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双子座の勇者 2人で作る物語 900年の時をつなぐ親友との友情と共に  作者: 武田 健太郎


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ダリアとマーチ

「そでしたか。あの時の女性がマーチさんだったんですね」


「あら、私は良く憶えていますよ。あんなに真剣に男の方に守って頂くなんて初めてでしたから。


私は物凄く嬉しかったです、男性に助けて頂き、守ってもらうなんて。


それこそ女の子として見てもらったって真剣に心に響きました。だって冒険者をはじめて初めての体験でしたから。


また、お会い出来て私は幸せです」


マーチさんの笑顔が眩しい。

マーチさんの顔を見てダリアが恐怖した。


「だめです。お兄ちゃんは私だけのお兄ちゃんです」


俺の前で両手を広げマーチさんに対峙する。それを見てマーチさんが女の顔になる。


「あら、ダリアさん。お兄ちゃんなら、私が彼女になっても問題ありませんわ。


だってダリアちゃんのお兄ちゃんですもの」


ビクッとしてダリアが俺に抱きつく。


「ダリア、どうした?」

「駄目!! お兄ちゃんは私だけの!」


ダリアが俺に抱きつきマーチさんを睨んでいた。その目が微かに涙ぐんでいる。


「マーチさん。いたずらはこれ以上は止めて頂けますか? 


我々は依頼を完遂する為に出たいと思います」


仕方なくダリアを庇う。


「あら、私はいじめてませんからね」マーチさんがにこやかに笑う。


「承知してます。

ダリア、依頼を達成しに行こう」


「うん」


悔しそうに返事をするダリアは、俺から離れようとしない。そのダリアを無理矢理に離し、手をつないでダリアをギルドの外に連れ出す。


門を出て草原に出る。ヒール草、魔力草、ゴブリンの駆除を行う。


歩くこと20分位だろうか、少し小高い丘にくる。ダリアはまだ機嫌が悪いが黙々とヒール草と魔力草を採集していた。


そんなダリアが急に大きな声を出す


「お兄ちゃん!! お兄ちゃん、これエクストラヒール茸だよね?」


ダリアに言われて採った茸を良く見る。実際、初めて見るキノコだ。


薬草図鑑を開いてその場で調べる。


「ダリア、凄いぞ。エクストラヒール茸だ。お兄ちゃんも初めてだ」


「え! 本当?」


「ああ、本当だ。ダリアは凄いな」


ダリアが一気に機嫌が良くなった。

見つけた場所に、わからないようにマーキングする。


お昼になるまで頑張った所で木陰で休む事にした。


ルージ兵団長からもらったマジックバックの中身を確認してない事を思い出して、辺りに誰もいない事を確認してから中を全て出す。


「ダリア、もらったマジックバックの中身を全部出してみる」

そういって全てを出すと物凄い量の物が出て来た。


武器、防具は一式揃っているし。寝具に家具、食料なんて優に3ヶ月分は有るんじゃないかって程だ。


出した物を整理しているとダリアが何かを発見する。


「お兄ちゃん、見てお金まで入ってるよ」


お金の入った袋を見ると俺達2人の退職金と書かれており、手紙も入っていた。


"退職金はどうせ中抜きされて、たいした金額じゃない。ここに正規の退職金をいれておく。


この手紙を読んでいるってことは、上手く逃げ切ったな。勝手にそう解釈する。


2人共良く頑張った。これからは2人で幸せになれ"


何かの用紙を切って書かれた物だ。軍は備品にもうるさい。だからわざとメモ用紙の端を使ったのだろう。あらぬ疑いをうけないように。


改めてルージ兵団長の優しさに感謝しかない。


ルージ兵団長は俺やダリアが虐められている事を知っていた、親が兵士の奴らは親の名前を使い様々な抜け道を使う。


逆に俺達みたいな奴らは手探りで物事を行う。正直、子供の時に賄賂や色仕掛を行う奴は少ない。


そうなるとただ苦しい思いをして辞めていく者も多い。だからだろう、俺もダリアがいないと駄目だったと思う。ダリアがいるから頑張れた。


マジックバックから出した物をしまう。手紙はダリアが何度も読み返している、ダリアも感激したのか目を潤ませながら喜んでいた。


お昼の後に森に入りゴブリンの討伐に向かう事にした。

索敵をかけて怪しい所を確認してから近付く。ゴブリンが仕掛けた鳴子とおぼしきものを発見する。


木の皮をなめし、枝に穴を開け糸の様に組み合わせ設置している、全ての鳴子の場所を確認。


枝を使ったハサミを作りそれを使い罠を固定する。


触れると振動して枝がぶつかり合い音がなる、だから枝を使い固定して音を出さないようにした。


罠を固定した所から慎重にゴブリンのテリトリーに入る。


ゴブリンは人と比べると確かに知能は劣る、だか馬鹿ではない。罠を張り、身を隠し自分達が見える場所から攻撃を仕掛ける。


新人はその狡猾さを知らない。だからゴブリンにやられて死ぬ者も多い、それで付いた異名が新人殺し。


ただ、残念なのはそこさえ理解するとゴブリンに負けることはないと言う点だ。だから俺達もそれを利用する。


ゴブリン達の罠を確認すると見張りがいることがわかった。


見張りがさっきまでいた形跡がある。弓をマジックバックから取り出すとダリアと2人で持つ。先ずは遠距離戦だ。


ゴブリン達の持つ弓は弱く距離も短い。そこを押さえて確実に倒す。


索敵の範囲を広める。俺に出来る最大範囲で索敵を行う、レベルの低い俺には約40m位が最長だ。


索敵もレベルが上がると100m以上の範囲を確認できらしい。


慎重に罠をくぐり進むとゴブリンの集落を発見した。ダリアと共に奇襲をかける。


弓を構え矢を5本添える。ダリアにも50本近い矢を渡す。これを交互に5本ずつ放ちすみかを殲滅する事にした。


先ずは俺が矢に綿を付け火を付けて入り口付近に放つ。


放たれた火矢が、草木で出来た住みか燃やし始めると、ゴブリン達が住みかから出てきて右往左往していた。


そこにダリアが間髪いれずに矢を放つ。


俺とダリアと交互に矢を放ち住みかに入るゴブリンを殲滅させる。その後、倒したゴブリンを集めると燃えていない住みかに火をつける。


帰りにゴブリンが作った罠を音を出しながら壊していき森をでた、倒したゴブリンは優にに30匹をこえる数だ。


それをマジックバックにしまいギルドに戻る事にした。ギルドに入るとカウンターに向かい、依頼達成の報告を行う。


「お疲れ様でした。タツキさん、ダリアさん。結果は上場でしたか?」


マーチさんが営業スマイルで迎えてくれる。


「ええ、思ったよりも珍しい物がありました」


「珍しい物?」


「はい、ダリアが発見しました」


そういってヒール草、魔力草、ゴブリンを38匹出す。


回りで見ていた冒険者達がため息をこぼす。


「おい、昨日登録したばかりの奴らだぞ」


「おいおい、ゴブリンが30匹近くいる。どうなってんだ?」


「いや、それこそ無傷だぞ。あいつら何者だ?」


マーチさんは以外に冷静で「珍しい物は無いようですが?」


そう言ってこっちを品定めする。


「これですよ」


そう言うとマジックバックからエクストラヒール茸を取り出す。


「実は群生地をダリアが見つけました。ただし取ってきてのはこの2つです。


後はまだ生育がなっていなく取っても無駄になると判断しました」


マーチさんの顔がひきつっていた。


「これを何処で取りましたか? 群生地の情報もギルドで買い取りたいと思います」


マーチさんが営業スマイルすら忘れ力説し始める。


そんなマーチさんをおさえて言う。

「情報については何もお教え出来ません。冒険者であるマーチさんならその意味をご理解頂けますね?」


冒険者が簡単に情報を提供するなんて"信用出来ない奴です"と言ってるような物だ。


そんな冒険者は誰にも信用されない、そんなことを俺がするわけが無い。


マーチさんが俺を見て悲しそうな顔をする。


「俺は、信用できない冒険者になるつもりはありません。


何を売って何を売らないかは俺達売り手が決める事です」


「情報も食材も鮮度が命ですよ、タツキさん」


マーチさんの顔に笑顔は無い。


「お互いを良く知ってからでも遅くは無いでしょう。私は昨日今日知り合った人を全面的に信用できる程、頭はお花畑には出来ていません」


「あら、奇遇ですね。私も昨日今日知り合った人を信用する程お人好しでは無いですよ」


マーチさんが冷たい笑みを浮かべる。


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