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容疑者アリス  作者: 岡田屋九太郎
容疑者アリス
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容疑者アリス

少女は鬱蒼とした森の中を走っていた。

風が頬を切る。

息は上がり、足は縺れそう。

だけど、止まったら捕まってしまう。

だから、走らなきゃ。

捕まったら、裁判にかけられる。

裁判にかけられたら、死刑にされる。

だから、走らなきゃ。

だから、逃げなきゃ。


私じゃない!!

私じゃない!!

ジャバウォッーキーを殺したのは誰?

なぜ、私は追われてるの?

走らなきゃ。

走らなきゃ。

逃げなきゃ。

逃げなきゃ。


そうだ!!

蜥蜴のビルに相談してみよう。

ビルは、冷静沈着な知識人だ。

きっと何かいい知恵を持っているに違いない。

ビルは、裁判所にいる!!

裁判所まで、行けば……


嗚呼、早く、早く、早く、行かなくちゃ!!


咳き込む様な呼吸を飲み込み、崩れそうな膝を奮い立たせ、アリスは走った。

急いでいるのに、何故か目眩がする。

そう言えば、頭も痛い気がする。

気をしっかり持たなくちゃ。

急いでいるの……

私、逃げなきゃ……


アリスを渦巻く混沌が飲み込む。

壊れたテレビを見ているようだ。

何度も砂嵐に書き消される映像。

頭が痛い。

吐き気もする。


黒い影が、覆い被さってくる。

いやだ!!

こわい!!

いやなの!!

わたし、いやなの!!

はなして!!

たすけて!!

だれか、たすけて!!

いや!!

いや!!







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