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双子座の勇者 2人で作る物語 900年の時をつなぐ親友との友情と共に  作者: 武田 健太郎


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凱旋

ダダントに戻って来た俺達が先ずやってきてのがブッカンの宿、遥かなる大地だ。俺達が宿に入る時、勢い良く若い男が追い出された。その男とすれ違いで宿にはいる。


宿の入り口が開き、突然と若い男が来た。

「何でこんな汚い格好の奴が追い出されない?


おかしいだろう。普通逆だろう!」


ボロボロのポンチョを着てフードを目深にかぶっていたことで、俺達に気付かなかったみたいだ。


そこにいるのはメルボルス立国の元第2王子のバスケットだ。

「貴様はこの宿には入れない、それは店主の俺が決めた事だ。


今すぐに出ていけ」


ブッカンの怒りに負けたのかバスケットがジリジリとドアまで下がる。


「オイ、そっちの2人に部屋の鍵を渡してやれ部屋は3階の一番奥だ」

宿の従業員から鍵をもらい3階に移動を始めるとバスケットの悲鳴が聞こえてきた。


着替えてから宿の食堂に入るとそこにブッカンもいた。


「ブッカン、久しぶりだな」


「タツキ、ダリヤ。今回は本当に助かった、ミライザ様は我々にとって非常に大切な方だ、感謝してもしきれない。


それと随分の頑張ったみたいだな、こっちの街まで噂が聞こえるぞ」


ブッカンが楽しそうに言ってくる。


「そうか、それより馬車を預けた馬に水と餌を頼む」


「心配するな。しかしミライザ様に馬と荷車を依頼料に頼む奴も珍しいな」


「何だ、知ってたのか?」


「まあな。後でギルドに顔を出してやりな、みんなお前さん達と会いたがってたぞ」


翌日、ギルドのラッシュ時間を避けてギルド入る。そこは朝の混雑が終わり、少し落ち着きを覚えているようだ。


カウンターに来てギルマスを頼む。


「ハイ、ギルマスですね…?


タツキ様、ダリヤ様」


俺達に気が付いた受付の女性が頭をさげると少し震えるように席を立ち、すごすごと後ろに下がって行く。

少し脅し過ぎたのかも知れない。


ギルマスが出てくると笑顔で出迎えてくれる。


「良く来たね。ミライザ様の一件は耳にしている、みんな君達に感謝しているよ」

「そうかな? たいした事はしていないですよ」


「立ち話も何だ、部屋に来てくれ」


ギルマスの部屋に入ると見た事の無い女性がいた。

「紹介しよう、僕の妻だ。


アンルージュ メリカ ルッコラ子爵だ」

「始めましてタツキ アンダルシアです。こちらは妻のダリヤ アンダルシア」


「夫のニルメッツより話は聞いております」

「我々はマタベリア辺境伯に大変お世話になりました、その恩返しだと思って頂けたら」


「タツキ、ダリヤ。折り入って頼みがある。


妻はアップルランド国の特使としてルルダンルに行かないとおけない、その際に2人を護衛として雇いたい」

「え? いや、俺達国外追放された身だし」


「心配するな、本当の護衛はつける。それとは別でお願いしたい事がある。ここからは我々数名しか知らない大切な話しだ、内密に頼む。


ルルダンルにタッカンと言う男がいる。そのタッカンの素性がばれたらしく、ある国と闇ギルドから追われてしまい命の危機にある。


タッカンと言う男を観光国のマダラカスまで逃がして欲しい」


思わず驚いて声が出る。

「タッカンってあのブッカンの弟の? ルルダンルで龍源ってお店をやってる?」


「何だ、タッカンを知ってるのか? それは助かる上に話が早い、親父とウエイト宰相も待っている。

今回の依頼人は父とウエイト宰相の2人だ、連名で匿名依頼として来ている」


「ちょっと待て。ブッカンとタッカンは何なんだ?


ミライザとも親交があるし国境の街のサリーとも親交がある? その上、一国の宰相に辺境伯とも親交がある。


2人はどういう人間だ?」


その問にギルマスのニルメッツが答えてくれた。


ブッカンとタッカンの両親は元々アップルランドの貴族。

各国との交渉を主に任される外交を専門に任されていたらしい。


ある時、メルボルス立国の第2王妃がレジェンダス国の策略により捕まってしまう。その解放の為にブッカンとタッカンの両親が交渉に向かった。


結果は駄目だった。その国、レジェンダス国は元々王妃をたてにメルボルス立国に付け入る事を考えいた、そう考えているレジェンダス国が予定を変えるはずもなく2人の両親は捕まった上に公開処刑となった。


その報告を受けたブッカンとタッカンの2人は、レジェンダス国に乗り込んで王都の様々な貴族の屋敷を破壊すると言うゲリラ戦に出た。


2人の協力者の多くが捕まり処刑されるなかで、2人と複数の協力者は何とか生き延びメルボルス立国とアップルランドに別れて暮らしている。


そして、そのタッカンの素性がレジェンダス国にばれたらしい。


くしくも俺が第2王妃を助け出した裏でタッカンとブッカン、この2人の両親がなくなっていたは。


「なるほど、それで俺達にタッカンを救い出して欲しい。そう言う事か?」


「そうだ。メルボルス立国は表だってタッカンを匿う事は出来ない。


お願い出きるか?」


「それはかまわない、だが何で観光国のマダラカス何だ? アップルランドじゃ駄目なのか?」


「アップルランドはレジェンダスと争う程の戦力を持っていない。


観光立国のマダラカスは中立国でありながら、レジェンダス国に引けを取らない戦力を持っている。


亡命の手続きは済んでいる。後は向かうだけだ」


そしてその2日後、アンルージュ メリカ ルッコラ子爵の護衛としてルルダンルに向かう事になった。


俺達の荷馬車は、アンルージュ メリカ ルッコラ子爵の直ぐ後ろにつく。


子爵の必要荷物を運ぶと言う名目だ。


一行が最初に立ちよったのが国境の街。ここで全員の出国手続きが行われる。


だが俺とダリヤは手続きをせずに出国する、まだアップルランド国内にいる予定になっているからだ。


ルルダンルに到着する頃に出国手続きをミライザが行う事になっているらしい。どうやら海から出国して観光国のマダラカスに行く事になっているとサリーが教えてくれた。


観光国のマダラカスにはタッカンの他に冒険者2名が同行、とだけ伝えてあるらしい。


しかし長旅だ。アップルランドからルルダンルまで大体20日前後。


ルルダンルから観光国のマダラカスまでは正規のルートで約3週間程、今回は正規のルートを通れないから約2ヶ月近くは時間がかかるだろうな。


長いな。ちょっと旅に飽きそうな気がする。

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