家探し
ギルドの受付に来ると今日はマーチさんがいないみたいだ。最近仲良くなった受付のお姉さんに声をかけて、おすすめの住宅があるかを聞く。
「そうなのね、宿じゃなくってと言うことでしょう」
「そうですね。前にマーチさんから紹介してもらった不動産屋さんは、凄く高くて」
「だろうね」
何故か受付のお姉さんがウンウンと頷く。
「私達のおすすめとしては龍源ってお店に行くといいよ」
「龍源ですか、何処にありますか?」
場所を聞いてやって来た。
看板を見つけると確かに龍源と書いてあるけど…。
でも本当にここで良いのか?
魔女でも住んでいるのかと思わせるような見た目でぼろぼろの建屋だし、看板も斜めになっているし。入るのに勇気がいる建物だ。
いざ、入ろうとした時だ。不意にダリアが手を強く握る。
「どうした?」
「お兄ちゃん、あれ」
そう言って指すと入り口の所で誰かが倒れていた。
慎重に近づくといびきが聞こえる。
「グ- ゴガッ スッ スピ~」
ダリアと2人呆れて寝ている人を見る。
「声かける?」
ダリアに嫌そうに聞かれてしまうが仕方ない、一応声かけてみるか。
「おじさん、ここで寝てると風邪引くぞ」
「あ、 もう無理だ~、これ以上飲めねぇよぉ母ちゃん」
ガチャッ 突然と龍源のお店ドアが空くと中から女性が出て来た。
「コラ!! 店の前で寝てんじゃねぇぞ!
クソオヤジィ 商売の邪魔だろう!!」
そう言うと足蹴にしておじさんをおこす。
「なんじゃ メルシャン。ジジイはもっと大事にせんといかんぞ」
寝起きなのだろうおじさんがメルシャンと言う女性に抱きつく。
「いい加減にしろ-!!」ガゴン!
女性が持っていたフライパンでおじさんの頭を思い切りぶん殴る。
殴られたおじさんは目が覚めたのたのだろう。
「お、おはようメルシャン。何で店の外に出てるんじゃ」
「てめぇのせいだろう!!」
もう一度フライパンをふるがおじさんがさっと避けて店の中に入る。
女性が地団駄を踏みながら1人ぶち切れていた。
「すまない、ここが龍源と言うお店で良いのだろうか?」
取りあえず声をかけてみた。
「あ?」
女性が俺とダリアを見て睨んで来る。そして俺達の前に来ると下から上まで睨むように見る。
「あんた、なんなのさ? 冷やかしならいらねぇよ。大体ここが何の店か知っててきてんのか? ああ!!」
どうにもさっきのおじさんといい、この女性といい個性的な所を紹介されたみたいだ。
「ギルドの紹介できた。家を探している」
女性がさらに訝しげに俺を見る。すると店のドアが空きおじさんが出てきた。
ゴン!! 突如おじさんが女性の頭を何故か勢い良く叩く。
「メルシャン。勝手に客を値踏みするな、貸す貸さないはわしが決める事だ」
「フン!!」
メルシャンと呼ばれた女性がお店に入っていく。
「わしはここの店主をしておるタッカンと言う。ギルドの紹介らしいな?」
「ああ、冒険者をしているタツキと言う。よろしく頼む」
「まあ、中に入れ」
タッカンに案内され店に入る。
店の中は外観のぼろぼろ感と違い綺麗な状態で、カウンターがあり客用のテイブル等も完備されている。何よりオドロイタのが花瓶に真新しい花が飾られていた事だ。
タッカンから椅子に座るように促されダリアと2人で座る。
「で、どんな家がいいんだ。家賃とか希望有るか?」
「基本的に俺とダリアと2人で住む、キッチンと別に2部屋有ると助かる。
それから冒険者をやってる。訓練もしたい、庭もしくは近くに空き地があると助かる」
「フム」
そう頷きながら俺の言った話をメモする。
「で、家賃はいくらなら出せる?」
「最高で15万リン。それ以上は厳しい」
タッカンが俺達を睨む。
その後ろからメルシャンが話す。
「ちょっと、たった15万リンで家借りるつもり?
冒険者って言った所でたいしたこと無い連中だね。
いいかい、基本的に30万リン無きゃ町中に借りる事なんか出来ないんだよ。
だいたい…ブ!!」
メルシャンの口にタッカンが何かを押し込む。
「お前は黙っていなさい」
タッカンの命令にメルシャンがおとなしく従うように見せて俺達を睨み付けている。
「タツキと言ったな。お前さん町中に家が欲しいか?」
「いや、町中じゃ訓練するにも隣近所に迷惑にならないか気になる。
音が出たりとか声が聞こえたりとかな。出来れば少し人の少ない場所が希望だ」
タッカンがニヤッと笑う。
「初級ダンジョンと中級ダンジョンの間位に丁度良い物件がある。
ちょっと難ありでな、誰も借り手がいなかった家だ。そこはどうだい月10万リンだ」
「難ってなんだ?」
「倉庫がある。何をするつもりで建てたがはわからんがその倉庫に地下室があってな、わしは見たが何も感じなかった。
だか、人によっては何かを感じるらしい。
数年前まで行商人が使っていてな。何やら商売が上手くいったらしく王都に越して行きやがった」
成る程、座敷わらし的なものかと知れない。
つい日本人だった時の事を思い出す。
実は座敷わらしに興味がって、良く出ると言う噂の旅館に通ったりした事を思い出して懐かしく思ってしまった。
「わりと治安の良い地域だ、農家が多くて家と家の間が広い。どうだ見てみないか?」
ダリアを見ると黙って頷く。余り気にしていないみたいだ。
「じゃあ、見せてもらえるか?」
そう言うとタッカンと一緒に家に来た。曰く付きの倉庫は元々は農家の為のものだ、農機具などが無造作に置かれてある。
そして倉庫の広さは家と変わらない位に広い。次に家の中も見る、外も中も割に綺麗で使い安い感じの所だ。
「なあ、ここを本当に10万リンで借りて良いのか?」
「こんな所に家を借りたい奴は少ない。町中は人気があるがな、ちょっと離れるとこんなもんだよ。
それより問題の倉庫に入るぞ」
タッカンに連れられて倉庫に入る。倉庫自体は何一つ怪しい物も無い唯の物置小屋といった感じだ。
そして地下室に入る。何故かキッチンとトイレそれと別で部屋ある。
そして部屋に姿見鏡が取り付けてあった。理由はわからないがマルベルト ラッセルの魔力をその姿見鏡から感じていた。
ダリアも魔力を感じたのだろう俺の手を掴んで聞いてきた。
「ねえ、これ?」
「うん。後で確認しよう」
俺とダリアの会話に?マークを付けながらタッカンが見ていた。
「タッカン。この家を借りたい。良いか?」
「ああ問題無い、1度店に行って本契約だな。
契約を終えるとすぐに家を使えるがどうする?」
「なら、直ぐに借りるよ。家の掃除やらないといけないだろうしな」
「了解。ちなみに家の後ろの庭と畑はこの家の物だ。穴をほらない限りは好きに使って良いぞ」
「そうか、ちなみにここの大家ってタッカンか?」
「いや。龍源の向かいにある食堂の女将さんだよ。契約が終わったら顔だす予定だ、何でも女将の生家らしいからな。綺麗に使ってやってくれよ」
「ああ、約束するよ」
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