表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
双子座の勇者 2人で作る物語 900年の時をつなぐ親友との友情と共に  作者: 武田 健太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

99/216

ミライザの苦悩

フェンリルが元の狼の姿になってリバイアサンを連れて町に入る、フェンリルも町に付くと護衛をしていた人に声をかける。


「中に用事がある。ジジイの所に案内しろ」


「は、はひぃ」


護衛の後ろに付いて移動すると、初日に案内された屋敷に来る、案内をさせられた者が中に入って代官を呼んできた。


「おい、ダリヤ達は一緒か?」

「はい、おります。フェンリル様。こちらの男性はどなたですか?」


「貴様が知らなくても良い」


フェンリルも人の姿になる、そこにダリヤとミライザが来た。2人共特に何事もなく過ごしていたようだ。


「お兄ちゃん、早かったね」


「ああ、紹介する。耳と尻尾が付いているのがフェンリル。長髪のイケメンがリバイアサンだ」


「そう。よろしくね」


ダリヤが笑顔で笑う。


「「「「リバイアサン?」」」」


ダリヤ以外の者が驚いたようで一気に引いていた。


ダリヤが気にする様子もなくフェンリルに近付くと、マジックバックをフェンリルに渡そうする。


「それはダリヤにあげた物だ。中身をどう扱うかはダリヤが決めてくれ」


そう言うと代官に近付き、胸ぐらを掴む。

「ジジイ、貴様。我との約束を忘れ我に恥をかかせてくれたな。


死を持ってつぐなえ。


それとレダン、マーク、ナッタ、サンタの4人もここに連れてこい。


逃げられると思うなよ、すでに我の眷属が回りを取り囲んでおる」


「ふわい」


変な返事をした代官が走りながら仲間を呼びに行く。


ダリヤがマジックバックの中身を見ると全ての農作物の販売高、売掛金、回収金、農作物の出来高、酒の出来高、販売先、等々様々な帳簿が出てきた。


代官が4人を連れて来る。と、驚いて腰を抜かしてしまった、それもそのはずだ。町の裏帳簿を全てをミライザが見ていたからだ。


そのタイミングでまた外が騒がしくなる。


「退きなさい。退きなさい」


そう言って来たのが若い文官と10人程の護衛の騎士達だ、文官がミライザの前に来ると直ぐさま平伏する。

「国王の命により早馬を使いやって参りました。


王都 主任税務官を勤めます。ラビリンスと申します。今回はどのような事でございますか?」


代官が震えだした。王都 主任税務官。それはあらゆる不正をあぶり出し必ず金を取る男、税務の鬼と呼ばれるラビリンスが目の前にいる。


ミライザが立ち上がる。


「私は第4王女 ミライザである。

お前達、いつまで立っている。平伏せよ!!」


ミライザの迫力ある言葉に回りを取り囲んだ町人達がみんな平伏する。


「これより私が良いと言うまで各人は家を一歩も出る事を許さぬ。


その際。勝手に食事、窯炊き、及び火を使う行為も一切禁止する。


また、私の許可無しに何かを捨てる、埋める等々したものもその場で死刑にする。


自ら不正を報告するものは恩赦をくれてやらんでもない。代官、及びそこの4人。貴様らはこの場に残れ」


回りにいた人達の中には逃げ出そうとした者もいたが、シルバーウルフの群れに囲まれて町中に戻って来た。


「ラビリンス、先ずはこの書類。その全てを精査しなさい、それとこれは代官が私に渡してきた町の出納帳です。


これもあわせてお願いします」


「ハ」


「護衛の騎士に命ずる。


代官、及びこの4人をこの屋敷の外の柱にくくりつけ常に監視しなさい。


決して舌を噛む等させるなよ」


「「「ハ!!」」」


その後、ミライザ、ナダリー、ダリヤ、俺、フェンリル、リバイアサンの6人での話し合いが行われた。


ミライザがフェンリルに頭を下げる。


「この度は、ご迷惑をお掛けして申し訳ございませんません。


先代の領主である我が兄も、同様のご迷惑をおかけしたと伺いました。大変失礼いたしました」


「何の事だ? 我は元々人の生活には何んの関係も無い。


我は気に入らない者を追い出しただけの事」


「先ずはフェンリル様、森を切り開いた農地をまだ使用して問題は無いでしょうか?」


「かまわんよ。


我が約束したのは、畑を越えて森に出入りするな。それだけだ」


ミライザがポカンとしている。

事前に聞いていた話しとかなり違ったようだ。


それからリバイアサンに向き合う。


「リバイアサン様、私達は海から塩を取りたいと考えて降ります。


その許可を頂けますか?」


「かまわんよ。この辺の海域は俺達が食す魚やモンスターも少ない。


それと俺の眷属達が少なからずこの辺のは警護している。これを渡そう、これを船に付けろ。そうすればお前達を守ってくれるだろう。


先代だろう、あの馬鹿者のように海に立ち小便等しなけば文句も何も無い」


そう言って鱗のような物をミライザに手渡した。


「た、立ち小便」

ミライザの顔が一気に曇った。アンドールが何を行い、何故嫌われたのか少しづつわかってきたのだろう。


ミライザがフェンリルとリバイアサンに頭を下げる、それも地面に頭が付く勢いだ。


「所でタツキ。このお嬢ちゃんは誰だ?」

リバイアサンが俺にミライザの事を聞いてきた。


「俺とダリヤの友達だ。優しくて気持ちのいい奴だ」

「ほう、タツキの友達か?


ミライザと言ったな。俺の加護を付けよう。ミライザが海に来た時は何かと役立つだろう」


「なら、我も加護を付けよう。我の眷属が何か有った時は助けになるだろう」


フェンリルとリバイアサンがミライザに加護を付ける、それを見ていた王都 主任税務官ラビリンスと護衛の騎士達から歓声が上がった。


そんな騒ぎの中、リバイアサンとフェンリルがダリヤの前に来て平伏する。


「俺達はタツキを王と称え共に歩く事にした。


タツキの妻でタツキと同等の力を持つダリヤよ。

ダリヤも同じく我らの王として、我らが共に歩く事を許可してくれるか?」


「いいよ。でも時々は私とも戦いなさい、それが条件」


「「は! 我らが王。アンダルシアに忠誠を」」


あれだけ盛り上がっていたミライザ達が固まっていた。フェンリルとリバイアサンが俺とダリヤに忠誠を誓ったのを見てしまったのだ。


「では、俺は帰る。何かあったら呼んでくれ、100海里位なら直ぐに駆けつけるぞ」


「我も戻ろう。


何か有ればこれを吹け、この大陸なら何処にいても聞こえる」


そう言って小さい笛をもらう。


「フェンリル、リバイアサン。助かった」

そう伝えると2人とも笑いながら屋敷を出て帰って行った。


そしてその日の夜、アップルランドの騎士団が演習を終えたタイミングで町に入ってきた。任税務官ラビリンスが前もって呼でいたのだと言う。


そして町の人全員が農地に集められた。

「私はアップルランド 第4王女のミライザである。


許可する。


集まった者たちよ、顔をあげよ」

集まった者たち全てが土下座状態で顔をだけを上げる。


「私はこの度ここの領主として赴任した。

そして真に残念な事に、代官及び町長。自衛団の団長と副団長、商人を束ねる商会長の5人に命を狙われた。


すでにこの5人は捕らえてある、ここでその5人の死刑を執り行う。


良く見ておけ! これがお前達が自分達で選び、選択した未来だ!!」


ミライザの大きな声が町の人達の恐怖をさらう。


そして5人の斬首刑が終わる。


「次だ。

町の帳簿を全て調べた、この町の者全てに追徴課税が加算される。


支払いは来週末まで。


計算はすでに済んでいる。もし支払いが出来ない場合は法律に乗っ取りみな奴隷として私のしたで働いてもらう。


老若男女とわずだ」


「私達はどうなるのでしょう」

そう訪ねて来たのは代官の妻と息子夫婦だった。


「騎士団が来ている事で気づかないか?」


ミライザの言い方はいたって冷たかった。アップルランドの法律では、国王家の者を殺そうした者は、家族、親族皆死罪。その協力者は死罪。その家族は貴族の場合は財産没収のうえで平民に、平民は奴隷に落とされる。


全ての事を話し終え、家に戻る町の人達は皆死んだような顔をしていた。


町の人が帰った後、1人残ったミライザが声を殺して泣いていた。主任税務官ラビリンスが前もって国王から指示された内容をミライザは全うしたのだ。


誰1人として、この国の法律に乗っ取って罰せられなければならない。その言葉に、ミライザとラビリンスとの間で少しの言い争いが起こった。


「ミライザ殿下。そんなに悔しければ御自らが国王となり変えればよろしい」


ラビリンスの冷静な声にミライザが折れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ