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第六話 決着と結末

七話の更新少し遅れます……

お詫びに新鮮な鮭を用意しました。

              ∩___∩

            /  ノ   \  ヽ

            | ●    ● |

          彡   (_●_)    ミ    

           /、   |∪|    ,\   

          /.|     ヽノ    | ヽ

       ,,/-―ー-、, --、   .|_,|

    r-、,'''";;:;;:;::;;;;:;;::;:;:;;::;:;`'- /_,l,,__ )

   |,,ノ;;:;r'" ̄ ̄゛^"`Y'-、;;;::;:;::;:;:;:;::;:|

    .ヽ,′       ;   `"";;;;;⌒゛')

     ´`゛'''''''''''‐-‐'"`‐-‐'"゛  `゛´

              |  .∥ /

            ("___|_`つ

「クソッ、数が多すぎる。」

コノフォーロは焦っていた。

彼の持つ短剣には敵兵の血が塗りたくられており、何人も殺したのだろうと予想できる。実際、彼一人でもかなりの数を殺せていたのだが、如何せん敵の数が多かった。


「そうだな。」スピーサは冷静に答えながら、目の前の敵兵を彼の体躯に似合う大型のメイスで叩き潰した。

「それにしても……あっちが心配だな。」

コノフォーロはポリティマの方を見ながら呟く。

「ああ……。」

スピーサも同意するように返事をした。


ポリティマは地面から生え続ける大腕を斬り落とし続けていた。

「ヌウッッ!舐メルナァ、小娘如キガァ!!」

地面から大きなコブのようなものが見える。


この場に居る誰よりも大きな体格を誇るそれは、地面から這い出る大腕の持ち主である。怪物カニスだった。

怪物はその巨体に似合わない俊敏さでポリティマに腕を伸ばす。

「危なっ!」

ポリティマはそれを紙一重で避けるが、すぐに次の腕が迫りくる。

「チィイッ!」

下半身を狙った追撃を、ポリティマは大きく跳躍し、空中で身を捻って更なる追撃を回避し、着地する。


「チョコマカトォ!人間風情ガ逃ゲヨッテェ!」

怪物は苛立ちながらも、何本もの腕でポリティマへの攻撃を続ける。

一方、ポリティマは攻撃を避け続けてはいるが反撃の機会を見つけられずにいた。


「こいつ……強い……!」

ポリティマは冷や汗を流した。

「ハハハハッ!ヤット貴様ニモ主様ノ偉大サガ分カッタカァ!!」

「うるさい……黙れ……!」

怪物の言葉に対して、ポリティマは苦しげに応える。彼女は今までの戦いで既に体力の限界を迎えており、動きにも精彩を欠いていた。


「フゥン?ナラバ、コレデドウダ?」

「えっ?」

突然の出来事に、ポリティマは思わず反応が遅れてしまった。

彼女の足元の土の中から突如として現れたより巨大な手が、彼女を張り手し、吹き飛ばしたのだ。

「ぐっ……」

吹き飛ばされたポリティマは近くの樹木に受け身も取れずに叩きつけられ、意識を失いかける。


「コレデ終ワリダ。」

そう言って怪物は腕を伸ばし、ポリティマを叩き潰そうとした。

しかし、その時だった。


「うおぉおおおっ!!」

雑兵の戦闘をしていたスピーサが勇ましい叫び声を上げながら走り出した。

彼は手の平の着弾位置からポリティマを突き飛ばした。

次の瞬間、鈍い音が響き渡った。


「スピーサ!?」

ポリティマが叫ぶ。

「ン?間違エテ、別ノ羽虫ヲ潰シテシマッタカ。」

怪物は残念そうな顔をして、そう言った。

スピーサの身体は血塗れになり、装備していた甲冑は所々かち割れてしまっていて、もはや満身創痍といった状態だ。


「スピーサ!」

ポリティマは必死の形相で、怪物の事など忘れらスピーサに駆け寄ろうとするが、スピーサの声がそれを静止した。


「おい、ポリティマ……。」


だが、彼の口から発せられた言葉は意外なものだった。

「雑兵は……片付けた。…俺が…時間を稼ぐから……お前だけでも……逃げろ。」

スピーサの瞳からは光が消えかけていた。


「何を言っているのよ!貴方を置いて行けるわけないじゃない!」

「いいから行け!」 

スピーサは立ち上がろうとする。

「ッ……」

ポリティマは一瞬、沈黙したが、意を決したように口を開いた。

「……分かった、無事を祈るわ。」

「ああ……」走り去るポリティマを見て、スピーサは必死に立ち上がる。


「デ、感動ノ物語ハモウ終ワリカ?」

怪物がそう嘲笑う。

「ああ…そうだ……終わりだよ。お前……のな。」

スピーサは死にかけていたが、それでも笑みを浮かべていた。

「今ノオ前ニ何ガ出来ル!」

怪物はスピーサを確実に握り潰そうと腕を伸ばす。


「大丈夫か!スピーサ!」

だが、その腕がスピーサを握る事は無かった。

「何ッ!?」

怪物の腕に一本の投げナイフが突き刺さっていたからだ。


「おお〜バケモンだったから心配だったけど、麻痺の呪いは効くんだなぁ。」

声の主は、コノフォーロだった。

「呪イダト!卑怯者メガァ!!」

怪物は激昂した。

「悪りぃな、俺は騎士様でも何でも無いんでね。」

コノフォーロがそう言うと、更に多くの短剣を投げつける。

怪物は腕で防御するが、次第に痺れて上手く動かせなくなっていく。


「グヌウウッッ!!!」

怪物は忌々しげな表情を隠さなかった。

「じゃあ、死んでくれよ。」

そう言って、コノフォーロは怪物の喉元に短剣を突き刺そうとした。しかし、


その時。地中から新たな腕が飛び出し、コノフォーロの全身を握りしめた。

「ハハッ!馬鹿メ!予備ガアルダヨ!」怪物は勝ち誇ったような笑顔を見せた。

怪物はより強い力でコノフォーロを握り潰そうとする。

「ぐうっ……お前、誰か忘れてないか?」

苦しそうな声でコノフォーロが言った。

「ハ?何ヲ……」


「サーヴラ、今だ!」

コノフォーロが大声で叫ぶ。すると、突然、怪物が苦しみ、悍ましい絶叫を上げた。

「ギィアアッ!!マ、マサカ俺ノ心臓(コア)ヲ!?」

怪物がのたうち回っていると、土の中から一人の少女が現れた。


「……待たせた……ごめん。」

サーヴラである。彼女は魔法を使い土の中でも呼吸を確保し、冷静に怪物の弱点を見抜き、そこを的確に攻撃する事に成功したのだ。

「オノレェエエッ!!」

怒り狂った怪物は残りの全ての手を使って、サーヴラを叩き潰そうとした。


『大気のエーテルよ、我が意に従い、我が身守る盾となれ。』

しかし、サーヴラが呪文を詠唱すると、彼女の前に魔力の壁が現れ、怪物の攻撃を完全に防いだ。

「……この壁は…そう簡単には……壊せない。」

サーヴラが呟いた通り、壁は怪物の暴力に晒されても、ビクともしなかった。


サーヴラは反撃の魔法を唱えようとする。

『大気のエーテルよ、我が意に従い、我が敵を貫く槍となれ!』


サーヴラの呪文が唱えられると、魔力の巨大な槍が生成された。そして、それは怪物の胴体に当たる部分に射出された。

「魔法カァ!ナラバ、道連レニ手負イヲ殺シテヤルゥ!!」

怪物は死にかけのスピーサとコノフォーロに全ての腕を伸ばした。

「だめっ!」

サーヴラは咄嵯に二人を助けようとするが、間に合わない。


「ハ?」

しかし、次の瞬間、怪物の胴体は、今度こそ貫かれた。

「グオオオッ!」

怪物は絶叫を上げる。

「まさか、ポリティマが。」

コノフォーロが振り向くと、そこには何かを投擲した姿勢のポリティマが居た。

「ハァ……ハァ……。」「ま、まさか、“銀の針”を!?」


銀の針とは、特殊な製法で作られた魔法の針の事だ

その効果は凄まじいもので、投擲すれば持ち主の体内の魔力を根こそぎ吸い尽くし、魔法を展開するといったものだ。

しかし、そんな物を使えば、ポリティマの身体だって無事では済まない。

それを示すように、すぐにポリティマは気絶しかけている。


「どう……だ?」

「ハァ……ハァ、何ダト思エバ……コンナ子供騙シヲ……」

地中から移動させた心臓を貫かれた怪物は、既に満身創痍だった。

「さっさと……死にやがれ……!」

「イツカ必ズ主様g――」

次の瞬間、

怪物は一瞬で、空から降ってきた者に心臓を叩き潰された。


「役立たずは死ね。」

その者は、白い少女のような姿をしていたが、恐ろしく邪悪な、血生臭さを漂わせていた。


「!?」

「え……?」

「……は?」

「あ?……」

その場に居た全員が呆気に取られた。


少女のような者は冒険者達の方に視線をやり、こう言った。

「さて、枠は空いたし、何人か資格あり、か。」

腕のカニスくんは確かに死にました。多分。

感想または、評価をください何でもしますから。

(何でもするとは言っていない。)

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