表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
双子座の勇者 2人で作る物語 900年の時をつなぐ親友との友情と共に  作者: 武田 健太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

78/216

審判の塔5

(メメシー視点)



審判の塔の入り口で作業を見守っていた。

先頭に様々な理由で服役中の高レベルな冒険者達を起き、自分と脇を固める兵士が2人、その後をポーター達を従えて入る予定だ。


兵士が近づく。


「準備出来ました」


その短い報告を聞き立ち上がる。ダンジョンの入り口では教皇様がおり、私の活躍を期待して来てくださっている。


「では、行って参ります」


そう言って深々と頭を下げる、正直に国王に対してもここまで頭を下げることはない。


「メメシー伯爵様。この度目標の60階層に到達した暁には大司教を授けましょう」


「「聖マリーンナ教会の発展に」」


お互いに背を向けて別れる。教皇様はギルドに入り我々が取った魔石等を鑑定してギルドに卸すおつもりだ。


早速ダンジョンの中に入る。


すると突然ダンジョンが揺れた、それと同時にダンジョンが殺気立つ。

「恐れるに足りず。我らは強い! こんな殺気等踏み潰してしまえ!!」


ダンジョンの扉を開けて1階層に入っていく、冒険者達が次々と入り私の番になる。今度こそ我が最高の階層に、その思いでダンジョンに入る。が、何かの壁にぶつかり押し返された。


わけもわからずにもう一度入るがやはり何か壁があり押し返される、まるでダンジョンが拒否しているようだ。


「ふん、ダンジョンごときがこの私を拒否するだと?


ダンジョンごときが、この私に全てを捧げていれば良いのだ、私こそが聖マリーンナ様の生まれ変わりだぁ!!」


魔力を解放し無理矢理ダンジョンの中に入る、中の冒険者達が早速モンスターと対戦していた。


審判の塔のモンスターは数が多い事で有名だ。だが、意思を持ち人を狙う等あり得ない事だ。所がどうだ、モンスター達が連携して冒険者達を苦しめているではないか。


正直に何が起きた。こんなのは有り得ないぞ、そう心の中で叫び声を上げる。いや、だが何であろうと関係ない。私は我が道を行くのみだ。


レイピアを取りモンスターに向かう。


「お前ら、私に付いてこい!!」


1階層程度のゴブリン等軽く駆逐してやる。


「オラオラオラァー」

束になってかかってくるゴブリンを倒し続ける中、死んだゴブリンに引っ掛かりレイピアが曲がってしまう。


そのレイピアを捨てて近くにいる冒険者の剣を抜く。そしてさらにゴブリン達を倒す、まるで波に侵食のようにゴブリンが我々を押し返して来る。


だが、その波もだいぶ大人しくなる。当然だ。いかにダンジョンと言えど無限にわくわけではない。


この勝負、私の勝ちだ!


「グアッ」「ヒィ」「助けてぇ」


突如後ろから悲鳴が聞こえ振り向くと10人ものポーターがゴブリンどもに殺られていた。


「チィッ」


ポーターどもの持つ荷物には食料から武器等が大量にある。


このパーティーは冒険者15が人、兵士が2人、ポーターが10人の大所帯だ。


食料を食い荒らされるは何としても避けなければいけない、後ろから来たゴブリンどもを倒し続け何とか武器と食料の荷物をおさえる。


ポーター全員と冒険者5名、兵士一人が1階層で脱落した。


だが、こんな所で立ち止まるわけにはいかない。


今回は60階層まで行くと決めて優秀な冒険者を準備した。何せ単独で50階層を越える階層に入った冒険者に難癖を付けまくり、そうまでして捕えてダンジョン刑に仕立てた冒険者が2人いる。


最悪この2人がいれば問題無い。


それから2階層に入った。ゴブリンリーダーがいる階層を突き進む、全てのポーターが殺られてしまい冒険者が荷物を持ち先に進むがゴブリン達のゲリラ戦術にかなりの苦戦を強いられる。


弓矢を飛ばし、我々が攻めれば逃げ、隊列が長くなると食料をやられる。


この繰り返しが起こる。まさかだ、高々ダンジョン2階層で高ランク冒険者が1名脱落してしまった。


だが、2階層はその高ランク冒険者1名だけの損害ですんだ。さらに階層を進みハイ・ゴブリンの階層に入った。


中程までは対した事もなく進み出口が見えかけた時、一気に囲まれた事に気づく。そしてハイ・ゴブリン達は私達の武器を手に取り一斉に攻め立てて来た。


物凄い混戦となり、冒険者が一人、また一人と倒されるなか背中を守る兵士がいつの間にか消えていた事に気がつく。


そして気がつくと高ランク冒険者が1名だけになっていた。


「おい、他はどうした?」

「知らん、皆殺られたんじゃねえのか!!

本当に疫病神だよ、あんた」


「なにぃ!!」

「ここまでダンジョンが怒るなんて基本は有り得ねぇ。


大体今戦っているのはお前一人だ。俺に見向きもしねえ。


あんた何をやらかしたんだ?」


「ふざけるなぁー」

回りを見渡すがハイ・ゴブリン達はたしかに冒険者を素通りしてきて私に迫ってくる。


ガキン!! ちっ。剣が折れた。


「おい、剣を寄越せ!!」


そう言って冒険者を探すが冒険者の姿がない、逃げやがった。


「ムオオオオー」「ウィンカッター!!!!!!」

風魔法を飛ばしハイ・ゴブリンどもをなぎ倒すと、倒したハイ・ゴブリンから武器を奪い魔法を駆使して何とか階層の出口に来た。


ザッ。 急に足元に何かが刺さった。


もう駄目だ。そう思った矢先に誰かに声をかけられた気がした、たが私が記憶しているのはそれだけだ。


気が付くとダンジョン前の天幕の中に寝かされていた。


「う!」


頭に物凄い痛みを感じる。目をあけるが左半分が見づらく遠近感がない。


「メメシー、何があった?」


甲高い、ヒステリックな声が聞こえる、私はその声の主を知っている。


第3王妃の声だ、なぜ奴がここにいる。お飾りは黙って国王をあやしていれば良いものを。


「メメシー、何があった? この1ヶ月何が起きたのだ?」


1ヶ月? 何を言っている。私は今日ダンジョンに入りそしてダンジョンに殺られたのだ。


なぜ? 声が出ない? いや、体が動かない何がおきたのだ?


メメシー伯爵がベットに寝たきりで右目しか動かず、この状態で発見されたのはダンジョンに入った1ヶ月後の事だ。


聖マリーンナ教会の教皇が異変を察知しダンジョンに入ったがそこにメメシー伯爵の姿はなかった。


倒された兵士や冒険者達の亡骸はあった。また一人の冒険者が階層と階層の間で亡くなっていたのが不思議でしかたなかった。


その冒険者の背中にメメシー伯爵の愛用のレイピアが深々と刺さっていたのだ。



      ◇◇◇◇◇◇◇


活動報告にも載せさせて頂きましたが、ダンジョンにも好き嫌いがあっても良いんじゃ無いのか。そんな思いで今回が出来ました。


もらったのはダンジョンプレゼントでは無く、ダンジョンの殺意でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ