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双子座の勇者 2人で作る物語 900年の時をつなぐ親友との友情と共に  作者: 武田 健太郎


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痛々しい過去

アダマントスネークの鱗と革を使い防具作りに没頭する、もう全力で防具と向き合う。


その素材に合わせるのは鉄鋼竹だ。この竹は鉄鋼山と言われる鉄分を大量に含んだ山に生える珍しい竹で、竹自体が鉄よりも硬く、加工が難しいと言われる竹だ。


だが、俺達がいた兵団でその加工に成功し、それから防具にこの竹を使用することになった。


先ず、竹を繊維状になるまで裂く。これを編み込んでよし、糸にしてよし。案外使い勝手が良い素材だ。


そしてこれを編み込んでアダマントスネークの鱗に挟みクッション材の代わりに使う事にした。


マリーンの浄化のおかげか非常に柔軟性があり、防具としても使い勝手が良い素材にホクホクとしながら自分とダリアの防具を朝までかかり90%程作る。


その後、出来た防具を着込みダンジョンに来た。動き具合を確認。これが終われば完成だ。


「ダリア、動き具合はどうだ?」


「うん。前のより全然良いよ。後、胸の下の所はもう少し閉めて問題無いと思う、少し余裕が有りすぎかな」


「了解した。軽さや強度はどうだ?」


「それは問題無し。さっきゴブリンリーダーの攻撃を直で受けたけど、痛みもないし、鎧に傷すらないよ」


「やはりアダマントスネークの鱗と革に鉄鋼竹の組み合わせは最高だな」


「本当だね、マリーンに感謝しなきゃ」


その後、宿に戻って最後調性をして装飾を施す。過度な物は避けてスッキリとした作りに防具を作り終える。


「ダリア、完成だ。着てみてくれ」

「待ってましたぁ~」


ダリアが完成した鎧を身に付ける。可動部分も入念にチェックしてOKが出た。


「お兄ちゃん、この鎧最高。前のも良かったけどこれは全然違うね」


翌日、ギルドに顔を出す。俺達の装備を見たマーチさんが唖然とした顔をしている。


「タツキさん、ダリアちゃん。


それって。その鎧って? 


エ-、ずるいぃ~。私も欲しいぃ~。2人と一緒の欲しい」そう言って地団駄を踏む。


ゴン!! 


マーチさんをギルマスのレインが叩くわかなり痛かったのだろう、マーチさんが珍しく涙目になっている。


「マーチ。お前は何度言えばわかる?


受付で暴れるなと言っただろう!! ちょっとこい!!


あ、ついでに、ふたりもだ。理由は言わなくてもわかるよな(怒)」


ギルマスの笑顔が怖い。俺達がギルマスに捕まった所を他の冒険者や職員達が見て、いや、みてみぬふりをしている。


誰も目を合わせようとしない。


「あいつら、ついに何かしでかしたぞ」


「やべーよ、ギルマスのあの顔、久しぶりに見た。また血の雨が降るぞ」


「俺、あいつらと宿一緒なんだよな。今日から別にしよう」


そんな話しが聞こえてくるが誰も助けてはくれないらしい。


ギルマスのレインについてギルマスの部屋に入ると、秘書らしき女性にお茶と声をかけると俺達を座らせる。


「タツキ、その鎧がアダマントスネークの素材で作った物で良いのか?」


「ハイ、その通りです」


レインとマーチさんが黙ってしまう。


「タツキ。お前の裁縫の能力は本物だな。驚いた。


さて、マーチ。余り受付で騒ぐと制服の話はやめにする。それを承知で言う、呼ぶまで受付で待機していて欲しい」


「なに? 私に隠し事?」


マーチさんが怒りをあらわにする。


「違う。タツキとダリアにお客様だ。お前も俺も席を外す必要がある」


マーチさんが首をかしげる。そして何かを察したかのようにレインを見る。


「心配無いの?」


「この2人なら大丈夫だ」


そう言うとマーチさんとレインが部屋から出る。マーチさんはかなり渋々と言った感じだ。


出て5分としない内にドアをノックする音が聞こえて、ドアを開けると迫力のある兵士2人が部屋に入ってきた。


なにやら厳重に部屋の中を調べると1人が部屋を出る。


そしてドアが空くと女性兵士に連れられて王妃が来た。


「マナディア王妃?」


俺とダリアが椅子から降りて直ぐに平伏する。


「タツキ、ダリア。お久し振りです。そんな堅苦しい挨拶は不要です。


椅子に座って下さい」


「「ハ!」」


立ち上がると王妃が座るのを待って椅子に座る。


「ルージ兵団長からお話を聞いて心配しておりました。


けど、2人共元気そうで何よりです」


「マナディア王妃もお元気そうで何よりです。お体は問題有りませんか?」


「もうすっかり。ダリアに治してもらってからはこれといった怪我や病気もありません。


強いて言えば思いっきり暴れなれないのが不満です」


そう言うとカラカラと笑う。その変わらない姿にほっと胸を撫で下ろす。


その後、昔話に花が咲いた。マナディア王妃は俺達の様子を見にわさわざ時間を作ってくれたようだ。


「マナディア王妃、マジックバックから物を取ってもよろしいですか?」


「構いません」そう優しく言う。護衛の兵士達は少し緊張した顔をしている。


マジックバックから、取り出したのは修復不可能と思われた、最初に渡されたパーティードレスだ。


「あの当時はまだまだ技術的につたなく修復が出来ずにすみませんでした。


時間を見てコツコツと修復して、ついにお返し出来るようになりました。


よろしければお納めください」


「ありがとう。貴方達には感謝の言葉もございません。


本当にありがとう」


その黄色いパーティードレスを見たマナディア王妃が泣きながら俺とダリアを抱き締めた。


女性兵士がドレスを持ち後ろに控えると、別の兵士を呼ぶ。


なにやら単刀をマナディア王妃に渡す。


「タツキ、ダリア。


この度は良く頑張ってくれました。私は感激の余り、言葉では言い尽くせない程の感動を頂きました。


よって2人にこれをお渡します。


何か有ればこの単刀を持って私を訪ねなさい。


この家紋は現国王と我々王妃4人にしか使う事を許されていない物です。


私は何時でも貴方達の味方です。よろしいですね」


ダリアと2人、立ち上がり最敬礼する。


これは、最高の敬意を表する時に行われる敬礼だ。


それを見たマナディア王妃も懐かしそうな顔をする。


「タツキ ムルシア、ダリア ビンセント


休め。(ザッ!!)


本当に私は貴方達にお会い出来た事を感謝します。


2人共、幸せになりなさいね」


「「ハイ!!」」


マナディア王妃がギルマスの部屋を出るとギルマスのレインとマーチさんが来た。


レインがダリアに聞く。


「タツキはわかるがダリアは何で王妃と親しんだ?」


「私? 王妃が兵団にいる間いつも回復魔法かけていたの」


「「えっ ダリアって回復魔法使いなの?」」


「え、そんな驚く事?」


「ダリア。回復魔法をダリアの歳で習得するのは凄く珍しい事だぞ、なにがあった?


その年で、ダリアは凄い才能の持ち主かもしれない」


レインが興奮気味に聞いてくる。


ダリアが俺を見る。ダリアの気持ちは良く分かる。だから俺が話そう。


「俺が説明するよ」


そこで一息つく。


「俺とダリアが兵役していた時だ。俺達2人は孤児として軍に入った。


ようは後ろ楯がいない、かっこうの的だ。特に女の少ない兵士にとってダリアはより楽しみの対象だったかも知れない」


ある日、俺は親を亡くしたダリアを俺の妹として軍に入れた。


それがダリアにとっては辛い日々の始まりなってしまった。


俺は体が他の子と比べて体がでかかった。にも関わらず裁縫をメインとする部隊に配属されて目立ってしまった。


それからは苛めの的だ。


そこにダリアが加わった、ダリアは何も関係は無い。にも関わらず、俺の身内と言うだけで苛めの的になった。


ダリアを庇い、助けにならない助けを行っている時ダリアが俺のケガを見てくれる時間が増えていく。最初は血を見るとこもいやがっていたのに、月日が流れると平然と俺の怪我を見てくれていた。


そんなある日、俺は歳上の連中から執拗な虐待に合う。腕の骨が折れ、息もおかしかった。


そいつらが帰っていった後、隠れていたダリアが駆けつけてくれた。


泣きながらダリアが俺に言う。


「お兄ちゃん、もう逃げよう」


それは涙も無い助ける者がいない独特の諦めを表していた。


「ダリア、ごめんね。兄ちゃん弱くて、もっと強くなってあいつら全員に、全員にダリアに謝らせるから。絶体にダリアを守るから。


ごめんな、もう少し我慢してな」


「ううん、もう良いよにげようよ」


その後ダリアが声を圧し殺し泣き始める。その時だ、ダリアのその涙が俺の手に当たると俺の骨折が治った。


その時だろう、ダリアが回復魔法を取得したのは、それから俺は日1日と強くなった。


ダリアが必死に俺を回復してくれていたからだ。


そんなおり、兵団長の娘のマナディアさんが俺達の元を訪れた。俺は初めて剛腕スキルを取得し、頭から血を流しながらダリアを守りきった日だ。


「お前達何をしている?」


俺達を苛める連中は恐怖した。時の王妃候補のマナディアさんに苛めの現場を見られたからだ。


「ち、マナディアか? 調子に乗るな。どうせお前は王妃になはなれねぇ」


そういったのは苛めっ子のボスである子爵の息子だ。


「あら、ならこれ以上はやめるべきね。お父様は来月伯爵になるわ。


貴方程度なら、何時でも首に出来るわよ」


そんなやり取りの最中だ。俺は油断した連中の隙をついて、仲間の男爵の息子を瀕死の重症を負わせる。


硬木剣を油断仕切ったそのどたまに思いっきり打ち込んでやった。


そこ後は混戦だ。最終的に子爵の息子の両手両足を折られて降伏した。


その時、ダリアが俺の元に駆けつけてくれて、回復魔法で助けてくれた。


マナディアさんがそんなダリアを見て場を納める。

「これより、このダリアを私、伯爵家長女マナディアの側使えとします。


よって、兄 タツキとダリアに対するいかなる行為も我が家に対する行為ととらえます。


よろしいですね」


その後担架を持って来た部下に連れられて逃げていく子爵家の息子とその取り巻き達。


それからだ。マナディアさんにダリアが回復魔法をかけるようになる、するとマナディアさんの体はめざましい回復をしたのである。


マナディアさんは辛い軍事行動で体中に傷を追い、その傷痕が絶えることがなかった。


所がダリアが回復魔法をかけるとみるみるマナディアさんの体の傷が癒えていく。


しまいには体中のキズ後が消え、戦闘の後遺症までもが治ったのだ。


結婚を諦めていたマナディアさんに希望がでた。


初めて光を得たのだ。


それから、マナディアさんは自分の事を助けてくれたダリアと俺を物凄く大切にしてくれた。


それでも俺達に対する嫌がらせが無くなったわけではない、でもかなり減ったのは確かだ。


「って、そんな事があったんだ。


それが理由だよ。


マナディア王妃はダリアの回復魔法のおかけで結婚出来た。今でもそう言ってくださる」


「「ごめんねぇ、こんな辛い事を話させて」」


何故かギルマスのレインとマーチさんが抱き合って泣いている。

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