友達
その日は、アサヒのお店が近い事もありブリットのおばあちゃんのお店にアサヒを連れて来ていた。
「しかし驚いたわぁ~。ダリアがいるんだもの。何年ぶり?」
アサヒがそう言う。
「こっちこそ驚いたよ。叔父さん亡くなったんだね。
ごめんね。葬儀とか行けなくて」
「いいよ。知らなかったんだし。
それに私が不便しないように色々と教えてくれたしね。
何より残してくれた人脈は私の財産だよ」
「「ねえねえ」」
サーフィンとブリットが興味津々にダリアとアサヒを見る。
「2人はどんな知り合い?」
「私の両親とアサヒのお父さんがすごく仲が良かったの。
子供の頃は良く遊んだ仲だよ」
「ふーん。それにしてはタツキさん知らないだね」
「そうだね。軍に入ってからはなかなか会えなかったし、こっちに来る少し前にアサヒと再会してからだから、大体2年ぶり位じゃない」
「そうだね。あのお転婆が可愛くなってて驚いたわよ」
「妬かない。私は元から美人なの」
「嘘付け。まえに再会した時なんか疲れきってて死にそうになってた癖に。
それに私の方が絶体に美人だしぃ」
ダリアとアサヒのやり取りが面倒臭くなり、1人でつまみを食べつつ、エールを飲んでいるとサーフィンに絡まれた。
「タツキさんはアサヒの事を知らなかったのですか?」
「うん、知らない。
俺は基本的に商人の知り合いはいないよ」
「おや、タツキにダリアじゃないか。
この2人借りてくよ」
やってきたのはブリットのおばあちゃんだった。
「存分にこき使ってちょうだい」
そう言うと2人がブーブーと文句を言いながらお店の手伝いに向かった。
「所で、タツキさんがダリアの彼氏?」
ニヤニヤとしながらダリアを見るアサヒ。
ダリアはけろっとしたまま答える。
「うん、私の王子様」
ブッ! 思わずエールを吹き出しそうになる。
まあ、何時も結婚するとか色々言われるからなれてはいる、けど何処か恥ずかしい。
◇◇◇◇◇◇
翌日、ダリアと2人で倉庫の地下室で目を覚ます。
最近、2人の時は家ではなく倉庫の地下室で過ごす事も多くなっている、ダリアが朝食の準備をしていると鏡から声が聞こえる。
「ダッツおはよう。武術会は順調か?」
「おお、タツキ。任せろ明日決勝だ。まあ、どんな奴が来ても俺の敵じゃねぇけどな」
「けど、突然武術会に出るって聞いた時は驚いたよ」
「まあな、優勝者には太陽の剣と言う魔法剣がもらえる。
それを見た時に直ぐわかった、あれは俺の剣だ。あいつは意思がある。
俺以外の奴が使ったら太陽の剣は唯のダメ剣になる。
それは太陽の剣に悪いからな」
「そうか、ダッツなら問題ないだろうな。応援してるぞ」
ダッツの奥からマリーンが顔を出す。
「タツキさん、おはようございます。
このところダリアしか顔出さないから、いないのかと思ってましたよ」
「マリーンおはよう。今日は珍しくダリアが朝飯作っているから、時間に余裕がある」
「フフ、そうなんだ。
ダリアにしたら珍しいね。何時もタツキさんにしがみついておねだりしてるのに」
「え、見られていたの?」
朝食を作り終えたダリアが来て驚いていた。
「それなら、俺も見た事あるな。ダリアって寝起きの時なんかタツキにおぶさってこの部屋に来たりするぞ」
ガヤガヤとそんな話をしているとダリアが顔を真っ赤にして止める。
「は、恥ずかしいから、それ以上は止めて」
「フフ、本当。タツキさんとダリアの仲が羨ましいわ」
そうマリーンが呟く、そこに元気な声が聞こえてきた。
「ダッツ、マリーン。そろそろ行くぞ、準備が出来たらこいよ」
「ゴールドが迎えに来たみたいだな。タツキ、ダリアまたな」
「ああ」
手を振って別れる。
勇者ダッツの仲間が聖女マリーンとタンクのゴールドの2人に増えたんだな。
残りの2人は何処で出会うだろうな。伝説の勇者一行の成り立ちをこうやって見れるなんて、贅沢過ぎる
約900年程前の伝説の勇者。
そしてその勇者を支えたパーティー。その成り立ちをこうやって見ているなんて最高の贅沢な気がする。
でもゴールドってどんな人何だろうな。会うのが楽しみだ、おまけに太陽の剣も見れるだろうな。
贅沢だ。凄く贅沢な環境にいるんだな。そう思うと勝手に顔がほころぶ。
「お兄ちゃん、なに? 思い出し笑い?
ちょっとキモいよ」
「へ?」そ、そんなに?
「それよりさ。ダリア、このバック見てくれるか」
「なに?」
「パールミノの革が微妙に余っていたんだ。ポシェットを作ってみた。普段使い出来るように仕上げてる。使ってもらえそうかな?」
パールミノは革がパールのように白く光沢がある変わった牛だ。
ちなみに肉質は酷く、食用にはむかないのが特長で、革をなめすのに時間がかかる上に滅多に出回らない素材の為か非常に高価な物だ。
今回は光沢を少し抑え、サイドにアダマントスネークの革を使い淡い青色を入れ、留め具に光沢を抑えた金色素材の金具を使った。
ショルダーストラップの金具は長さ調節が出来るようにバックル金具を着ける。
ショルダーストラップもパールミノの余って使えなかった細長い革を使って仕上げた。
「お兄ちゃんがバックを作った!?
どうしたの? あれだけ頑なにバック作りを断っていたのに?」
「素材を整理してたらパールミノの素材を発見したんだ、服には出来ないしと思ってバックにしてみた。
これなら、買い物に行くときのラフな格好の時も使い勝手がいいかなと思ったんだけどどうだろう」
「ありがとう~」
そう言うと嬉しそうに家に走って行った。服も着替えてコーディネートするらしい。
するとまた直ぐに戻ってきた。
「お兄ちゃん、ご飯食べてから手伝って。結構いろんな洋服に合うと思う」
「了解」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
いつも読んで頂き有難うございます。
読んで頂いている方がいると思うとモチベーションがあがります。
この小説を読んで「面白かった」「もっと読んでも良いかも」と感じて頂いたら↓☆を★に切り替えて頂いたり、フォローして頂けると有り難いです。
皆様の応援が目に見える事が私のモチベーションとります。よろしくお願いします。




