救助3
「ブリット、サーペントの2人で一度街に戻ってくれ。子供達を預けて応援要請を頼む」
「「はい!」」
「なら、シルバーウルフを2匹付けましょう。邪魔をされる事は無いはずです」
「助かります」
「ハルアさんとダリアはここ中間地点に残り、回りの確認をお願いします。
ダリアこれを」
「あ、通信魔石」ハルアさんが驚いていた。
「それからハルアさん。我々にもシルバーウルフを何匹か付けてもらえますか?
もし子供達が全員生存していた場合。我々だけでは保護出来ない可能性があります」
「わかりました。一緒に行きたい子はいる?」
「ワフ」「ワン」
そう言うと何匹かのシルバーウルフが尻尾をフリフリする。
「あら、ボス。貴女は駄目よ」
ボスがしなたれてしまった。
て言うか、名前だったのね。ボスって。
「リーン。貴女と子供達で行ってちょうだい。何かあったらすぐに知らせない、わかったね」
「キャフン」
「それじゃ、皆に通信魔石を配る。魔力を登録してくれ。
範囲としてはここから街までは届くはずた。ハルアさん、我々の命を貴女に預けます」
「任されました。これからの指示は全て私が出します。
全員で生きて帰ります。『『『はい!!』』』
保護対象が見付かり次第、全員に通知します。救出部隊はタツキさんを中心にお願いします。『はい』
街に戻る2人はブリットさん。貴女におまかせします。
2人を届けて応援をお願いします『はい』」
「では、救出作戦を開始します。始め!」
すぐに馬車に子供乗せるとブリットとサーペントが動く。シルバーウルフが直ぐに馬車を守るように横に付く。
ブリットがシルバーウルフに抱きついてナデナデしていた。
ブリットの思いが伝わったのかシルバーウルフが遠吠えを始める。
索敵出来る範囲からモンスターだけでなく全ての反応が消えてしまった。
我々も馬車一台に子供とアサヒ、ナディア、サーフィンを乗せる。アイラッシュが馬車を操縦する。
そしてその横を俺とシルバーウルフの家族が走る。
約2時間程進んだ辺りで馬車を止める。
「この辺のはずだ」
アイラッシュが子供に話を聞く。
「ここは野営地だそうです。ここから西に2km程進んだ辺りで族に捕まったそうです」
≪ハルアさん。場所確認できますか?≫
通信魔石を使い確認をする。
≪そこから南西に1km程進んで下さい。子供達の姿を発見しました。
何やら作業中の用です。
その手前に男が数人立っています。見張りと見て問題ありません≫
「よし。ナディア、アサヒは子供と一緒に馬車を頼む。子供も連れて行ける時に呼ぶので何時でも動ける用に」
シルバーウルフに話しかける。
「リーン。誰かここで待たせておきたい。
お願いできるかな?」
「ウオン」
リーンが元気に返事をすると2匹が馬車に近付いた。
「リーン。ありがとう」
そう言って頭を撫でると少しだけど尻尾をふる。
≪ハルアさん。我々は準備出来ました。これから突入します≫
≪了解しました。子供達の安全確保が最優先です。お願いします≫
「それじゃ、アイラッシュ、サーフィン、リーン。行くぞ」
「「はい」」「バウ」
音を消して静かに近付く、獣避けの香草が炊かれていたのか少し近付いた時にリーンが嫌そうな顔をした。俺の索敵より先にリーン達が何かに気付く。
リーンが俺の袖を引く。
「先にいきたいのかい?」そう聞く俺を真っ直ぐに見る。
「オッケー。リーン、任せた」
「ガウ」
小さな声で唸るとシルバーウルフが森の中に消える。
そこから、先に進むと護衛をしていた大人達がシルバーウルフと戦っていた。
だか、シルバーウルフの戦闘能力の高さはすさまじく、完全にリーン達に遊ばれて入るような感じだ。
その隙をついて見張りと護衛を兼ねた者達を1人1人捕えていき、縄で縛るとリーン達の前に置く。
シルバーウルフが来たこと事に気付いた子供達が隠れ家のような所に避難した。
じょじょにシルバーウルフが隠れ家に近付いているのが判っているだろう。
数名の子供がドアから外に放り出される。
するとリーン達が走り子供をドアから遠ざけると、体の上に乗せてこっちに戻って来た。
ふるえる子供達の肩を押さえるアイラッシュ
「落ち着いて聞きなさい。
私は教育小隊長のアイラッシュだ。皆を助けに来た」
「アイラッシュ様」
たまたまアイラッシュを知ってる子がいたのだろう。アイラッシュに抱きつき泣き出してしまった。
「まだ、中に兄ちゃんが、兄ちゃんが」
≪ハルアさん。ここで間違い無いみたいです。現在4人の子供を確保しました≫
≪タツキさん。お疲れ様です。ブリットさん達が何とか警備隊と合流出来ました。
それとレインさんが有志を募って救出部隊を作ったようです。
冒険者と警備隊の部隊が今こっちに向かっています≫
≪了解。まだ、中に子供が残っている。
現状この状態では、中にいる子供が犠牲になる可能性がある。
俺とアイラッシュで突入する≫
≪え? 突入ですか?≫
≪心配入りません。これでも急襲部隊の出身です≫
「サーフィン。子供達を頼む。リーンもここで待っていてくれ」
リーンとサーフィンが黙って頷く。
「アイラッシュ、突入する。
中の形状不明、敵人数不明。救助者の人数も不明だ。
状況は最悪であるといえる。
昔のサインは覚えているか?」
「当然です」
「行くぞ」
隠匿魔法を2人ともにかけると静かに隠れ家に近付く。
索敵をかけると罠のような物を発見。あえて罠に木をぶつけ罠を発動させなから近付く。
隠れ家の近くに来ると中の声が聞こえる。
「おい、何かが罠にかかったぞ」
「やったな。今日は肉が食えそうだぞ」
アイラッシュにサインを出す。
内容はドア 2人 武器あり
ドアの前にくる。日照を出すとドアを斬る。ドアの前にいたであろう奴らも一緒に斬ってしまったようで、ドアをこじ開けると2人の遺体があった。
隠れ家は奥に長く、洞窟を加工して作られた場所のようだ。
索敵に一番奥の部屋に大人いることが判明。子供が1人と残りは大人5人だけのようだ、しばらく索敵に集中する。
壁だと思っていた所は牢屋になっているらしく子供達がつながれて入るのがわかった。
また、ハンドサインを出す。
奥 敵5人 不明者1人
アイラッシュからもハンドサインがある。
突入 先 行く
ここでアイラッシュと順番を入れ替えると奥の部屋の前に来ると子供の声が聞こえたように思う。
「結構簡単だったな。後でまた遊び相手を探さないとな」
「そうですぜ坊っちゃん。ですが流石ですね、あんだけ集められたら奴らと良い交渉が出来そうてですよ」
「おいおい、僕の取り分を忘れるなよ」
「大丈夫ですって。あの女2人は奴隷契約をした後で坊っちゃんの屋敷に届けます」
「そうしてくれ。これで各国の子を集める事が出来たよ」
そこまで話を聞いたアイラッシュがドアを少しだけあける。
「ち、立て付けわりいな」
1人がドアを一度開けた所でアイラッシュが動く。男を捕まえ、倒して俺に投げ飛ばすと直ぐに部屋の中に突入する。
俺が投げられた男を押さえ動きを封じると、部屋から若い男が飛び出してきた。身なりの良い男だ、恐らく貴族だろう。
その男を押さえ地面に押さえると手足を縛ってしまう。
その後部屋に入る。アイラッシュの奇襲で深傷をおった4人が座り込んでいた。
≪奪取 完了≫
≪サーフィン。リーン達を連れて中に来てくれ≫
≪はい リーンさん行きます≫
サーフィンの声が聞こえたかと思うとリーン達が一気に部屋の奥に入ってきた。
≪ナディア、アサヒ。馬車を近くに付けてくれ≫
≪了解≫
その後壁を壊すと中に閉じ込められた教育隊の子供達を発見した。
≪ハルアさん。子供達を見つけました。馬車が必要です≫
≪わかりました。私達も移動します≫
その後ろから物凄くガヤガヤとした声が聞こえてきた。
≪タツキさん、ブリットです。今、ハルアさんに合流出来ました≫
リーンが外に走りでると遠吠えをあげる。
それはここは自分達の縄張りだと主張しているかのような感じだ。
すると通信魔石からボスの遠吠えが聞こえて来た。
前の空き地の上空にいた、ファイアーコンドルが降り立つ、こうなるとほとんどのモンスターは近付かなくなる。
それから3時間程たち、集まった者達が合流する。
弱った子供達を兵士と冒険者が抱き上げ馬車に届ける。全ての子供を乗せると移動を開始する。
当然捕えた者は全員歩きだ。
大きな集団になってしまったが、やっぱり護衛を勤めたのがシルバーウルフの群だ。
群が全体をカバーするように動いてくれる事もありかなり移動が早かった。
2日程かけて街に戻ると門の前で何故か、新しい代官と新しい警備隊の隊長が待っていた。
その代官と警備隊の隊長を見た時、思わず隠れてしまった。
代官は以前いた街の書記官をしていた役人だ。名前までは覚えてはいないが、優秀な人材だったはずだ。
警備隊の隊長はルージ兵団長の下で長く千人兵長補佐を勤めた人物だ。
名前はキョウコ アルビアータ。先祖が異世界から来たと噂される人で、伯爵でもある。
この世界の人にしては珍しく黒髪、黒目で見た目的には日本人そのものだ。




