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双子座の勇者 2人で作る物語 900年の時をつなぐ親友との友情と共に  作者: 武田 健太郎


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テンプレって面倒

何時ものようにギルドに来て依頼を見ていると後ろを囲まれてしまう。


振り向くと以前絡んできた背の高い冒険者がいた。俺達に絡んで来てマーチさんに何かをされて気を失った男だ。


「おい、お前。闘技場にこい」


振り向いて答える。


「面倒臭いから断る。ダリア行こうか」


ダリアをつれて移動するとそいつらの仲間だろう冒険者がぞくぞくと出てきて俺達を見てニヤニヤとしている。


兵役中にもこんな面倒なイベントがあったぁ、そんなことを思い出す。

100人兵長になったばかりの時だったか、よく起きたな。


背の高い冒険者が来る。


「いいから付いてこい」


仕方なくダリアと2人でギルドの闘技場に来ると、そこにいたのはAランク冒険者のダラザニアだ。


いかにもなテンプレで頭を抱えてしまった。


「俺は見届け人だ。このギルドを使う者にとってマーチさんは女神だ。


誰か一人が独り占めして言い訳がない」


「そうか、マーチさんは物凄くパンケーキ好きだ。俺達に関わる暇があったらパンケーキについて調べて話をすればいい。


暇なら話しに乗ってくれるぞ」


「パンケーキ? なんだそれは?」


「パンケーキも知らないでマーチさんを口説こうとしてるの?


好きな人の好み位、知ってから口説くものよ」

ダリアが上から文句を言う。


背の高い変な髪の男が俺の前に来る。

「こっちの姉ちゃんには用はねぇ。


用があるのはお前だけだ、俺達冒険者はなめられたら終わり何だよ」


そう言って背の高い男が武器を出して構える。仕方なく俺も練習用の長木剣を出す。


「これは練習用だが、硬木の長剣だ。折れることはない、気にせずにかかってこい」


剛腕に瞬足スキルは常にかけてある、油断なく全方位に意識を置く。


来たのは真後ろにいた奴だ。長木剣を後ろにそのまま振り、後ろから攻めてきた奴の頭を容赦なく打ちつける。


それを合図にみんな攻めてきた。体を右回りに半回転させ、長木剣を横凪に振る。


剛腕スキルは体全体の力と身体能力を何十倍にもはねあげる。身体強化魔法に近いスキルで、身体強化魔法よりも使い勝手が良いスキルの一つだ。


その剛腕スキルを使い、横にいた冒険者達5人全員を体がくの字になる位に力ずくで吹き飛ばした。


剛腕と瞬足のスキルは、兵役時代に俺とダリアが虐めにあっていた時に身に付けた能力だ。


何時も複数で俺やダリアを狙い、俺に勝てなくなると年上の連中に小遣いを与えわざわざ虐めて来た。


そんな連中に負けない為に力を求めて、ダリアを助ける為に早く走って駆けつけて来た。


そして気がついたらいつの間にか身につけていたスキルが、この剛腕と瞬足のスキルだった。


そう、こいつらがやっている数の暴力に負けないように身に付けた能力だ。

だから、こいつらからしたら十分に作戦を練り準備したものかも知れないが俺とダリアにしたら日常茶飯事だ。


そんな所で生きてきた俺の本気を見せてやる。


横の5人を吹き飛ばした後、背の高い変な髪方の男を見る。すでに冷や汗を流し、震えを抑えながら仲間を俺にけしかけていた。


長木剣を右の下段に構え、足の脛を狙い左回しに振り切る。


立っている奴らが足を押さえ、俺を恐怖の顔で眺めていた。


勝負が付いた事を確信してからAランク冒険者のダラザニアを見て声をかける。


「どうせお前だろう。こいつらを使ったのは。


ダラザニア、けりをつけたきゃ自分でこい」


「しかし、こいつらも情けない。まあ、こんなんだから何時まで経ってもDランクに上がれないだろう」


「そうでも無いと思うぞ。要はお前達先輩がダメダメだから他の奴らが伸びないじゃないか?」


ダラザニアが黙って剣を持ち構える。


ダラザニアはAランクだ油断する事が無ければ俺なんかに負けるはずもない。


お互いに見合う。


先に動いたのはダラザニアだ。その動きは早く、他の奴とは比べものにならない程のスピードだ。


長木剣の柄の下を始点にして回転させるとダラザニアに対し長木剣を振り降ろす。


ダラザニアがさっと体をねじって長木剣をかわす。体勢が崩れ、体を開きがに股になった所を狙い、ダラザニアの金的を狙って蹴りあげる。


長木剣を倒れ込んだダラザニアの首に当てる。


パチパチパチパチと突然拍手が聞こえた、音のなる方を見るとギルマスのレインが立っていた。


「ダラザニア、良くわかったろうお前にタツキは倒せないって」


ダラザニアが何かを仕掛けようと企らみ、単刀をつかむと同時に、ダリアが闘技場に飛び込んで来て、剣をダラザニアの首に当てて取り押さえる。


単刀を取り上げるとどや顔をする。

「あのさ、お兄ちゃんが見逃すはずないでしょう。


まあ、私は優しいから、ここでやめとけば許してあげるけど。


本気で怒らせたお兄ちゃんは怖いよ。貴方達、マジで生まれて来た事を後悔するくらいにね」


レインがいつの間にか俺の横に来ていた。


「さて、ダラザニア。ギルド内での私闘は厳禁だ。


ランクの一番高いお前が本来やめさせるべきだが、そのお前が率先して私闘をやらせたとはな。


ダラザニア。お前のギルドの利用停止と冒険者資格を剥奪する。


そしてそこでくたばってるお前ら、お前達はGランクに全員降格だ。三年間の昇格試験禁止とする。


警備兵。こいつらをつれていけ」


ダラザニア達を見送ると俺の前に立つ。「さて、タツキ。彼奴らを処分してお前だけ処分無しだと、彼奴らも面目が立たない。

よってお前には毎月開催されるGランクからFランクに上がる時の試験官をやってもらう。


期間はおおむね、三年間ってとこだな」


何か、言いようにはめられた気がするがしかないないだろう、その三年間の間に俺達もCランク位になれると良いけどな。


冒険者のランクでCランク以上は一流と言われる者が多く、Sランクになると世界中をまたにかけて冒険を行う者もいると聞く。


「…だ、タツキ聞いてるか?」


「あ、すまない。もう一度お願い出きるか?」


「だから、試験は明日だ。昼にはギルドに来るように」


ギルマスのリオンがそう言うと闘技場を出ていく。


「フゥ」


ため息が出る。こんな下らない事に巻き込まれた挙げ句に試験官か?


「フフ、お兄ちゃんって何処に行っても新人教育なんだね」


ダリアが笑っている。だよな、兵役の時に初めて兵長になった時も賄い部隊の教育係だった。


まあ、あの時はダリアもいたしそれでよかったんだけど。いまは何かやだな。

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