ダリアとタツキ
それから数日かけて家の中の整理を終わらせるて、裏の畑の雑草取り等をしていると雑草の中から古びた杖を見つけた。
杖はミスリルで出来ており、先には大きな魔石がはめ込まれていた。
魔石が何かはわからないがミスリル自体かなり高価なものだ。
そんな物を見つけてしまうと少し厄介だ。
持ち主と言う者が現れる可能性もある。これがダンジョン遺産なら、俺の物だと主張も出来るが畑の中じゃなんともならない。
倉庫にいってダリアに声をかける。
「ダリア、龍源の向かいにある大家さんに会いに行こうと思ってる。一緒に行くか?」
ダリアが不信に思ったのだろう。
「何、急に?」
「こんな物を拾った。全体がミスリル製だ。ましてかなりのでかさの魔石が付いてる」
そう言うと畑で見つけた杖を見せる。
「うわ! 年代物だね。おまけにミスリルって結構高価なものでしょ」
「そうだろう。もし大家さんが持ち主でないならギルドに預けておこうと思ってな。
折角、ダリアと2人でゆっくり暮らせる場所が出来たのに回りに荒らされると面倒だしな」
「そうだね。やっとゆっくりしたのにまた狙われるのは嫌だね」
そう言って少し考えるとダリアの表情がパッと明るくなる。
「お兄ちゃん、それをこの倉庫に無造作に飾っておこう。
確かに高価な物かも知れないけど、他の物と一緒において置こうよ。こんな農機具をとる人もいないし、こんな錆びた杖を盗む人もいないよ。
それに、元々ここに合った物の場所を移動しただけの事でしょう。盗んだ分けでも無いし問題無いでしょう」
ダリアにそう言われて納得してしまった。木を隠すなら森の中か。
古びた道具や補助杖等の一角に拾ったミスリルの杖を飾り、盗難防止の鍵を付けた。
いくら治安が良くても鍬や農機具等は盗難に会うリスクがある。鍵をかけ管理するのが一般的なのだ。
そこに紛れ込ませると杖より農機具の方が高く見える。
ナイス、ダリア。
その日、ダリアと2人で初めて中級ダンジョンに来た。
ダンジョンはウルフ系、猪系、熊系を初めとする動物系のモンスターとオーク、ミノタウロスと言った。モンスターが出るらしい。
一気に攻撃レベル、防御レベルが跳ね上がるのがこのダンジョンだと言われている。
そして本当に希に出ると言われるモンスターがいる、恐竜のようなモンスターだ。
噂話程度に聞いた話だが、四つ足で体全体に刺のある鎧を持ち尻尾にハンマーが付いていると聞いたことがある。
俺の中では鎧恐竜を想像してしまった。そんなのとは絶体に会いたくはない。
この中級ダンジョンのモンスターは食用のモンスターしか出ない、ゆえに食用肉専門ダンジョンとも言われている。
ここのモンスターを狩る事が出きるとかなり収入も安定するはずだ。
それと目的は俺とダリアのレベルアップだ、2人共にDランクになっは良いが余りにもレベルが低すぎる。
実際に俺もダリアもEランクの上位とレベルが変わらない。
前のレベル
ダリア ビンセント
15歳
女
ギルドランク D
レベル20
最大HP1680
最大MP2108
スキル 剣術(スラッシュストッシュ.ダブルスラッシュ.クロススラッシュ.パリィ) 弓術 格闘術 治療術
取得魔法 身体強化 魔法強化 魔力調性 生活魔法 氷魔法 回復魔法
タツキ ムルシア
18歳
男
ギルドランク D
レベル 25
最大HP2380
最大MP3005
スキル 剛腕 瞬足 剣術(スラッシュ.ストッシュ.ダブルスラッシュ.クロススラッシュ.パリィ) 格闘術 裁縫 暗視
取得魔法 索敵 身体強化 生活魔法 隠匿魔法
現在のレベルがこうだ。
ダリア ビンセント
15歳
女
ギルドランク D
レベル22
最大HP1990
最大MP2550
スキル 剣術(スラッシュストッシュ.ダブルスラッシュ.クロススラッシュ.パリィ) 弓術 格闘術 治療術
取得魔法 身体強化 魔法強化 魔力調性 生活魔法 氷魔法 回復魔法
タツキ ムルシア
18歳
男
ギルドランク D
レベル 27
最大HP2690
最大MP3369
スキル 剛腕 瞬足 剣術(スラッシュ.ストッシュ.ダブルスラッシュ.クロススラッシュ.パリィ) 格闘術 裁縫 暗視
取得魔法 索敵 身体強化 生活魔法 隠匿魔法
Dランクの平均レベルが35位だからそれと比べると圧倒的に低い。
Dランクは一人前に扱われる事が多い。依頼内容もそれまでとは格段に違ってくる。
危険度も一気に上がるし今後の事もある。ゆっくりではあるが最低でもBランク冒険者の平均レベル50は超えたいところだ。
中級ダンジョンに入ると中は草原になっていた。このダンジョンのフロアーは物凄く広いのかはるか先に地平線が見る。
空間魔法で拡張されているのか、幻影魔法で広く見せているかわからない感じだ。
早速ブラックウルフの群れを発見する。身を屈め隠匿魔法をかけて弓を準備する。
「ダリア、50m先」
ダリアも黙って頷く。ゆっくりと弓矢が届く範囲まで近づくと群れのボスらしき個体を発見。
「お兄ちゃん、あれは私が狙う」
小さい声でダリアがそう言うと剣をだし氷魔法をかける。
「アイススラッシュ」
ヒュン!! ザシャ!
ブラックウルフの群れごと凍り付かせて倒してしまう。それから近付き、1匹1匹に止めをさしてから回収する。
ブラックウルフの群れを回収している時に何かにぶつかる感触があった。
まだ続いていると思われた場所に壁が有ったのだ。手で触ると良く分かる、ゴツゴツとした岩壁がそこにあった。
ブラックウルフ達はここに壁があるのを知っていて背中を守っていたのかもしれない。
「お兄ちゃん、ブラックウルフ10匹いたけどどの位になるかな?」
「そうだね、大体1匹で1万リン前後でしょ、そこから解体の手数料何かを引かれるから、良くて8万リンってとこじゃない」
「8万リンか。て言う事は後少くても20匹は必要ね」
「どうしたの? そんなにお金必要なの?」
「うん。もう少しでマーチさんの誕生日でしょう。マーチさん以前から人気のバック欲しがっていたんだけど結構高いのよ」
「マーチさんの誕生日?」
俺聞いたとこもなかった。実際マーチさん何歳なんだろう?
「お兄ちゃん、本当にそう言う人とのつながりを大事にしないよね。本当に私がいないと生きていけないよ、注意してね」
「き、気を付けます。
俺も半分出すよ。だから許して」
「仕方ないなぁ」
何故か勝ち誇ったようにダリアが言う。
ハ、もしかしてこれが最初から目的だったのか? はめられた。
「お兄ちゃん、何か変な事考えてない?」
「そ、そんなことないよ」
何故か棒読みになる。




