それぞれの心模様
ルイマは、自室のべッドで仰向けに寝ながら両手で高く掲げた那津姫の心霊写真を眺めた。
ーーー残った問題はこれね‥‥‥
蓮津姫とミアのことはひとまず置いといて大丈夫。
ミアは蓮津姫の出来事以来、少しずつ心の中に押し込めて来たものを解放し出した。
土方を助けに来た時だって‥‥‥
向けられた攻撃的な悪意にも自分の意思で立ち向かったミア。
それはミアのプログレス。
次は私のターン。
那津姫様のことを知らなければならない。こんな時、土方が頼りになるけれど、今回はそうも行かない。だって、私が土方と二人きりでいたらまた面倒なことになりかねない。土方に迷惑がかかるだろうから。
ミアは七不思議には関わらない方がいいし、放課後は美術部に詰めている。残るは‥‥‥あいつ。
まあ‥‥誰もいないよりいいか。
さあ、週明けから期末試験だ。テスト勉強の見直しをしなくちゃ。
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ミチルは湯船に浸かりながらミアに助けられた時のことを思い出していた。
ーーーミアちゃん‥‥‥
まさかミアちゃんから助けられるなんて‥‥‥
僕が守ってあげようとしていた人から反対に助けられるなんて‥‥‥カッコ悪。
ミアちゃん僕のこと、一人の男子として見てくれてはいないみたい。わかっていたけど、やはり堪えるな‥‥‥
僕がもっと強そうで、そう、ザッカリーみたいな背の高いかっこいい男子だったら亜月くんもあんな風に僕に掴みかかって来られなかっただろうね。
亜月くんは、あんなおかしな噂を信じて僕を呼び出すなんて‥‥‥
僕に絡んで来る原因一つは、僕がミアちゃんとキリルと友だちなのをやっかんでのことだと想定してたけれど、亜月くんはキリルが好きだったなんてね。
今回のことは彼なりにキリルを想ってのことなんだろうから恨んだりするのはやめよう。
さーて。月曜日からテストだ! 勉強しよう。来年はミアちゃんやキリルと同じ特別選抜クラスになれるようにがんばろう。
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リアスは机に向かいながらも勉強は手につかないでいた。
ーーーう~ん、あれはどういう意味なんだ?『私のミッくん』って確かに言ったよな。それってやっぱりそうなのか?
『ミッくんは私の彼』って意味なのか? いやいや‥‥‥幼なじみなんだから私のかけがえの無い友だちって意味かもしれない。
ミッ君はいわゆる男くささが全くない。
肌はすべすべ、ふわりとした薄い色の髪。細い指。背中に白い翼があったとしても納得しちまう。その上、頭も良くて優しいなんて、これじゃリアル天使じゃんか。
果たして俺は天使に勝てるのか?
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中村はペットの3代目ハムスターにひまわりの種をあげつつ話しかけていた。
ーーーあ~雑念よ、消えてくれ! 週明けはテストなんだ。
俺は本来なら1組、特別選抜クラスにいて当然だったのに!
おまえ、どんだけタネ口にいれる気だよ? 誰も盗らないぞ!
いやいや、今日は取り合いだったよ。あれは青春ってやつだな。
いいよなぁ。モテる奴らはさぁ。ザッカリーも切取さんもスタイルいいしな。骨格からして違うよな。もーう、羨ましいってば。
それにしても、真夏多さん、すごかったなぁ。
あんな美人に睨まれたら圧すごくね? 土方くんは安定の美少年ぶりだし。
俺、やっぱ錦鯉研究会入っちゃおっかなー。悩むぅ‥‥‥
テストが終わったら見学に行ってみっか。
さー、さー、テスト勉強でもすっかな。
あーあ、俺、受験の前日にハム二郎が引き出しにはさまって死んだりしなければ‥‥俺も1組だったのになぁ‥‥‥
あの悲劇の中で、あのドン底の中で何とか受かっただけでも俺は頑張った。そうだろ?
ぐっすん。なぁ、ハム三郎?
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砂区愛は洗面所の鏡の前で髪を乾かしながら今日の出来事を反芻していた。
ーーーなんだったの? あの情報は本当は間違っていたっていうの?
あの土方ミチルって男子。仮面少年って噂されてる子。
あの純真な雰囲気の男子が実は魔性の少年で、切取さんと座家くんを誘惑して、自分を巡って争うのを見て楽しんでいるって聞いてカッとしてしまった。
だって、私、座家くんのこと‥‥‥入学してからずっと見ていたんだよ? 切取さんにだって憧れていたし。
私の大好きな男女トップ1をもてあそぶなんて。本当だったら酷すぎる!
真相はテストが終わってから、必ず暴いてみせるから。
でも、突然現れたあのガチの美少女。
真夏多さんはミチルって子の彼女みたいな口振りだった。まさか、あの真夏多さんまで手玉に?
天使のような純真無垢な顔をして、なんて恐ろしい子なの!
神様! 座家くんと切取さんが早く目を覚ましますように!
ああん、こんなんじゃ勉強なんて手につかないよ。もうテストなのに!
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亜月温は自分の部屋で英語の参考書を読みながらも、今日の出来事が頭から離れなかった。
ーーー土方くん‥‥‥あんな誤解するなんて! まさかのまさか、俺が切取ルイマって女子のこと好きだと勘違いするなんて思いもしなかった。
‥‥だから俺、思わず土方くんに掴みかかってしまった。
これではますます嫌われて当然だ。俺はあの宝塚調女子と座家を、土方くんから引き離したかっただけなんだ! あの頭が悪くて下世話な砂区っていう8組の女子を利用して。
俺は本当にばか野郎だ。どうしてだろう? いつも意地の悪いことばかり土方くんに言ってしまう。
そんなことでしか土方くんの気をこちらに向けることしか出来ないのが悲しい。
今日は新たに、更に強力なライバルが現れた!
あんな綺麗な女子が『私のミッ君』だと? これじゃ僕の出る幕は無いじゃないか!
くそっ! まさかあの真夏多ミアとも‥‥‥?
俺はあいつが誰かと付き合うのを見たく無い。
せめて土方くんとクラス成績トップを争っていたい。僕を土方くんに印象付けるために。
もっと勉強しなきゃ。
ええと、コミ英の続き‥‥‥‥This novel is worth reading twice. I can't take it any more ‥‥‥




