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青髭公の婚活ブランディング ―ポヤポヤ令嬢の生存率0%からの逆転資産没収劇―

作者: 液体窒素
掲載日:2026/05/09


## 偽りの求婚と「ブランディング」


 あるところに、底知れない財産を持つものの、顔が恐ろしく、何より不気味な青い髭を生やした男がいました。彼は隣家に住む「身分のいい娘さん」に目をつけます。

 しかし、普通にプロポーズしても断られるのは目に見えています。近所では「彼と結婚した女性は、なぜか数ヶ月で行方不明になる」という物騒な噂が絶えなかったからです。

 そこで青髭は、徹底したイメージ戦略を開始しました。


* 連日連夜、最高級のシャンパンと料理を振る舞うガーデンパーティを開催。

* 「顔は怖いが、中身は誠実な紳士」という嘘の認知を広める。

* ターゲットである娘さんが、非常に「ポヤポヤ」としており、豪華な調度品に目を輝かせるタイプであることを確認。


「まあ、お髭の色なんて、よく見れば個性的で素敵だわ!」


 娘さんはコロリと騙され、二人は盛大な結婚式を挙げました。青髭は心の中で**(計画通り……)**とニッコリ。娘さんも、溢れんばかりの金銀財宝を前に**(玉の輿だわ!)**とニッコリ。二人の思惑は、全く別のベクトルで一致したのです。





 幸せな新婚生活が始まって間もなく、青髭が「数週間の出張」を告げました。彼は大きな鍵束を娘さんに預け、こう言います。


「愛する妻よ、この館のどこへ入っても構わない。だが、この小さな金の鍵で開く地下室にだけは、決して入ってはならないよ」


 青髭が出かけるやいなや、好奇心に勝てない娘さんは地下室へ。そこにあったのは、煌びやかな宝石ではなく、これまでの被害者たちの変わり果てた姿でした。

 青髭の本職は、結婚詐欺の末に口を封じる「掃除屋」だったのです。

 驚愕した娘さんは、鍵を床に落としてしまいます。その鍵には、特殊なルミノール反応でも消えない魔法の血が付着してしまいました。洗っても、削っても、血の跡は消えません。


「……これ、バレたら生存率0%よね」


 娘さんは葛藤の末にポヤポヤした仮面を脱ぎ捨てました。彼女はすぐに実家の兄たちと衛兵に連絡を取り、館の周囲に伏兵を配置。さらに、護身用として「ある武器」をドレスのポケットに忍ばせました。





 翌日、青髭が「予定より早く終わったよ」と、上機嫌で帰宅しました。

 そして翌朝、彼は冷酷な目で言いました。


「さあ、鍵を返してもらおうか」


 娘さんは「部屋に忘れた」「引き出しにない」と5回ほど往復して時間を稼ぎましたが、ついに観念して血のついた鍵を差し出しました。青髭の顔が怒りで歪みます。


「規則を破ったな。お前も、あの女たちの仲間入りだ」

「……最後に、神に祈る時間をください」

「いいだろう。7分30秒だけ待ってやる」


 青髭が鋭い剣を突きつける中、娘さんは窓の外を見つめながら祈ります。


 1分経過: 羊の群れがのんびりと通り過ぎる。

 3分経過:また別の羊の群れが通り過ぎる。

 7分経過:土煙の向こうから、馬に乗った兄たちと衛兵が突撃してくるのが見えました!





 青髭が「時間だ!」と剣を振り上げたその瞬間、背後の窓を破って衛兵たちがなだれ込みました。青髭が「ぎょっ」として一瞬だけ意識を逸らしたその隙を、娘さんは逃しません。

 彼女がポケットから取り出した合理的武器。

それは、「超高濃度・催涙スプレー(業務用)」と、隠し持っていた「スタンガン」でした。


「お縄なさい、この詐欺師!」


 顔面に直撃を受けた青髭は、のたうち回り、逃げる間もなく衛兵に拘束されました。

 その後、青髭の隠し資産はすべて没収されましたが、娘さんはしたたかでした。法的手続きを完璧にこなし、慰謝料と遺産をきっちり回収。それを家族や協力した人々に配り、自分はさらに豪華な生活を送りました。

 こうして、ポヤポヤした娘さんと、欲深い詐欺師の物語は、娘さんの完全勝利で幕を閉じたのです。


 めでたし めでたし


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