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双子座の勇者 2人で作る物語 900年の時をつなぐ親友との友情と共に  作者: 武田 健太郎


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マリーンとダリアの会話録

「本当、タツキさんもダッツも女心がわかっていません」

マリーンが凄く怒って文句を言う。


「そうかな。でもお兄ちゃん優しいよ」

「そんな事なら、ダッツだって優しいです」


「嘘だ、グラマーが好きってマリーンの前で堂々言ってるし」

「いえ、それは私を庇ってるです。ダッツは他の女の子に凄くモテるんですよ。


私、どんくさいし何も出来ないから良く虐められてて。


ダッツは何時も私を庇ってくれるの。ダッツは口は悪いけど、私に取っては王子様なんだ」


ダリアが鏡にニヤニヤとしながら近づく。


「オーオー。焼けますな。アツイアツイ」

「な、何よ。ダリアはどうなのよ!! お兄ちゃんと結婚する何て言って。本当の兄妹ならただの変態だよ」


「いいの。私とお兄ちゃんは本当の兄妹じゃないもん」


「え! ダリアってそういうプレイ(行為)が好きなの?」


「ち、違う違う。


私さ、10歳の時にお兄ちゃんに拾われたって言うか、助けてもらって育ててもらったの」


そう。あの日もお母さんとこんなくだらない話をしていた日だ。家族揃ってお買い物に出た時だ。


領地の外に有るの集落に買い付けに行った帰りのいつもと変わらない日だった。


けど、平穏な日々が突如として終わりを告げた。


当然、領外に出るため護衛を雇ってはいた。後少しで領地の入り口と言う所でモンスターの集団にかこまれてしまった。


ブラックウルフの集団で数にして30匹はいたように思った。

そのボスはブラックウルフにしてはでかく、賢いモンスターのようで護衛をあっという間に倒してしまいお父さんとお母さんを囲んでいた。


私のお父さんとお母さんは元冒険者だ。その事は何度か聞いた事がある。ランクで言うとCランクと言う強い部類の冒険者だったと聞いていた。


実際にかなり強くて2人で5匹のモンスターを倒していた。


その時だ。このままじゃらちが明かないと思ったのだろう、出てきたのが群れのボスだ。一際でかい体に傷をおった顔している。


お父さんと対峙していたその時、咄嗟にお母さんが私に被さると悲鳴が聞こえてきた。


お母さんに声をかけても返事はなくお父さんの姿も見えなくなっていた。


私は逃げなきゃと思った、必死に足を動かそうして頑張った。でも走りだせなかった。


足が震えて立つことも出来ず、声を出す事も出来なかった。


そしてブラックウルフの顔が近付いた時、上から人が降ってきた。


「ダリア! 動けるか?」


「タツキ兄ちゃん?」


私がだした声はそれだけだった。その後お兄ちゃん達の部隊の人達がブラックウルフを全てやっつけてくれた。


そして行き場を失った私をお兄ちゃんだけが心配してくれて、そして受け入れてくれた。


「最初はこんな感じだよ。それからお兄ちゃんと一緒に生活してるの」


「ぐずん。ご、ごめんなざい。ウぅ、私そんなつもりで、ぎいだわげじゃないよゥゥ」


マリーンが泣き出してしまった。


「マリーン。気にしないで良いよ。私そんなに気にして無いしさ」

「そう言えば、アダマントスネークの素材をタツキさん持って帰ったけどなにするの?」


「あれ。私達の防具を作るのよ」

「え? どうやって?」


「ふふん。お兄ちゃんって裁縫技術が凄くてさ、実は普段着てる防具やこのお洋服も、お兄ちゃんの手作りなの。


だいぶ前の話し何だけど、有る偉い人の娘さんのドレスをたった2日で作り上げて、表彰された事があるんだよ」


「え、何か凄すぎない。タツキさんを思わず崇めてしまいそう。


でもどうやって表彰されたの?」


「知りたい?」

「うん」


「良いよ。あれはね」


お兄ちゃんが兵役に来たばかりの時、初めて配属されたのが裁縫を行う部隊。

カーテンやテント、兵士達が着る服何かを作る部隊。


最初は雑巾何かを作ってじょじょに、テント、カーテン何かを作って行く。


でも、お兄ちゃんの裁縫の才能が一気に開花したのよね。裁縫の天才が来た。

そう言われて兵士達の服を作るとその服が売れるようなる。動きやすくやぶれにくいと若い兵士達が良く買いに来る。


そうすると上の立場の者達も、服のできを聞いて見に来ることが増える。


そんな中で兵士の妻達から自分達の服を作って欲しいと話が出た。


そこで女性用の服を作る事になる。ただ女性は男よりも服に求める物が多かった。


その要望を聞き入れながら、少しずつ改良を重て行くうちに兵団の中で凄く有名になってしまう。


それから4年がたった時だった。


当時の兵団長の娘が伯爵家のパーティーに出る事になる。


だが、そのドレスがやっかみもありボロボロに破られてしまう事件が起きる。

そしてお兄ちゃんの噂を聞いたその兵団長からお兄ちゃんが呼び出された。


「君がタツキ ムルシアか?」


「ハイ」


「君に特別指令を出す。このミッションは確実に行われないと行けない」


「ハイ」


「持ってきなさい」


そうやって渡されたのが、兵団長の娘さんが着るはずだったドレスだ。


「君にこのドレスをなおすか、同じ物を作って欲しい。


期間は2日だ」


「ハイ、出来るだけの事をさせて頂きます。失礼ですがこのドレスを着る方の採寸がしたいのですがよろしいでしょうか?」


「採寸が必要なのか?」

「はい。ドレスを見るとサイズがわからないように切られています。


おそらく、ドレスを着なれた方がやったと思われます」


「なに、着なれている奴だと」

「ハイ、普通の服のサイズは分かりやすいです。肩幅、胸囲を見ると大体のサイズが分かります。


逆にドレスは丈、腹囲、胸囲、後は必要におおじて腰回りで大体のサイズを把握します。


このドレスは腹囲、腰回りを中心に切られています。サイズがわからないように切られ、その上で手直しが出来ないように切られております」


「な!!」

「お父様。私は構いません」


だがその兵団長の娘も兵士だ。腕に切り傷があった。


採寸をした際、傷の箇所等も確認してドレス作りが始まる。


お兄ちゃんの努力は凄くたった1日でドレスの80%を作った。


次の日はドレスを着てもらい動き安さや着心地を確認。


その後、ドレスが完成したのはパーティーの当日の昼頃だった。


その完成度は物凄く高く、腕の傷を隠す為のレース素材にも刺繍を施して全てをカバーしたのだ。


そのドレスを着た兵団長の娘は歓喜でお兄ちゃんを抱き締めたと言われている。


兵団長と娘さんが伯爵家のパーティーに出た時の事だ。


その姿を見たある令嬢が、怒鳴りつけてきた。

「なぜ、お前がドレスを? あれだけ言ってやってのに、奴らはこんな簡単なお使いも出来ないのか!!」


その叫び声を聞いた伯爵家の護衛達が駆けつける。と、それを見付けるとその令嬢は逃げて行った。


その後本格的なパーティーが始まると、たまたま伯爵家に来ていた王宮のお抱え被服家がお兄ちゃんの作ったドレスを見て、すぐに声をかけてきた。


「このドレスは貴女が作った物?」


「いえ、父の兵団の少年兵士です。ちょっと不具合があって、彼がたった2日で作ってくれました」


「そう。貴女、コルセット着けていないわね?」


「ハイ、怪我の調子も今一なので着けずにおります」


「動きやすさはどう?」


「ハイ、凄く楽です」


その後、被服家がいなくなると他の令嬢達がそのドレスを散々馬鹿にして伯爵の奥様に陰口を言い付けたらしい。


パーティーの最後に被服家が令嬢達のドレスを褒めた。そして最後に兵団長の娘を呼ぶとみんなの前で、そのドレスを褒め称えた。


その上で作り手を称賛した。


「私はこのドレスを作った者を手元におきたい。そう思わせる程の出来です。


伯爵家のパーティーに呼ばれる程の令嬢達なら、このドレスがそれ程素晴らしいと直ぐに分かったと思います。


兵団長殿。この製作者を大事になさい、これ程の才能は稀ですよ」


「なんて事を言われて、そのパーティーの後、お兄ちゃんが兵団の中で兵団長から、表彰されたの」


「ふ~ん。何か凄いね。タツキさん素敵」


何故かマリーンがダリアの話しにうっとりしている。


「って言うことが有ったの。私はそれを兵役に入った後、その娘さんから直接聞いたんだ」


「その娘さんって誰?」


マリーンが不思議そうに聞く。


「内緒。でも今のこの国のお妃様になったんだよ」


「へ? お妃様? タツキさんそんな凄い人の採寸したの?」


「そうだよ。時々だけど今でもお礼の手紙が来るのよ。傷を隠すように作ったレースや胸が苦しく無い服を作ってくれた事に感謝している。


女性の服の革命を起こしたって。それはもう、もうべた褒めだよ」



     ◇◇◇◇◇◇◇


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