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双子座の勇者 2人で作る物語 900年の時をつなぐ親友との友情と共に  作者: 武田 健太郎


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Fランク試験

「マーチさん。一週間程開けてまた来ます。それまで大人しくしていろと宰相閣下の命令です」


「え、なら私もご一緒しようかな」


そう言ってすり寄ってくるがダリアが間髪いれずに間に入る。


「マーチさん?」


「は、はいぃ」


なにやらマーチさんとダリアの力関係が変わったらしい。


マーチさんがすごすごと下がっていく。


ダリアと共に一週間分の買い物をすませダンジョンと関係無い方に向かう。


途中つけてきた者を全て振りきるとダンジョンに帰っていく。


ダッツの部屋に入り、防具や武器の手入れを行い時間を潰しているとマルベルト ラッセルの声が聞こえた。


ダッツ達が向こうの世界で、鏡を半分にした為かダンジョンの壁の半分が土壁に戻っていた。


「かー、ダッツの馬鹿者め、鏡を半分に斬りおって」


「マルベルドさんか? タツキだ。久しぶりです」


「おー、タツキにダリアじゃないか、久しぶりだな。元気か?」


「ハイ。それよりマルベルドさん、ダッツが半分鏡を持って行ってからこっちの鏡も半分になったんだが問題ないのかな?」


「心配は無い。ダッツが鏡を使い始めると半分復活するはすじゃ。


ダッツが王都に向かったのは知ってるのか?」


「ええ、エンシェントドラゴンが王都に出たと聞いています」


「そうなんだよ。それでダッツとマリーンの2人に経験をさせようと思ってな。

やっぱり若い奴には旅が一番」


マルベルドの顔が完全に親の顔になっている。本心じゃ心配で仕方ないのだろうな。


「マルベルドさん。教えて欲しい事がある。


肉体を二十歳前後で止めておく事は可能なのだろうか?」


俺の質問にマルベルドの顔が強ばる。


「どうした、何かあったのか?」


マルベルドの魔力が漏れる。余りの強さに鏡越しにも関わらず息くるしさを感じる。


「実は、現在68歳の冒険者が、二十歳前後の肉体を保っている。


俺は何度も目の前に立って相手を見たが相手の強さを全く感じなかった。


もし、相手に殺意があれば俺は死んでたと思う。何か対策出来る事はありますか?」


「無い。悪いがそれが答えだ。


その技術は本当に特殊だ。

今のこの時代も扱える者はほんの一握りだ、そしてその一握りの一族で代々受け継がれている技術だと言われている。


唯一対抗するにはその相手よりも強くなることだけだ」


「そうですか。ありがとうございます」

そう言って頭を下げる。


「すまんな力になれなくて」


マクベルドが帰るとダリアと2人で昼飯の準備をしてそれから、ゴロゴロと過ごす。


一週間たち、ギルドに来るとサーフィンとブリットが待っていた。


今日はFランク昇格試験の日だ。サーフィンとブリットも試験を受けるつもりらしい。


受付に向かいマーチさんを見つけると2人に付いて相談する。サーフィンとブリットについてはギルドの元Bランクの女性職員が試験を行う事になった。


「え! タツキさんが試験官じゃないんですか」

ブリットが物凄く驚いていた。


「当たり前でしょ、俺が2人の試験官だと問題あるでしょ、2人だけえこひいきしてるとか言われかねないもの」


「「えー」」


サーフィンとブリットの2人が落ち込んでしまった。


「そうですか。また落ちますね」

「うん、私もそう思う」


「言っておくけど、俺が担当なら確実に落とすぞ。2人はまだ基本しか教えていない、本当に強くなるのはこれからだしな」


「あ、あの。この試験で受かってもまだ指導してもらえますか?」


そう聞いてきたのはサーフィンだった。


「当然だ、一年契約だ。逃げ出したら取っ捕まえるからな」


「「ヒィ~」」


冗談のつもりで言ったがが本気で怯えてしまっている。俺、そんな怖いかね。


Fランク昇格試験が始まる、最初に俺の担当試験らしい。


今回集まったのはサーフィン、ブリットを合わせて6人。


俺と女性職員の2人で試験を行う。


「さて、Fランクの昇格試験を始める。番号札を呼ぶ、呼ばれた者は闘技場に上がって試験をする。


魔法使いは闘技場に上がったら自主申告するように」


「俺は試験官のタツキだ。番号札1番、闘技場に上がれ」


背中に大盾を背負った男が来る。


「俺はタンクだ。どうやれば試験に受かる?」


「俺が素手で攻撃するからそれを耐える事、それと攻撃をしてもらう。


その両方を見て決める」


「俺が攻撃?」


受験者が首をかしげる。


「さ、準備はいいか? 問題無いならいくぞ」


相手の疑問をよそに手にスラッシュをまとい受験者に放つ。


とっさに盾を構えスラッシュを受ける。


しゅっ。 ドン!!


流石はタンクが使う大盾だ。受験者が吹き飛ばされたが大盾だけは傷もつかずにきちんとしている。


「おきろ、この程度で気を失ってるようじゃ、ここで終了だぞ」


「クッ」


ふらふらと立ち上がると脇に下げてる剣で向かってくる、落ち着いて相手を仕留める動きだ。


姿勢はやや低く剣を真っ直ぐに向け突きの連打が来る、それをかわし手刀を受験者に軽く当てて終わる。


「そこまで!!」


女性職員の声が響く。

女性職員と顔を見合せ合格を宣言する。


次の冒険者の試験を行いサーフィンとブリットの試験が始まる。


最初にサーフィンが試験を行う。

相手は元とは言えBランク冒険者だ。サーフィンの攻撃をかわしつつ隙を付いてサーフィンに攻撃を放つ。


サーフィンも相手の攻撃をかわしまた攻撃に移る。そんな攻防を5分程こなした所でまったをかける。


そのまま女性職員がサーフィンの合格を言い渡す。


サーフィンと女性職員の攻防を見て他の受験者が自信を失ったのは確かだ。


俺と対戦したタンクの受験者は、サーフィンの強さに完全に引いてしまった。


そして同じ受験者達の自信を完全にへし折ったのはブリットだ。


ブリットは女性職員と試験を行い、女性職員の持つ剣を飛ばすと女性職員から1本を取った。


「まいったな。まさか1本取られるとはった思わなかった。


君はサーフィンとパーティーを組んでいるよね。ダンジョンは何処まで潜るの?」


「私とサーフィンだけでは、初級ダンジョンのゴブリンリーダーの部屋までです。

まだまだです、たいした事はありません」


「ブッ ゴブリンリーダーの部屋を2人で!! 監督は誰?」


「Dランクのダリアさんです。ダリアさんは単独で、ゴブリンロードの部屋を完全走破しますから、我々ではまだまだです」


女性職員と回りの冒険者が遠い目をしている。


「そ、そう。 ダリアちゃんね。


あのね。ダリアちゃんは兵士として貴女達よりも、もっと幼いときから厳しい訓練を受けているの。


ダリアちゃんと同じ事が出来なくてても気にしなくて良いのよ。


2人共合格ね、良く今まで頑張ったわ」


「「ありがとうございます」」


その後、次の試験が始まるが受験者からキャンセルが出た。


理由は自分達はここまで強く無いと言うのがその理由だった。


女性職員が、あの2人を基準にする必要が無いと説明したが次の機会に受け直すと言って戻ってしまった。

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