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第四話 計画始動

タ イ ト ル 回 収


更新遅れました。ごめんなさい。

<(_ _)>

⬜⬜⬜⬜

↑焼けた鉄板

気が付いたら、目の前が暗黒に包まれていた。

あの男が私の首を刎ねようとして……それから、あの悪魔の声がして……

私は一体どうなったの? 分からない。

でも、とても気持ちいい、まるで、夢の中にいるような感じ。ふわふわしてる。

ずっとここに居たいくらい。

そう思っていた時、悪魔の声が何処かから聞こえて来た。


『リベルタスよ、目覚メロ。』

すると、段々と意識が覚醒していき、視界が明瞭になっていく。

そこは、今まで自分が居た場所とは違う、薄暗い路地だった。

「ここは……?」

私が困惑していると、後ろから声をかけられた。


「おい、カワイイお嬢ちゃん、こんな所で何やってんだぁ?」

「兄者ぁ、こいつで遊ばねぇ?」

振り返るとそこには、二人の男がいた。

一人はスキンヘッド、片方は細身だ、

どちらも下卑た、気色悪い笑みを浮かべて私に近づいてくる。


その時私の思考は殺意よりも、異常な食欲に支配された。

だから、食べる事にした。まずは細い方の男を。

「いただきます。」

男の喉笛を噛みちぎり、飲み込む。男は断末魔も上げずに死んだ。

そして残った禿頭だが、彼は腰を抜かしていた。

「やめてくれえぇ!まだ死にたくないぃ!!」


今度はじっくり食べる事にした。男の足を掴み上げ、ふくらはぎの辺りに齧り付く。ブチィという音と共に肉片を咀砕する。新鮮な血の香りがして、美味しい。「あああぁぁぁっ!!」

ご飯が悲鳴を上げながら、必死で暴れるが、抑えつける。


そのまま、太もも、腰、腹、と食べ進めていったけど、内臓を食べてる時にうっかりむせて、口の中の血をご飯の開けた腹の中に吐き戻してしまった。

「ゲホッ、せっかく食べたのに……ん?」

その時、不思議な事が起こった。

もう死んでいる筈のご飯が動き出し、しかも、私が食べた所が再生し始めた。「何これ!?」

驚いていると、再生し終えたご飯が立ち上がり、大声で叫んだ。


「ご主人様!ご命令を!」

「は?」

死体が喋った!いやそれよりも、今コイツはなんて言った?

「ご主人様?」

「はい!貴方様こそ我が主です!」

……意味不明。

「お、お前は誰なの?」

「先程まで、貴女がお食べになられていた人間でございます!」

「さっきまでは確かに死んでたよね!?」

「はい!しかし、貴方様のお陰で新たなる生を得ることが出来ました!」

「何を言って……」

「私は貴方様の奴隷です!何なりとお使いください!」


ダメだこいつ早く何とかしないと。

「取り敢えず黙って。」

そう言うと、やっと大人しくなってくれた。

しかし、これは困った事になったぞ……。

どうしようか悩んでると、ふと、閃いた。


そうだ、増やそう。

幸いにもここは町だし、

そう思い、周りを見渡すと、先程殺した細身の男の死体があった。これなら丁度良いだろう。早速、私は指を爪で斬って

出てきた血を死体に飲ませた。

すると、みるみるうちに傷が塞がり、それが終わると、立ち上がった。

よし、成功だ。

これで、これは私の命令に逆らえない。取り敢えず、こういう存在に名前を付けよう。 うーん……よし決めた。


「お前らの名前は今日から、“セウルス(奴隷)”だ。」

「「承知致しました。我が主よ。」」

二人同時に恭しく礼をする。

うん、やっぱりこういうのいいね。気分が高揚してくる。

「では、これからよろしく頼む。ところで、聞きたい事があるんだけど……ここ何処?」

そう聞くと、二人は顔を見合わせてから

答えた。

「ここは、パルヌテ王国南方の辺境にある町。貧民街ガベトンでございます。」

「そして、私達はそこのスラムに住む人間でした。」

「そうか。じゃあ、お前たちの家まで案内して。」

「「畏まりました。こちらへ。」」

また、二人同時に言った。

二人が歩き出した後を追うように付いて行く。

暫く歩くと、ボロ屋が立ち並ぶ区画に着いた。


「「ここです。」」

またまた、二人同時に言った。

見ると、他の建物よりも一回りほど大きい建物が目に入る。「ここがお前達の家?」

「「はい。」」

またまたまた、二人同時に言った。


「結構広そうだね。中はどんな感じになってるの?」

「外見よりはマシといったところでしょうか。」

「まあいいや。取り敢えず入ってみよ。」

ドアを開けると、予想通りの、貧乏臭い内装が広がっていた。

「うん、普通だね。」

「「ありがとうございます。」」

そういうものなのか。

「えっと、それで、お前達には私の手伝いをしてほしいんだ。」

「具体的にはどのような事をすればよろしいですか?」

「適当に居なくなってもいいような人間捕まえてきて。」

「分かりました。早速始めます。」

二人はそう言うと、すぐに外に出て行った。

しばらく待っていると、気絶している二人の人間を抱えて帰ってきた。


「ご主人様、ただいま戻りました。」

片方は女だった。

男の方は痩せ細っていて、女の方はやけに筋肉質だ。どちらも、服装はボロボロで、身なりも小汚い。

「うっ……ここは?」

男の方が意識を取り戻したようだ。

「ご主人様、この者達は如何いたしましょうか?」


「ん?ああ、とりあえず殺しといて。」

「はい。」

男が何か叫んでいるが無視する。

セウルスに指示を出すと、直ぐに男の首を締め上げ、息の根を止めた。


あとは、女の方だが……こっちはもう死んでいた。

「あれ?そっちはもう殺したの?」

「はい。暴れられたので仕方が無く。」

まあ、私の血を飲ませたらいいんだし、別にいいか。

「まあ、別にいいからさ、それ、頂戴。」

「はい。分かりました。」

セウルスが差し出してきた二つの死体の口に私の血を飲ませる。すると、先程やったように動き出し、勢い良く起き上がった。

やっぱりこれは、うまく使えそうだ。

私は満足気に笑った。



長い年月が経った。

それからというもの、私は毎日のように、その辺にいる適当な人間を捕まえさせて、血を与えてセウルスにしていった。始めのうちは冒険者?とかいうのが攻めて来たが、そのうち来なくなった。

おそらく、貧民街に回す人材がいないのだろう。

彼らで造ったセウルスは特に性能が良かったのだが。

まあ、そのおかげで、貧民街の人間は領主を含めて皆、私の奴隷(道具)となった。


町を制圧した後は、セウルス共に諜報をさせて情報を集めた。

それによって分かった事がいくつかある。

まず、この町のある国、パルヌテ王国だが、どうやら東のヤグルサ帝国という国と長きに渡る戦争状態にあるらしい。

そこで、私はそこを狙い、どさくさに紛れ、王国に攻撃、殺戮しようと考えた。


まず、手始めに、ここから最も近い

都市サレムニールへ進軍する事にした。

いける筈だ。今まで私はただ血を与えていた訳じゃない。セウルスについて研究し、より強い手駒を造り出し、私自身もしっかりと、鍛えていた。


だから、負ける事は無いだろう。

しかし、鉱山で出会ったあの“聖剣”の男が気掛かりだが……あの男はたしか帝国との戦争に参加しており、あまり暇が無いとの事だ。問題無いだろう。


さあ、戦争を始めよう。地獄の如き殺戮によって奴らの死体で山を盛れ、奴らの血で河を流せ、まさしく屍山血河の世を我らの力で作り出すのだ。

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