審判の塔4
私は王都、第3旅団 警備隊第3小隊長をしているアニー ダンズと言う。
第3小隊は第3王妃や第2王子達が王都で活動する時の警備が仕事だ。
第1旅団の警備担当もいるが私服で行動することも多く、我々が分かりやすく軍服を着て警備に当たる。
そして今日。隊の下の者にせがまれギルドに来た、そこで出会ったのがもの凄く強い魔力を放ち全く隙のないたたずまいの男女だ。
下の者に話を聞くと第2王子と話をしていた女を何とかおとしめたい。
そう言う話とわかって怒りとささやかな殺意を覚えた。
そんなどうしようもない事で私を呼ぶな! ましてそれがあの強者だ。まるで最近まで第2旅団にいたマリア小隊長を彷彿とさせる2人だ。
喧嘩を売るなら自分の実力と相手の実力を知ってからにしろ!! 思わず心の中で叫ぶ。私は何とかこの争いを回避させないといけない。
どうやってもあの2人は敵に回してはいけない、私は直感した。そう思い、頭をフル回転しているとギルドの副マスター サンゼッテと第3旅団 警備団 団長のマックロック様がやってきた。
平伏しながらも少しほっとしてしまった。何とかマックロック様にお願いして切り抜けよう、そう思っていた。
マックロック様が我々に声をかけてきた。だが、それは煩わしい事に巻き込むな。
そう言っていた。
「なんだ? 私もそれなりに忙しい身だ。お前達は何をやっている?」
平伏する我々をよそにパッと明るい顔をしてあの2人の冒険者を見る。
「おや、タツキにダリアじゃないか? 何かこいつらがしでかしたのか?」
「タツキ!! ダリア!!」
私の聞き間違いか?
私の憧れの急襲隊の最年少隊長。そして第2王妃の救出に平民でただ一人選出された唯一の人物、それが急襲隊 隊長 タツキ ムルシアだ。
その事実は、平民出身の何のコネも無い者達からしたら快挙だった。
その活躍からだ、勇者認定されているマリアさんが第2旅団に配属されたのは。
そしてタツキと言えばダリアだ。
幼少期に軍に売られたタツキは両親を亡くしたダリアを引き入れ、成人まで育てたと聞いている。
女性兵士が一度は憧れた物語だ。
ダリアの為に献身的に守り続けたその姿を知らない者はいない。そして、ダリアも献身的にタツキをた支えた。
誰もがタツキにダリアに憧れた。
権力を持たず自力で階級を上げダリアを守り続けたタツキ、まるで英雄とそれを支える妻そのもののダリア。
その憧れがこの私の目の前にいる。
いてもたってもいられずにマックロック様に確認をする。
「マックロック様。先程タツキとおっしゃいましたが、あのタツキ殿ですか?」
マックロック様は何を今さらと言わんばかりの顔をしていました。
「そうだよ。お前の憧れの急襲隊のタツキだ」
あー!!! 私の第一印象は最悪だ。少しは私にもチャンスがあると思っていた。いや、ほんの少しの可能性を信じたかった。
あの、憧れのタツキの横に立つ。
夢物語と思っても少ない可能性を捨てたくはなかったが、現実を受け入れ、私はこの場にいる事も出来ずに闘技場をあとにする。
そしてその怒はこの馬鹿の3人娘に向くことになる。
「た、大変失礼いたしました。
この馬鹿達は私がきちんと話をしておきます」
後ろを向き3人を見る。
「おい、行くよ」
3人は今後は配置を変える事にした。冒険者もやめてもらう!!
もっとましな者を第2王子の護衛として冒険者登録をさせよう。それがこの馬鹿娘達に対する私のささやかな復讐だ。
◇◇◇◇◇◇
それから数日立ちメメシー伯爵達がダンジョンに来た。メメシー伯爵達の一行がダンジョンに来た時、ダンジョンが震えた。
ダンジョンが拒否したように思えた。ダンジョンに意思が有るのかは知らない。それも感覚的に完全拒否をしたように感じる。
メメシー伯爵がダンジョンに入った瞬間に神目によってその映像が頭に強制的に映った。
その瞬間はダンジョンにいるモンスターが一斉に同じ所を見た。それは、モンスターがダンジョンの意思だと言わんばかりに。
この異常な状態を察知したのだろう、再度ダンジョンプレゼントを求めダイブ中のダリアが拠点にしているセキュリティゾーンに戻ってきた。
「お兄ちゃん、ダンジョンが何か物凄く嫌な感じがして戻って来た。
何か有ったの?」
「メメシー伯爵達がダンジョンに入った」
「え、それだけ? モンスターが一斉に動かなくなって一点を睨んでいたけど」
「モンスターまで?
ダンジョンが完全拒否をしたんだね。
凄い事だね本当に審判の塔は意思を持って入る人を選ぶのかも知れないね」
◇◇◇◇◇◇◇
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