルです」


ギルドがざわめく。


「逃げよう」

「そうしよう」


ギルドを出て、ウィルがつぶやいた。


「ほら、アーシュ無双」


ガツン!セロに怒られていた。

私もこっそりつぶやいた。


「私、無双」


ギュッ。マルに抱きしめられた。

「心配。ダメ」

ごめんね。

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