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双子座の勇者 2人で作る物語 900年の時をつなぐ親友との友情と共に  作者: 武田 健太郎


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新しいパーティー3

マーチさんとダリアのいる場所から、少し離れて隠匿魔法をかける。


そのまま、野営地の周りをぐるっと周りアンパイ達の後ろにやってくる。だが、音を立てずに進むのに少し時間がかかってしまった。


アンパイの仲間は、あの美女と初めて見る魔法使いの女、若い戦士風の男だ。どうやら新しい仲間を入れたらしい。


戦士と魔法使いの女はどう見ても最近冒険者になったばかりのような新人冒険者に見える。


多分、数合わせの2人だろう。

そんなアンパイ達を後ろに見て、モンスターを索敵する。


不味い事にモンスターが20匹程確認出来る、それもかなりの強さだ。思わず1人で来たことを後悔してしまう程に恐怖を感じてしまった。


額の汗を拭いながら、モンスターに近付いて行く。目視するとまさかと思い、2度見する。


だがそれは間違いなくミノタウロスの集団だった。やっぱり判断を誤った!! 俺1人でミノタウロスの群れば無理だ。


それにしてもおかしい、ダンジョン以外でミノタウロスを見る事等無い。おまけに群れを作らず単体で行動するモンスターだ、集団行動はあり得ない。


一呼吸置いて覚悟を決める。手に汗をかきながら日照を抜いて構える。


深く、深く深呼吸をして目をつむる。


俺に出来る事をしよう。ミノタウロスはBランクのモンスターだ。おまけに、しつけられたように隊列を組んで行動する。

そんなミノタウロスが20匹もいる。


正直に勝ち目がない、かといってシーザンがアンパイ達に寝返る事が無いとは言い切れない。

だからこそ今は、シーザンに戦いの協力を求める事は出来ない。


ましてシーザンの後ろ側にいるダリアやマーチさんを呼ぶ事も出来ない。


心臓がバクバクと音を立てる。


そんな状況で俺に出来る事。ここで確実にミノタウロスの群れを止める事だ。そう、自分の命に代えても。


日照に話しかける。

≪悪いな、新しい持ち主が俺で。


俺じゃ、お前を使いこなすのに後10年はかかる。それまで俺の物だとおもったんだがな≫


半分、諦めに近い言葉に日照は反応を示さない。

改めて索敵を行う。ミノタウロスは先頭に2匹、その後ろに5匹。


さらにその少し後ろに10匹。


その後ろに子供のような小さい個体が後をついていた、それはまるで隊列を組んでこっちに向かっている軍隊のようだ。その隊列を組む姿に、改めて違和感を覚える。


そこに日照が現れる。その姿は余りに不機嫌で、俺を哀れむかのように見る。


≪ほらな、ダリアなんかにうつつを抜かすからだ≫


日照が俺の前に来て馬鹿にして言う、その姿ほ、まるで前世で娘に言われたかのような懐かしさと寂しさを覚える。

≪ダリアは関係無いだろう。恨むなら俺を恨め≫


つい、ムカついて突っぱねる。前世の俺の娘なら馬鹿して意地悪を言うだろう、娘はいつもそうだった。


でも日照は違った、俺を見て分かってる。そう言わんばかに笑っていた。


≪仕方ないのう、妾も付き合おうぞ≫


≪無理するなよ≫


≪は! お主がそれを言うか?


ハハ、気に入ったよ。


タツキ。妾の本当の姿を見せてやろう、妾の美しさに惚れるなよ≫


≪自惚れるな。


おれはダリア以外に心を奪われる事はない。ダリア一筋だ≫


≪うむ。タツキは少し気持ち悪いな。


ダリアとマーチが可愛そうじゃ、そこは治した方が良いぞ、なんか変質者ぽいぞ≫


≪なんだその言い方は(怒)? 俺はストーカーじゃねぇぞ≫


日照が本当の姿を現す。

光輝くその姿は、着物を着た若い女性の姿だ。ふと、前世の子供の姿を思い出す。今よりもっとも年上の自分が珍しく興奮している姿を。


それは成人式を迎え、晴れ着姿で祝いの席に向かう娘の姿に重なってしまった。そう、その日を祝ったその姿を思い出す。

嬉しくも何故か寂しい感覚に懐かしさを覚える。


日照は振り袖をフリフリとさせながら駆け出し、クルクルと舞を踊るかのようにモンスター倒す。


日照は強い。そしてその美しい姿に目を奪われてしまった。

日照自身は楽しく遊んでいるようなその踊る姿っている、俺は自分より強く、何よりも美しいその姿に息をつまらせ狂おしい思いに身を焦がす。


日照は、まるでダンスでもしているかのようにミノタウロスの間を抜ける。ミノタウロスには日照の姿が見えないのか、まるで日照が存在していないかのように通り過ぎていく。


日照が通り抜けるとミノタウロス達がバタバタと倒れて行った。

余りの凄さに言葉を失いながら日照を見ていると、何事も無いように日照が振り向いてニコッと笑う。


≪悪いタツキ、テイマーに逃げられてしまった≫


へ? テイマー? そんなのいたの。


やっぱり俺はレベルが低いな、テイマーの存在に気付きもしなかった。


≪なんだその顔。妾はよくやっただろう≫


≪ああ。ありがとう。十分だよ。

日照、ありがとう。俺1人だったら死んでたよ、確実に≫


日照が満足げな顔をすると姿を消す。


      ◇◇◇◇◇◇◇


いつも読んで頂き有難うございます。

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この小説を読んで「面白かった」「もっと読んでも良いかも」と感じて頂いたら↓☆を★に切り替えて頂いたけると有り難いです。


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