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双子座の勇者 2人で作る物語 900年の時をつなぐ親友との友情と共に  作者: 武田 健太郎


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スラッシュ

俺は何度も教わったスラッシュなる技を放った。


「ポフ」「トシュ」「バフ」「スカ」「スカ」「スカ」



「タツキ、お前の妹じゃレベルが足りない。やっぱりお前じゃないと駄目だ、今日は休んで明日来い」


「ハイ、失礼しました」完全に落ち込んでしまった。


「おい、ダリアだっけか。お前タツキよりも才能有るな。タツキを鍛えてやってくれ。


それと明日また来てくれよ」


「あ、ハイ。わかりました。お兄ちゃん行こう」


「ダッツ ヘルム。ごめんな」


「お、おう。タツキも来てくれ、お前位強い奴でないとこの縄解けねぇから、よ、よろしくな」


なんか惨めな気持ちでダンジョンをでるとダリアが慰めてくれる。


「あのダッツ ヘルムって人が言ったスラッシュて技。


どちからと言うと魔法攻撃に似てるのね。魔法を放つ時の感覚と同じっていうか・・・」


そこまで言ってダリアが黙ってしまった。それもそうだ、俺は属性魔法が使えない。


ダリアの説明を聞いて、より落ち込んでしまう俺をダリアが慰めてくれる。


「お兄ちゃん、ご飯食べて帰ろうか?」

「うん。パンケーキ以外でお願いしてもいい?」


「わかった、今日はマーチさん誘わないようにする」

「なあ、ダリア。今日の出来事はマーチさんやギルマスのレインには内緒にしてくれるか」


「う、うん。良いけどなんで?」

「ダリアはあの入り口わからなかっただろう。多分だけど、あれは入る人を選んでいる気がする。


力やレベルが全ての人達があの部屋を知ると自分が入れないからって意地悪したり、監視を付けたりする気がする。


まして、あのダッツ ヘルムって名乗る人の話は避けるべきだと思う」


「まあ、わかった。お兄ちゃんがそう思うなら私は誰にも言わない。


それで良いよね」


次の日、ダンジョンには入らず街を出て草原に来た。ダリアがエクストラヒール茸を取る間、俺はひたすらスラッシュを練習していた。


小一時間程練習をして、魔力が枯渇する。急いでマジックポーションを飲み干して休憩を取る。


草の上に横になり、上空を飛ぶ鳥達を見ていた。鳥達は風の流れに抵抗することもなく飛び続けている。


それを見ると余計に悔しくなる。


その次の日もダンジョンには入らずに草原に来た。ダリアは特にすることがなく暇そうに俺を見ていた。


「お兄ちゃん、良く出来ないのに続けるよね。なんでそんなにあきないの?」


俺の姿にダリアが疑問を覚えたようだ。


「俺は、そんなに才能がある人間じゃない。

俺はダリアよりも沢山の時間をかけて技を覚えてきたんだよ」


「ふ~ん。お兄ちゃんの一番得意技ってなに?」


「ん? 得意技。そう言えば裁縫は得意だぞ、これだけは賄い部隊でいつも褒められてた」


「それ、聞いた事かある。


確か兵団長の娘さんのドレスを付くって表彰されたんだよね。


私もその話知ってるよ」


「それくらいだよ。剣術も格闘術も魔法もからっきしだよ。


だから、他の人より努力しないと駄目なんだよ」


「そっか。お兄ちゃんって私が寝てから、いつも素振りしてたよね」

ダリアがなにかを思い出したのか泣いてしまった。


その次の日も草原にくる。ダリアは完全にピクニック気分で朝から弁当を自分で作り持参していた。


そして上手くいかない俺の練習に根気よく付き合ってくれている。


お昼を食べ終わり練習を再開した時にダリアがなにかに気がつく。


「お兄ちゃん、魔法の斬撃は、剣の振り抜く方向と一緒だよ」


「ん? そうなの」


「そう。撃ち下ろす時は上から斬撃を相手に向かい飛ばす感じだよ」


「わかった、もう一度やってみる」


剣を上段に構えると、剣に魔力を構える。


上から下に振り下ろすタイミングをあわせて魔力を飛ばす。


ザザザッザッパー!!!! ドドドドドド-!!


草原を斬撃が飛び森の木々が吹き飛んだ。


何とか収得できたみたいだ。


そして次の日、ついにダッツ ヘルムの部屋に向かう事にした。俺とダリアの間ではあの隠し部屋をダッツ ヘルムの部屋といつしかそう呼び初めていた。


「ダッツ ヘルム。いるか?」


「う、お~。早いなこんな朝一で来るとは思わなかったぞ」


「何とか斬撃が出せるようにった、見てもらえるか?」


「おう。やってみてくれ」


そう、言われてダンジョンの壁に向かい斬撃を飛ばす。


ダッツ ヘルムがポカンとしている。


「タツキ、それじゃ駄目だ」


「「え?」」


俺とダリアの声が合わさる。


「タツキ、剣はなんで斬れるか知っているか?」


「つ、剣?」


「そうだ。剣だ。良くわからなければ刃を見てみろ」


「あ、尖ってる」


「それだよ。今のスラッシュは丸太で叩いた感じだ。本当のスラッシュは、刃の斬撃が飛ぶんだよ」


「そうか、刃の斬撃が飛ぶんだな」


なにか納得いってしまった。


「まだ今日は早い俺も朝飯前だ。2人とももう少しゆっくり練習してからこい。


でも、タツキ。お前は努力家だな、たった1日でそれだけの事が出来たんだ。


お前達が良ければ、俺が剣術を教えてやる。まあ、縄が取れたらだけどな」


たった1日。俺はその言葉に驚いていた、少なくても俺達は1週間程練習をしていた。つまりこの鏡は時間をねじ曲げているんだろう。


しかし、どう考えても理解出来ない。


「タツキ、ダリア。隠れろ!! じじぃが来た」


そう言われベットの裏に2人で潜り込む。


納屋に入って来たのは髭をはやし、杖を付いて歩く70位のおじいさんと15歳位の女の子だった。


「マリーン。この馬鹿を許してやる気にはなれたか?」


マリーンと呼ばれた少女は首を横に振るだけだった。


「ダッツ、もう暫くは我慢だな」


「ふん、好きにしろ。でも言っとくが俺はマリーンの物は盗んでいない。


大体俺はグラマーな女が好きなの」


その言葉にダリアがムッとした顔をしている。


「まあ良い、それよりダッツ。貴様何をした?

時空の鏡が輝いている」


「時空の鏡? 何の事か知らねぇが、俺様がこんな所に四六時中いるんだ。俺様の魔力でより強く変身したんじゃねぇのか」


「ふん、ならそう言う事にしておくかの。

どうせこの鏡は割れる事はない。何も心配はいらんさ」


そう言うとおじいさんと目が合った気がした。


勇者 ダッツ ヘルムに聖女 マリーン。もしかするとこの鏡は時間軸をねじ曲げて、900年以上の歳月を越えて俺とダリアに勇者のパーティーを結び付けてくれたのだろうか?


◇◇◇◇◇


いつも読んで頂き有難うございます。

読んで頂いている方がいると思うとモチベーションがあがります。


この小説を読んで「面白かった」「もっと読んでも良いかも」と感じて頂いたら↓☆を★に切り替えて頂けると有り難いです。


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