ダンジョンの強者2
グリフォンが俺達を見て動きを止め、若干前屈みになる。日照を手に持ち魔力を込めて光の幕を剣に纏い前下段にかまえた。
ダリアは氷の鎧を纏い、冷気が月照を守る。
「幻光」
日照を振りあげ、縦に光のスラッシュを飛ばす。
ザン! 「グエン!!」
一瞬だがグリフォンの反応が遅れた、グリフォンの右の羽が斬れて地面に落ちた。
「グオー」
グリフォンの口から炎の魔法が飛び出す。ファイアーボールそのものだ。
「アイスショット」
氷の塊がファイアーボールにぶつかり相殺する。
その隙にグリフォンに迫り攻撃をする。
「牙突」
光を放つ突きの斬撃がグリフォンの左の前足を吹き飛ばす、それと同時にグリフォンの炎にやられて吹き飛ばされてしまう。
満身創痍のグリフォンにとどめを指したのがダリアだ。
俺が吹き飛ばされた時、グリフォンに少しの隙が生まれた。その隙を逃さずに一気にグリフォンの首を跳ねたのだ。
これが70階層かそう実感した。
ダリアとタックを組んで1匹のモンスターを倒すなんてどの位ぶりだろう。それ位に久しぶりだ。
ここから先は新しい連携が取れるかもしれない。
ダンジョンの中を進むと一羽のコンドルが佇んでいる。見た目は黄金に輝き、体の回りをバチバチと電気を纏っている。
「サンダーコンドル」
ボソっと呟いてしまった。
その名前はハルアさんから聞いたことがあった、鳥系のモンスターの頂点に君臨するモンスター。
倒す事が出来ずマーチさんですら逃げたと言われるモンスターだ。
ハルアさんがいつかはテイムしてみたい。そう言っていたモンスターだ、その姿はまるで王者の風格を持っている、俺達を見ても逃げる気配すらない。
奴は知っている。じぶんが負けない事を、だから近付いても逃げることすらしない、それは絶対的な王者としての自信だ。
おそらく月照とダリアは分が悪い相手だ。
「ダリア、俺が行く」
瞬足と剛腕スキルをかける。
「斬光」
普段より強く光を剣に纏わせ剣を2倍の大きさにする。
サンダーコンドルに向かい一気に距離をつめて斬り付ける。
ゴダダダン!!!!!!
一回の攻撃で斬光がなくなってしまったがサンダーコンドルの体を真っ二つに斬る。
だが、これで倒したわけではない、サンダーコンドルはその名前の通りで、体自体が雷で出来ている。何千万ボルトの塊だ。魔核と呼ばれる中心を破壊しないと倒す事が出来ないモンスターだ。
普通に攻撃すると余りの電力と熱さのせいで武器は溶けてしまう、だから誰も対戦しない。
斬れたサンダーコンドルの体が元に戻る、それと同時に飛び立とうとしている。
それを逃がす程俺も甘くはない。
「双・飛翔」
光のダブルスラッシュを放つ、すぐさま魔力を日照に込める。飛翔がサンダーコンドルの体を貫いた時、魔核が見えた。
「ハァー!!」ザッ!! パカ!
「ゴゴガー!!」 バン!
大きな爆発をおこしサンダーコンドルが倒れた、そしてそこにダンジョンプレゼントが落ちていた。
サンダーコンドルの魔石だ。我々がいるこの国の国王だけが持つことを許されている杖、その杖についているのがこのサンダーコンドルの魔石だ。
かつて初代のふたご座 ゲミニの勇者が、国王を保護する事を証明する明かしとして献上したとされている物だ。
また、誰にも出せない物を獲てしまった、どうしようこの魔石。
「お兄ちゃん、お疲れ様」
ダリアが来てサンダーコンドルの魔石を見てマジックバックにしまう。
「考えてもわからない事は考えない。
私達しか知らないんだから。2人の秘密しておきましょう」
70階層の最後のモンスターはファイアーコンドルだった。
サンダーコンドルもそうだがファイアーコンドルも希少種だ。冒険者をしていて会えたらラッキーと言える位に遭遇するのか珍しいモンスター、そんな存在にこんなに簡単に会えるとは。
ダリアが氷の鎧を身に纏いファイアーコンドルに突っ込んで行く、ファイアーコンドルの炎を月照の氷が相殺しながら魔核を斬り落とす。
ドゴン!!
サンダーコンドルの時よりも大きな爆発と共にファイアーコンドルが消える。ダンジョンの中にクレーターのような穴があいた。
余りに凄い爆発の威力をこの目で見てしまった、ダリアはファイアーコンドルからダンジョンプレゼントが出ない事に少し不満があるみたいだ。
71階層にくる、この階層はモンスターが多い印象を受ける。同じ種類のモンスターの魔力を感じる。
その数、優に100匹を越える数だ。そう、これこそが審判の塔だ。
空が高く、草原の所々に木が生えている。おそらくあれが止まり木だろう。
しかし太陽がダンジョンの中にある。おまけにそよ風がある。
「なんかここにモンスターがいなければ最高の環境なのに」
俺のボヤキにダリアが反応する。
「文句言わない。でも70階層もそんな難しくなかったね」
「そうか? 俺はダリアと共闘が少し楽しいよ」
「そ、楽しいならしょうがないな。
共闘が楽しいって言われたらしょうがないなぁ」ダリアが少し嬉しそうだ。
ダリアも不思議だ、俺も日照の意見に正直賛成だ、やっぱり俺は少し重いと思う。
普段2人で行動しているからダリアの行動に制限をかける事はない。でも、ダリアが知らない男と2人で要ると気になってしまってこそっと確認はしたりしてしまう。
そんな俺の行動を日照が見ていつも「重い」と注意を受ける。
日照曰く「ダリアを見すぎ」「寝てる時は何もしないのに、起きたらうるさい」等々だ。
おまけに俺が何故か一部の人にモテるらしく、そこは日照は気に食わないらしい。事ある毎にダリアに密告しては俺の反応を見て楽しんでいる。
でもそんな日照もダリアには決して逆らう事がない、誰が日照の主かわからなくなるくらいだ。
「あ、お兄ちゃん来たよ。あれはワイバーンだね(笑)」
何故かダリアが楽しそうだけど、何だろうな。向かってくるワイバーンはかなりの数だ。
「双・飛翔」「アイスショット」
上空にいるワイバーンにスラッシュを放つ。
束になって迫ってくるワイバーンはある種の的だった。
無作為に飛ばす其々のスラッシュがワイバーンをどんどんと落としていく。
息をつく暇も無くワイバーンが襲来する、ダリアが空のワイバーンを狙い氷のスラッシュを放ち続け、地上近くに墜ちてきたワイバーンを俺が倒し続ける。
そんなことをし続けて約1時間程で総てのワイバーンを倒し終える。
◇◇◇◇◇◇◇
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