図書室から異世界転生もどき!?
陰キャって基準がわからん。
図書室。それは、陰キャかつぼっちには最高の空間である。
私の名前は、藤ノ瀬 美保ぼっちだ。厳密に言うと、友達はいるにはいるが周りと波長が合わず何か自分だけが気まずさを感じる。まぁ要するにぼっちもどきだ。それに私は、一人が好き。真面目だかどこか面倒くさがりで集団行動はあまり好きじゃあない。けど、少し寂しがり屋でもある。まぁ、ぶっちゃけ自分でも面倒臭いと思うタイプの女子高生だ。そして、夢もない。
もちろん見た目は、完全に日本人特有の神秘的に輝く黒い髪に黒真珠のようなキラキラとぱっちり二重…っと長く自分のことに関して話しすぎたみたいだ。
そして、ある日の昼休み私は図書室にいた。いつものどおり目につく本をパラパラっとめくりながら戻すということを繰り返していた。最近のマイブームだ。
なんと言っても私の通っている高校は図書室が無駄にでかい、なのでとりあえず何でも揃っているのだ。でもその割には利用者数は少ないんだよなぁ。
なんと勿体無い今の学生は、もっと本に触れるべきだ!Z世代目〜!と一人で叫んでいたら、図書委員に白い目で見られることはなかった。何故なら私しかしないからだ。いや厳密に言うと、他の全員サボりだ!意味がわからない。
そんなことを一人でしていたら、目の前にあった本が突然ひかりだしたのだ。何だ何だと思い手にとって見るとそこには、グリモワールと書かれた本があった。って何で私こんなよくわからない文字が読めているの。中を開いてみるとそこには、何も描かれていなかった。なんじゃこりゃ。
不意に風が顔を撫でた締め切った図書室に風が当たるわけがないと思い顔をあげるとそこには、私にも分からない異世界らしき世界が広がっていた。よく目を凝らすとスライムもいた。
なにこれ。目を擦ってみるが状況は変わらない。そこには、青空と広大な芝生が広がっていたおり、スライムや魔物?らしき姿が見受けられる。
不思議と目の前の異世界に呼ばれているような気がして気がついたら足を踏み入れていたするとグリモワールがまた光りだした。えっ!何々!開いてみるとそこには、さっきは描かれていなかった魔法陣や詠唱らしきものが描かれていた。
更に、風が吹き髪がなびくと私の容姿もいつの間にか変わっていたことに気がついた。綺麗な黒髪は、絹のような白色に変色していた。とっさにスマホ取り出そうとしたが無くなっていた。仕方がないからすぐそこにあった湖に姿を写すとそこには、女神と見間違えるくらいに美しい自分が写っていた。瞳は、ルビーのような赤色になっていた。
「何これ…。」
グォッー!どこからか雄叫びが聞こえた。
「何!?」っと辺りを見渡すとこちらにイノシシのような容姿をした魔物が迫ってきていた。
「ぎゃーーー!嘘!?こっち来ないでーー!」
あまりのことに私は、腰を抜かしその場に座り込んでしまった。グッパイ私…と諦め食べられるのを静かに待っていた。その時またグリモワールが光だしどこからか声が聞こえた。
「諦めるな~!さぁ、一緒に唱えてラファイヤってほら、リピートアフターミー。」
何処からか声が聞こえた。私は、戸惑いながらも一緒に唱えた。
「ラッ、ラファイヤ!」そう唱えると手から紅蓮に燃える炎を出し目の前の魔物を包み魔物が焼き払われた。
「なっ、何これ…。すごい!あっ、さっきの声は!グリモワール!」色んなことが一度に起きすぎて混乱した。
「僕は、ここだよ~。」っと私の斜め後ろに置いてあったグリモワールが喋りだした。
「本が喋り…出したーー!嘘!すごい!」どういう原理なのかなぁ?魔法ではありそうだけど。もしかしてモニタニングとか!
「あれー?おかしいなぁ?こういう時は皆怖がるものなのに?僕のマスターは変わってるね。」
「だって!恐怖よりもワクワクが勝つんだもの。ずっと憧れてたのよ。異世界転生!」異世界転生は全オタクの夢!なりたい自分になり推しと共に暮す。うへへ…。「まぁ、死んだのは残念だけど…。」
「イヤ、マスターは死んでないよ!」
「へ?」
「ほら、だって見てみてよ後ろ。」そう、グリモワールに言われ後ろを振り返ってみるとそこには元いた世界が広がっていた。
「はにゃ?おかしいなぁ~。アハアハ。」
「嘘でしょ!これじゃあ異世界転生じゃなくてもどきじゃん!異世界転生もどきじゃん~!」
次回も異世界転生もどき!?私も頑張ります!