責任
こうして国外追放処分となった俺とダリアは屋台で食べたいものを買い、八百屋で野菜等を買い込み王都の門を出た。
王都を出てからどこにいくかの話し合った結果、1ヶ月だと最短は農業国のアップルランド。美味しい野菜が食べれるとダリアの期待が大きくアップルランドに向かう事になる。
一方でその頃、俺とダリアが国外追放処分となったのをルルダンルに滞在していた国王とマタディア王妃が知ったのが約1週間後、ウエイト宰相が知ったのもマタベリア辺境伯都市を訪問していた時で丁度、追放の1週間後の事だ。
国王とウエイト宰相が急いで王都に戻る。
王都のギルマスすら、俺達2人が追放された事を知らなかった程だ。
王宮の謁見の間に、ギルマスのアンダーノットとサンゼッテ夫婦。第3旅団 警備団 団長のマックロックが共に呼ばれる。
国王が渋い顔をしながら話しかける。
「お主達はタツキとダリヤと言う冒険者を知っているか」
3人が顔を見合わせる、マックロックが代表して話す。
「存じております。マタベリア辺境伯都市から審判の塔に入る推薦文を持ってきた冒険者です。
ですが、我々3人はここ5ヶ月程2人に会っていません。
2人が何かしらしでかしたのでしょうか?」
国王がウエイト宰相を見る。
「1週間程前だ。バスケット王子の決定で国外追放処分となった」
「「「国外追放?」」」
「して、そなたらに問う。
その2人をどう見ている。正直に申せ」
マックロックが手を上げ発言の許可を取る。
「私は正直にこのダンジョンの推薦が終わったら、王都警備の職につかせようと思っておりました。
あの2人はマナディア王妃を特にしたっております。あの2人なら、国王、王妃の警護を任せるに足りる人物だと考えております」
アンダーノットが手を上げて発言する。
「我々夫婦はあの2人がふたご座 ゲミニの勇者となり、ダンジョンから出て来るものと信じておりました」
国王とウエイト宰相もその発言には納得いったようだ。
「つまり、その方達の話をまとめるとタツキとダリヤは国王五騎士に入る逸材だと、そう認識して付き合ってきた。そう言う事か?」
「「「ハイ」」」
国王とウエイト宰相が顔を見合わせる。
「陛下。私が直接ダンジョンに行き、ダンジョン管理者様にお話を伺い判断したいと思います」
「まて、ウエイト。そなたが行くならワシも行こう。
ダンジョン管理者様にもしや失礼があったとすれば、我がメルボルス立国の存続の危機に発展する可能性がある。
良いか、事の真相が分かるまでは2人の国外追放については何も触れるな。
我が息子や娘達にも同様に言ってある」
「「「ハ!」」」
その次の日、ウエイト宰相と国王が揃って審判の塔に来た。
前日からダンジョンの利用が中止となり入り口を守る兵士達も数が増え、ダンジョンの近くは完全に人がいなくなっていた。
ウエイト宰相と国王がダンジョンに入る、するとダンジョンの門が勝手に閉まってしまう。
ウエイト宰相と国王が何かに気付き平伏する。
「お久し振りでござます。ダンジョン管理者様。
この度タツキとダリヤの両名の結果を知りたく参りました」
「何じゃ、わらわに会いに来たのではなかったか?
小僧どもも偉くなったものだ」
「いえ、決してそのような事はございません。
我々もダンジョン管理者様にお会い出来た事を喜んでおります」
「ふん、まあそう言う事にしておこう。
して、タツキとダリアだったな。ダンジョンをでまだ一ヶ月も経っていない二人共、今回はわりと早く気づいたな」
「で、では。あの2人に称号がついたのですね」
「ウエイト、慌てるな。
短気は損気。慌てると大事な情報が出ないままに外に出る事になる。
わらわとの契約は覚えておろう。ここを出たら2人の事はわらわは一切話さぬぞ」
アンダルシアが顎に手をあて考える。
「先ずは何から話そうかのう。
2人は双子座ゲミニの称号を得た。
実に158年ぶりだ。そして、ダッツとマリーンについで限界突破を成し遂げた。
これは900年ぶりだろう」
「すみません。その限界突破とはどのような事でございますか?」
「何じゃ、国王たるものが知らんのか?
人族のレベルは99が最高だ、これを越える為には死をのり越える必要がある。
あの2人はお互いを思い、相手を最優先に救おうとした。
わらわも驚いた、たった2週間でその試練を乗り越えた。強さなら、あのダッツやマリーンをすでに越えるている」
ウエイト宰相が顔を上げる。
「ダンジョン管理者様。そうなりますと2人はサンダーコンドルの魔石を持っているのでしょうか?」
「サンダーコンドル? ああ、確か6個は持ってたはすじゃな。
黒の宝玉も三つ持ってダンジョンを出した。
後で会ったら宝玉を1個ならそなたらにくれてやっても良いぞ」
「サンダーコンドルの魔石だけでなく黒の宝玉まで」
ウエイト宰相と国王の顔から生気が抜ける。
その後ウエイト宰相と国王の2人から俺とダリアの事を聞いたアンダルシアは大爆笑した。
「ほっと、あの2人は楽しませてくれる」
「管理者様、笑い事ではごさいません」
「うるさい!!」
アンダルシアが国王を睨む。
さしもののウエイト宰相と国王が完全に固まってしまう。
「わらわは小僧どもの国など知らぬ。
ついでに言っておこう、タツキとダリアには我がアンダルシアの名を与えた。よってあの2人はわらわが認めた夫婦である」
「かしこまりました、その事は我々も何の問題もございません。
しかし管理者様のお名前を与えられるとは、あの2人は幸せ者ですな」
「そうじゃろう。ダッツとマリーン以来じゃ。
あの2人はわらわが認めた強さがある。逃げた魚はでか過ぎたな、かっはは」
そんなやり取りの最中、聖マリーンナ教会の教皇がダンジョンに無理矢理入ってきた。
「おや、お二人揃って何の悪巧みですかな」
「何でもない。我々は年に1度管理者様にお会いするのが習わし、いつも叱られてばかりだ。
そなたは何をしに来た」
ウエイト宰相が話をごまかす。
「ふん」
教皇が立ったままメルシー アンダルシアの前に来た。
「ダンジョン管理者様、なぜメメシーを殺したのですか?」
「メメシー? 誰じゃそれは」
アンダルシアが頭から?を沢山出している。
「ダンジョンが騒いだと聞いております」
「なら、ダンジョンに聞くしかないの。
わらわは称号をもらう者にしか声をかけん、それが決まりだ」
「では伺います。ダンジョンが騒いだ時に誰かダンジョンの中にいたのでしょうか?」
「わらわにはわからん。
わらわ以外には眷属の者が必ず出入りしておる、わらわは特に変わったことがあるなど聞いてもいないぞ」
「眷属の方が。では、眷属の方がメメシーを助けてくれたのかもしれませんね」
それだけ言うと教皇が出ていった。




