解放と追放
メルシーに連れられて俺とダリアのダンジョン100階層の攻略は3ヶ月にも及んだ。
その間、飽きて来たメルシーの暇潰しと言う理由だけで、96階層~99階層までを1日中駆逐する事を数週間も行ったりもした。
そんな地獄の日々がついに終わりを告げる。
「タツキ、ダリア。
お前らはアホだ。
ダッツですらやりとげなかった事をしてしまった。
よって今日、ダンジョンを出ていけ。わらわの住みかがなくなってしまうわ。
それとこれがギルドカードだ、腰を抜かすなよ」
ダリア アンダルシア
17歳
女
ギルドランク C
ふたご座 ゲミニの女
レベル258
最大HP130085
最大MP145589
スキル 剣術(極聖) 弓術 格闘術 治療術
取得魔法 身体強化 魔法強化(極聖) 魔力調性(極聖) 生活魔法 氷魔法(極聖) 回復魔法(極聖) 聖魔法(極聖)
タツキ アンダルシア
19歳
男
ギルドランク C
ふたご座 ゲミニの男
レベル 288
最大HP232080
最大MP338614
スキル 剛腕(極聖) 瞬足(極聖) 剣術(極聖) 格闘術(極聖) 裁縫 精神耐性 神目(極聖)
取得魔法 身体強化(極聖) 生活魔法 隠匿魔法
「タツキ、ダリア。
2人は揃って限界突破をして強くなった、やっとわらわの役目を果たせたぞ。
おめでとう。夫婦揃って人外確定じゃ。
あははは。ひぃ~。よ、よかったのぉ~。
しかし強く成りすぎたな、捨てられるなよ。
わっはは。わーはっはははぁ」
その無責任な態度に腹が立ちダリアを見てあることを思い付く。
「メルシー アンダルシアを殺しても言いと思う人、この指とーまれ」
ダリアが優しくおれの人差し指を掴む。
「ダリア、メルシーを倒そう。そして俺達は普通の生活に戻るんだ、やっと人並みの生活ができるぞ」
「ひぃ、待て待て。わらわは美味しく無いぞ」
「「まてぇー」」
結局、俺達は一度もメルシーに勝つことなくダンジョンをでることになった。
それだけが唯一の心残りだ、代わりにアンダルシア性を名乗り名実共に夫婦になった。そこだけはダンジョンにこもって良かったと思える事だ。
ダンジョンにこもってから約半年近い時間を費やした、そう思うと兎に角にも外の世界を楽しみたい。
屋台を巡り肉串や野菜串を頬張りながら、ベンチに座り2人揃ってボーッとしながらこの物凄く濃い約5ヶ月を思い出す。
それから外の空気を存分に味わい、ようやく帰ってきた気持ちになった。
外の世界は最高だ。
だか、幸せな時間は長くは続かないのが俺達だ。ダリアと2人でベンチでボーッとしていると若い男が俺達の所に走ってきた。
するとその男に従うように4人男女が来た、若い男はたいしたことはない。が、後ろ男女は恐らく第2旅団だろう。急襲部隊特有の隙の無い雰囲気をかもし出している。
「お待ち下さい。急に走られては我々が困ります」
1人の男がなだめている。
「気にするな、別に迷子になるわけでも無い」
そこに煌びやか鎧を纏った冒険者のパーティーを見つける。俺達と言うより目の前のこいつらを見ているのだろう、その目は怒りにもにたものを感じる。
若い男がダリアの前に立ち満面の笑みを浮かべる。
「そなたがダリアだな。
喜べ、そなたを我がパーティーに加えてやる。
何時までも兄妹で冒険者など面倒であろう」
「は! 何で? 何が面倒なの?」
ダリアのイラつきが伝わってきた。
若い男を守るように4人が囲む、ダリアの変化を理解出来ていない若い男はなぜ兵士が臨戦体制に入ったかを知らずにダリアに文句を言う。
「何を言っている。
この私がわざわざ平民であるお前を受け入れる、そう言っている。
それだけで喜ばしい事だろう。直ぐに平伏して感謝の言葉をのべれば良いのだ」
ダリアが立ち上がり、若い男を睨む。
「お前、馬鹿だろう。お貴族様を語りたいなら冒険者何て辞めてしまいな。
冒険者は自由の象徴だ。
あの、勇者ダッツの時代からね。わかったらとっとと失せろ! 目障りだ」
ダリアがここまで怒るのは兵役の時の経験からだ。
俺達をいじめ抜いていた奴らがダリアを求め声をかけて、美しく成長したダリアに求婚してきた。
「平民のお前をもらってやるんだ。感謝しろ」
「お前を認めて手を差しのべてやったんだ。喜べ」等々だ。
この言葉と態度にダリアが怒ったのだ。
ダリアの態度に若い男が怒る、剣に手をかけたその瞬間に煌びやかな鎧を来た冒険者のパーティーが割って入った。
「兄上」若い男が驚いていた。
「バスケット。君は今、王子ではなく冒険者だ。
態度を改める必要がある」
バスケット? あの女の子達があっていた男か。と言う事は、この間に割って入った男が第1王子か。
「兄上には関係無い、これは私のパーティーの問題だ」
「この女性は君のパーティーに入るとは一言も言っていない。
いいか、冒険者個人の対戦は認められてはいない。
だが、パーティー同士の対戦は例え王族と言えど死んでも責任を負う事はない。そう決められた陛下の思いを理解したらどうだ」
「兄上は私が負ける、そうおっしゃっているのか?」
「回りの兵士を見ろ、みんな私と同意見だ。
この2人はあからさまに強い、冒険者になったばかりの君にはわからないかも知れないが」
バスケットが回りを見ると兵士達が頷き、それを見るとワナワナといななき始めた。
第1王子が俺とダリアの方を向く。
「失礼した。
ここは我が家の問題だ。我々はこれで帰る、不快な思いをさせてすまなかった」
その言葉に俺が立ち上がる。
「いえ、こちらこそ。妻の態度も悪かった」
バスケットが怒った顔になり、段々と顔色が抜けていく。
「妻? 妻だと?
ぶざけるな!! ふざけるなよ。貴様らはまだ結婚ができる…。出来るわけが無いだろぉ
貴様ら、貴様らはここで断罪してやる!」
バスケットが単刀を取り出す。それは俺達がマナディア王妃からもらったその単刀その物だ。
単刀を上に上げる。
「これより、タツキとダリヤの断罪を始める。
この単刀を出した時は私は国王陛下と同じ権限を持つ。
私は第2王子のバスケットだ。ここに宣言をする」
「待たれよ。例え我々王子と言えど極刑は国外追放が最高刑だ。
その単刀を持ち出したと言う事はこの2人を国外追放すると言うことで良いのか?
良く考えろ。一時の…」
第1王子の忠告を遮りバスケットが叫ぶ。
「黙れ、バスケット第2王子の命令だ。
この偽装夫婦を即刻、即刻国外追放処分にする。
本日中に王都を出て、1ヶ月以内に国境を越えよ。
さもなければ国民全てが貴様らの命を狙う事になるだろう」
勝ち誇ったように俺達を見る、俺達が謝ってくると思っているのだろう。
「そうか、なら今すぐ出ていこう。
やっと仲良くなった連中もいるのにな。
少し残念だ」
「良いんじゃない。私は何処でもいいよ、折角解放されたんだからゆっくり旅でもしよう」
「そうだな」
俺とダリヤの会話にバスケットがさらに怒る。
「きさまら、分かっているのか? 国に守られている奴らが国に追い出されるだぞ」
「そうか、俺達はつい先ほどこのメルボルス立国の人間じゃ無くなった。
お前もその意味を理解してから近付いてこい。俺達が相手だ、国王警護の五騎士が揃っても意味をなさないぞ」
バスケットについていた護衛の兵士4人が目の前で土下座する。
「申し訳ございません。我々はこれで帰ります。失礼ですが、このまま王都を後にして頂くようにお願いいたします」
「分かった。
良く見たらお前、急襲隊にいたニッキだろう。
第2旅団に入るなんて頑張ったな」
「あ、ありがとうござます。覚えて頂いて光栄です」
「ダリヤ行こうか」
「あ、待って。どうせ出ていくんだから屋台でお昼の食べ物も買いがてらいこうよ」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
でました、作者お得意の場所移動の発動です。
物語に行き詰まると ”まぁいっか。適当に何処か移動させっか” で、また移動となりました。
すみません。本当に行き詰り移動させる事にしました。
主人公 2人からは「国を追い出される身にもなれよ」と恨み節が聞こえて来そうですが、気にせずに創作に邁進したいと思います。




