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双子座の勇者 2人で作る物語 900年の時をつなぐ親友との友情と共に  作者: 武田 健太郎


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タッカン

アップルランドとメルボルス立国の間を通る時の騎士団の緊張感は物凄かった。国と国との境目、その干渉地帯にいる盗賊は凄く気が荒く乱暴だ。


俺が馬の手綱を引く間、ダリヤが荷馬車の屋根に登り警戒をする。盗賊の姿が見た瞬間にスラッシュを飛ばし盗賊を倒す為だ。


メルボルス立国の国境の壁まで来ると護衛の騎士団が安堵の表情を浮かべる。


アップルランドの特使である、アンルージュ メリカ ルッコラ子爵の一行は手続きを行うこと無くメルボルス立国に入った。そこに第2旅団の兵士2人が来てアンルージュ メリカ ルッコラ子爵の前に来ると平伏して挨拶をする。


「アンルージュ メリカ ルッコラ子爵殿下の道案内と護衛を承りました。


第2旅団 第一小隊のマサカとワッパです、よろしくお願いします」


「アンルージュ メリカ ルッコラ子爵です。


道中よろしく」


こんな簡単なやり取りで先に進む事になる。


アンルージュ メリカ ルッコラ子爵の一行を第2旅団の兵士達が護衛する形で進む。


そして長旅が終わりルルダンルに到着した、それは俺達に取ってはスタートを意味している。


ルルダンルに入る時も手続きを行う事無く街に入る。そこにはキョウコ アルビアータと代官。ギルマスのレインがいて、手続きを行って迎賓施設にみんなで移動となったが、俺とダリヤはそのまま別行動となる。


俺達の所にレインが駆けつけて来た。


「ご苦労様です。護衛でこられた冒険者の方々はギルドで対応します。


付いて来て下さい」


レインに付いて俺達のカモフラージュを兼ねた10名の冒険者がギルドに向かう。ギルドに馬と荷車を預けると俺とダリヤだけこっそりと他の冒険者と別れ、ギルドの裏口から入ってレインと話し合いを行う。


すでにレインの元にウエイト宰相から通達があったようで割りとスムーズに事が進む。


「タツキ、ダリヤ。このまま国に戻るつもりはないか?」

「いや、戻るもなにもバスケット殿下から何も言われ無いし会ってもいな。


我々が勝手な判断で戻るわけにはいかないでしょ」


そんなやり取りをした後、ギルドの裏口からギルドを出て宿には向かわずに初級ダンジョンに入る。


かつてダッツの部屋と呼んでいたダンジョンの部屋に入る。生活に必要な荷物を出して中を整理した後、ダンジョンを出てタッカンの 店の前に来る。

タッカンを連れてダッツの部屋で過す予定だ。


「あれ? お兄ちゃん、ここだよね龍源?」


「ああ!!」


龍源の店舗が潰されていた。

それは物質的に建物を取り壊した後だった。余りの状態に呆然としているとブリットのおばあちゃんが俺達を発見して声をかけてくれる。


それは俺がFランクの研修を受け持ったブリットのおばあちゃんだ。


「どうしたの、ぼやっとして。


お腹減ってるのかな? うちで良ければお昼あるよ」


「はい、お願いします」


弱々しくそう言うとブリットのおばあちゃんに連れられてお店に入る、そしておもむろに地下室に通された。

「なんだい、湿気た面して! もっとシャキッとしなさい」


ブリットのばあちゃんに気合を入れられてしまった。


「おばあちゃん。ブリットとサーフィンは元気にしてるかな?」

「いつもタツキとダリヤの話をして盛り上がっているよ。


誰だっけね。えーっと、そうそうナディア、サーペント、アサヒとアイラッシュの4人だね。いつも話をしてるよ、ほっと仲良しなんだから」


その名前に懐かしさを感じる。


「みんな元気ですか?」


「ハハ。ピンピンしてるよ、最近もこの6人で上級ダンジョンもダイブしたくらいだ。


あんたのおかげだよ。


ブリットとサーフィンが冒険者になるっていった時は反対したさ、あんなお転婆でも可愛い孫だからね。


でも、あんたのお陰で今でも冒険者を続けている。有難い事だよ」


そこまで言われると少し照れ臭くなる。


「ところで、龍源のタッカンが何処にいるかしってるか?」


ブリットのおばあちゃんが地下室の奥の壁を押すと通路が出てきた、そしてその通路を出た所にタッカンがいた。


「んあ?


なんだい、俺はまだ酔っぱらってるのか。死んだはずのタツキとダリアがいらあぁ」


ブリットのおばあちゃんがタッカンをタコ殴りにする。


「フッ フゥー」


おばあちゃんが肩で息をしながらタッカンを起こす。


「めぇ覚めたかい。この鼻垂れ」


「あ? あれ? 


ここは地獄か?


タツキとダリアを見たと思ったら鬼にしばかれたぞ」


タッカンが正気を取り戻す。


「タッカン、久しぶりだな」

「相変わらずお酒飲んでるの?」


「おい、婆さん。もう一発殴ってくれ。

目の前にタツキとダリアがいる?」


「おうよ!!」


ブリットのおばあちゃんが勢いを付けてタッカンを殴る。


ドガン!! ガラン!


タッカンが地面に倒れ一回転して止まる。


そこで完全に正気になったのだろう、俺達を見て怒り始める。

「ば、馬鹿野郎。お前ら何しに来やがった、お前ら2人も賞金首だろ!!」


タッカンが俺達の心配をして怒ってしまう、俺達よりも自分自身の方が大変な状況にも関わらずに。


「俺達はブッカンとアンルージュ メリカ ルッコラ子爵。国境の町のサリー。


この3人の依頼できた、タッカンの護衛だ。最強夫婦が護衛に来たぞ」


「あ、兄貴とアンルージュにサリーだと? お前らあいつらが誰か知ってるのか?」

「タッカンの兄さんと単独Sランクの冒険者。


それとアップルランドで俺達の支援者の一人だ」


タッカンがあきれ果てしまった。


「なあ婆さん。来週にはここを出る。


その前に頼みがある。ブリットとサーフィンの後輩にレタスと言う子がいる


今日にでも連れて来てもらえるか?」


「任せな。


タツキとダリアも悪いけど今日から外には出ないでおくれよ。


全てはサーフィンとブリット達にやらせるからね」


「おばあちゃんありがとう」


ブリットのおばあちゃんが出た後でタッカンを見る。


「タツキ、お前さん。俺と兄貴がやったことを聞いたんだろう。


こんな依頼断ってよかったんだぞ」


「それがなぁ、サリーに騙されてなブッカンの宿に安く泊めてもらった。


後でタッカンに請求書が来るだろう。


せめてもの、お返しだ」


「バカモン!!」


タッカンが顔を下にして伏せてしまった、顔を上げる事無く腕で目元を押さえていた。

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