表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この手の中を、守りたい  作者: カヤ
飛び出す子羊編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

107/307

アーシュ11歳8の月3週目クランにて

今日2話目です。

「アンタ、こうなっても静観かよ」

「ニコ君、子どものケンカだろ」


「ジュストさん、食堂のおばさんを連れてきてください」

「は?食堂のおばさん?セロ君、なんでまた」

「連れてきてください」

「っ、わかった」


私たちはクランの訓練所に向かう。隣にマルが、後ろにセロとウィル、ニコとブランがいる。お腹すいた。眠い。なんでこんなことになってるんだろう。


「ジュスト、どうした、食堂のおばさん連れて」

「団長!今日は早いですね。ちょっとゴタゴタがあって」

「あたしゃ忙しいんですよ、夕食の準備で」

「まあまあ、ちょっとですむんでね」

「へえ、ジュストが御機嫌とりか、珍しい、私も行こう」


「は、訓練?違うな、あの黒髪の子、うちの団員じゃないだろう、まずいな」

「荷物持ちを手伝ってもらってるんですよ。臨時に」

「だとしたらなおさらまずいだろう、相手はラスカか、現役の冒険者と荷物持ちじゃ勝負にならん、っ、始まった!」


訓練用の木剣を構える。ラスカの意気込みが伝わってくる。思い切り突っ込んでくる。剣を合わせて、左右に軽くさばいて行く。マルならこんなに無駄な動きはしない。セロならもっとすきを突いてくる。ウィルの剣は重い。


「アーシュ君、剣もできたのか。魔法なら1発だろうに。僕にはラスカが一見押してるように見えるが」

「全然相手にされてないぞ。ラスカの気合が空回りして、無駄な動きが多い。あっ、押し返され始めた、まずい、黒髪がおかしい!」


これがダンジョンなら?伊達に荷物持ちをしているわけじゃない。低層階なら行けるだろう。でも、オーガが複数で出てきたら?ラスカのこの無駄な動きは、味方を殺す。それならば、いらない、こんなやつ。


ダン!ダ、ダン!ラスカに踏み込む。ラスカが下がる。私の剣をさばき切れなくなる。今だ!ダン!カーン!ラスカの剣が飛び、ラスカが倒れる。とどめを!あ……


光が舞う。ひとつ、ふたつ、3つ、4つ、5つ、ああ、ウィルの光だ、声を合わせよう、


「「6つ、7つ、8つ、9つ、10!」」


「なんだこれは……」

「ライトの魔法だ。こんなにたくさん。あの二人か……」


「アーシュ」

「セロ」


行かなきゃ。話さなきゃいけないことがあるの。あれ、左にマルが、右にウィルがいる。


「セロ、リボンなくしたの」

「大丈夫。言ったろ?なくしてもはずしてもいい。オレがまた、つけるって。ほら」

「新しいリボンだ!でも、セロ……」

「いいよ、お休み」

「うん……」


疲れたんだよ。とっても眠いんだ。


「あ!倒れる、眠ったのか?」

「……」


「ジュストさん」

「あ、ああ」

「こいつらのランチ、見てますか」

「あ、屋台の、珍しいし、食べやすいからわざわざ買ってきてるのかと」

「わかってなかったのか」

「違うのか」

「おばさん」

「わ、わたしゃその子たちの分まで頼まれちゃいないからね、ろくに働きもしないでただ飯食ってさ」

「ランチを出してなかったのか!」

「だ、だってさ」

「アンタが見てないとこでは、食事もろくに出してなかったよ。オレらはいつでも食料は持ち歩いてるし、学院に帰れば食事は出る。それでなんとかなってたんだ。無理やり連れてこられて、ギリギリまで働かされて、食事もろくに出ない」

「部屋のシーツはずっと同じ。お風呂にも入っちゃダメだって」

「な!ラスカには面倒を見るようにと」

「同室の子みたいに、夜の訓練もしない、チャラチャラして男に構ってもらってるって」

「夜はスープの開発だろう!昼間だってずっとダンジョンに潜って働いて」


「それを誰に言ってくれたんだよ」

「いや、当然知ってるだろ……」

「外から見たら、いきなり知らないやつ連れてきて、チヤホヤしてるようにしか見えないんだよ」

「僕は、ただ、若い子たちが、クランに入ってるだけで天狗になってて、メリルの子羊たちならそれをなんとかしてくれるかと……」


「自分たちでしろよ!」

「セロ君……」


「こいつまだ11歳なんだぞ!一日中引きずり回して、ご飯もろくにくれないで、夜9時過ぎまで働かせて!」

「9時は普通だろ……」

「こいつは5時に起きて訓練してんだよ!アンタんとこの若い奴らと違ってな!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ