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PS.女に興味が持てない僕を好きになった女の子。(打切り)  作者: しもさん
【第一章】僕は少女に告白されます。
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【第一章】登校中の僕と姉と妹。01



「そう言えば、かおりは今日から中学生でしたね」


ふと、そんな事を言い出したのは僕の双子の姉である咲夜さくや姉さんだ。


その言葉に反応した香は、新しい制服を揺らしながら一回転。きっと全体の制服姿を見せたかったのだろうが、その時にスカートがめくれて水玉模様の生地が挨拶した事は黙っておこう。


「そだぞー!ってか咲夜姉ちゃん今頃なのっ!?」


「ごめんなさい。香が月乃魅夜つきのみや学園に通う事になっても、結局メンバーは変わらないから、どうしてもね」


「確かに~」


「もうっ、美咲みさき姉ちゃんまで!?」


二人の姉に同じ事を言われて、拗ねてしまう香。まぁ、僕も美咲姉さん同様咲夜姉さんが指摘するまですっかり忘れていたけど。


それもそのはず、今まで香が通っていた小学校、陽乃光里ひのひかり小学校と月乃魅夜学園までの距離はほとんど変わらない。というか、信号を挟んで向かい側同士に陽乃光里小学校と月乃魅夜学園があるのだ。だから、去年まで一人だけ小学生だった香も僕たちと一緒に登校していたのだ。


「まぁ香、それはしょうがないよ。実際僕も気づかなかったし」


「そ、そんなぁっ!?兄ちゃんまで気づかないって事は、他の姉ちゃんが気づくわけないじゃんっ!」


「「「「おいっ」」」」


「あはは………」


香の言葉に他の姉妹たち全員が一斉にハモるのを、僕はただ苦笑いを浮かべることしかできなかった。僕ってどんだけ信用されてんだよ………。逆に言えば、姉さんや妹たちは信用されてないのか?


「もうその話はいいよーだっ!それよりも優声兄ちゃんっ!」


「どうした、香?」


僕を呼ぶ香に顔を向けると、その場で一回転する。いやだからさ、回るたびにスカートめくれて水玉模様様ご挨拶にきているんですけど?ここは外なんだから、もっと慎みとか羞恥心とか持とうよ………僕ら以外今いないけどさ。


「どぉ、制服姿っ!に、似合うかな………?」


香らしくないモジモジした態度で僕に質問してくる。んーそうだなぁ、新品の制服特有の綺麗な色のせいとかじゃないし、制服自体が似合わないわけでもないんだけど、なんかしっくりこないんだよなぁー。これってやっぱり………。


「んー、まだ制服を着ていると言うよりは制服に『着られている』感が出てるかなぁ?」


「む、確かに………っ」


「別に似合わないわけじゃないよ。ただほら、制服なんて着るの香は初めてだし、僕もまだ見慣れてないだけだと思うよ」


「そ、そうかなぁ………?」


「いつになく弱気ですねぇ、香ぃ。あなたはもっとビシッとしていればいいのですよぉ!」


由美香ゆみか姉ちゃん………」


「そうそう、由美香の言う通りもっとビシッとしなくちゃっ!そのうち自然に制服が着られるようになるよ、僕が保証する。だから、もっと自信持ちなっ!」


「優声兄ちゃん………うん、ありがとーっ!」


香らしい満面な笑みを浮かべて元気な姿ではしゃぐのも見ていると、やはりまだ香子供なんだなぁと思う。まぁ僕たちも子供なんだけど、そういうのじゃなくて、なんかこう縛りのない解放感に満ちあるれている感じなんだよね。


だけど、そんなにはしゃぎ回るから本日三回目の水玉模様様に遭遇してしまったではないか。おはよう、こんにちは、さようなら………すでに今日の挨拶は朝のうちに済ませてしまった。それにしても、あの柄気に入ってくれたのかな?僕が適当に見繕って買ってきた下着なんだけど。………あれ?なんかこの場にいない誰かが、そう例えるなら異次元の世界にいる誰かの視線を感じるのだが………気のせいか?


「………みんな、忘れてる」


「あらはな、先ほどまで黙っていたのに急にどうしたのかしらん?」


「………貴様は『みんな』の中に入っていない、黙れ」


「………しゅん」


うわぁあ………今のは決まったわぁ。相変わらず華は美咲姉さん嫌ってるなぁ。………もう嫌っているの範囲超えそうな勢いだな、こりゃ。ってか、姉さん本気で落ち込んでるよ………気持ちわからなくもないけど。


「み、美咲姉さん………大丈夫?」


「どうせ私なんて………勉強出来なくてスポーツもできなくて家事もできない人間のクズで、夜な夜な男連れ回して歩き回っているビッチな女ですよぉー………」


「おいおい………」


どんだけ話し飛躍してんだよ、この姉さん。そこまでマイナス&ネガティブ思考になる要因がさっきの会話であったか?………あったな、ごめん。でもね姉さん、今言っていることが本当なら僕は全力で姉さんを引くよ。




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