攻防1
予選会2日目
40人いた予選会の人数も半分の20人にまでなる。
この後最終的に4人まで絞る予定だ。
昨日は俺の対戦が一番最後だったが今回は俺が最初のようだ。内容は5人1組で乱戦を行いそのなかで勝ち残った者が本戦に出場となる。
闘技場に上がると昨日の試合ですでに満身創痍な者、気合いが入りまくっている者等様々だ。
「始める前に言っておく。俺は例え下のランクだろうと容赦しねぇ、死にたくなかったら棄権しろ」
いかにも強そうな大柄な男がそう宣言する。たが、当然だがそう言われて帰る者も無い。
マーチさんが闘技場に上がる。
「さて、ここで勝ちのこった者が本戦に出場する。
最後まで気を抜かずにやるように。
それと昨日、違反をおかした者がでた。ギルマスと話し合った結果、予選が終った後で始末することが決まった」
大柄な男が緊張する。
「当然だが、そいつらが本戦に出場できることは無い。私の目を誤魔化せたと思っているなら、止める事だ」
そう言うと闘技場を降りる。
それを合図に戦いが始まる。満身創痍の奴は始まると同時にギブアップして闘技場を降りた。
その後は俺と残り3人の対戦となる。
「こいつらは、俺の子分だ」
「そうか? 別にどうでもいい。ようはお前達3人倒せば良いだけだろう」
2人の男が左右に別れて攻めてくる。中心に大柄な男が悠然と立っていた。
剛腕と瞬足のスキルをかけると、大柄な男めがけて突進する。
前に構えた硬木剣をそのまま大柄な男の鳩尾に突き刺す。
俺の動きに対応出来なかったのか大柄な男はそのまま白目をむいて倒れる。
脇から何か飛んで来た感じを覚えパリィをする。
コン カツン! 吹き矢がパリィに弾かれ地面に落ちた。
その後残った2人の冒険者を捕まえると、再度吹き矢が飛んでくる。
捕まえた2人を盾に吹き矢を受ける、吹き矢が飛んで来た方向は2ヵ所。片手で一人一人持ち上げ吹き矢の盾にする。
吹き矢を受けた2人が口から泡を吹いて倒れる。
観客席から慌てて逃げ出す男3人をマーチさんとレインの2人で捕える。
すると、どこからともなく「しくじったな」と呟く声が聞こえる。
最終的に俺の対戦者は全員失格となり、俺が本戦に出場となる。
次ぎにサーフィンとブリットの2人が同じ試合となった。
対戦はサーフィン、ブリットと男の冒険者3人。
中に強い雰囲気を持つ者がいた。おそらくサーフィンとブリットでは勝てない、そう思った。その男は赤い髪止めを付け、使い古しの革鎧を付けていた。その赤い髪止めが印象に残る。
対戦が始まるとサーフィン、ブリット。冒険者2人と髪止めの男と構図が出来る。
髪止めの男はサーフィンとブリットを狙って攻めてきた。
サーフィンとブリットが動きの早い髪止めの男に食らい付き応戦してはいたが体力不足が出て、大体5分程で負けてしまう。
「お前達の師匠は凄いな。Gランクの奴でここまで残ったのはいないぞ」
対戦が終った時に2人にそう言って戻ったらしい。
髪止めの男と残った2人の冒険者は対戦とならなかった。
「おい、俺は弱い奴をいたぶる趣味は無い。敗けを認めるなら、歩いて帰れるぞ」
そう言って2人の冒険者を威嚇。2人はあっさりと敗けを認めて闘技場を降りてしまった。
次の対戦はダリアがでる。対戦相手は黒い鎧を来た女性冒険者と山賊と間違う程の姿をした男達3人だ。
対戦が始まると黒い鎧の女性対山賊1人と、ダリア対山賊2人の構図になる。
明からにダリアを狙った行動を確認。ダリアの動きが徐々に遅くなる。また、観客席から吹き矢が飛んで来た。ダリアの足に3本ほど刺さったのを確認した。
闘技場の脇に来て審判のマーチさんに声をかける。
「マーチさん、ダリアは負けで良い。もう、まともに動けない」
その声を聞いた山賊達がダリアに一斉にに飛びかかる。
ガキン!!
「な?」「コノヤロウ(怒)」
俺がダリアの前に立ち、山賊3人の攻撃を全て払いのける。
「ダリアは失格だ」
マーチさんが来てそう言い放つ。
「さて帰るぞ」
そう言うとダリアを抱き上げて闘技場を降りる。
「チッ!!」
観客席から明からに嫌な目線を感じる。
ダリアを抱き上げてギルドを出ると剛腕、瞬足スキルをかけて、その上で身体強化をかける。
「ダリア、少し我慢してくれ」
そう言うと一気に走り出す。後を付けてきた奴がいるが俺の速度に付いてこれず諦めていた。
初級ダンジョンにきて、ダッツの部屋に来る。
ダリアに、ヒールポーション、毒消しポーションを飲ませるた後、吹き矢を全て外して横にさせる。
マジックバックから、ベットや家具を出してダリアを隠す。そうしてダリアの防具を脱がせる。汗をかいてはいたが、大分スッキリとした顔をしている。
少しゆっくりとしていると鏡から声が聞こえる。
「お~い。タツキかダリアかどっちかいるか?」
ダッツの声だ。
「ダッツか? どうした?」
「タツキか? 実は俺とマリーンで、ここを出て王都に行こうと思ってんだ。
それでこの姿見鏡を半分に切って持っていこうと思ってるだよ」
姿見鏡? そうなんだ? 俺達は壁一面が鏡だけど。
「王都に? なんか急だな」
「うん、王都がエンシェントドラゴンがでたらしい。もうジジイの年じゃな、代わりに俺達が行くことになった」
「そうなのか? でも時空の鏡を半分に切って、大丈夫なのか?」
「心配無い。
それよりタツキどうした? なんか凄く怒ってるように見えるぞ」
「実はな、武術大会って言うのがあってな」
経緯説明して、その大会でダリアが負傷したことを伝える。
「しょうがねぇな。でもダリアも承知で大会でたんだろ」
ダッツの目を見ると、なんか怒られた気がした。
「タツキ、ダリアにとってお前は兄であって、父親であって、夫なんだよ。
お前がしっかりしないと駄目だろう」
「悪かった。ダッツに話を聞いてもらって少し、スッキリとしたよ」
「まあ、時々顔を出す」
「マルベルト ラッセルさんは元気か?」
「ああ、ぴんぴんしてるよ。鏡を半分残すのはあのジジイの為だ。
たまに顔を出す」
「そうか、俺達に何か出来る事があったら教えてくれ。出来る限り手伝うからな」
ダッツが馬鹿にしたように笑う。
「タツキ。ダリアとお前は俺達の足元にも及ばねぇ。
俺達がお前を守ってやるよ」
「口の減らねぇ奴だ」
思わず悪態を付く。そんな俺を見たダッツが勝ち誇ったように笑う。
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