コント「面接」
人事:ツッコミ
就活生:ボケ
二人「面接」
人事「次の方どうぞ」
就活生「し、失礼します!す、す、座ってもよろしいでしょうかかか!」
人事「足がっくがくだね。どうぞお掛けになってください」
就活生「失礼します!よろしくお願い致します!」
人事「よろしくお願いします」
就活生「御社の経営理念に共感を覚えました!」
人事「いや、まだまだ、まだ何も質問してないから。緊張しちゃってるのかな。今日はここまでどのようにして来られましたか?」
就活生「徒歩で来ました!」
人事「あ、じゃあうちから結構近いのかな。所要時間はどのくらいですか?」
就活生「五時間です!」
人事「遠いな。バスとか電車使おうよ。あれ?でも君の履歴書の住所はそんなに遠くないみたいだけど」
就活生「はい!御社の経営理念に倣って、うさぎ飛びで来させていただきました!」
人事「だから足がっくがくだったのか。いや、うちそんなスパルタな社風掲げてないよ。普通に、お客様に笑顔になっていただく、というのがうちの理念なんだけど」
就活生「人が苦しんでいる様には思わず笑顔が溢れるものですよ」
人事「嫌な発想だな。そういうのじゃないから。弊社の商品とサービスをお客様に提供することによって笑顔なっていただく、ということだからね。えーとじゃあ、次は自己PRをお願いします」
就活生「はい!まずは一般的なところとして、エクレアとラードが作れます!」
人事「一般的かそれ。エクセルとワードが使えますよっていうのはよく聞くけどね」
就活生「エクレアとラードが作れます!」
人事「聞いたことないよそれ。なんなのそのファットなチョイス。因みにエクセルとワードはどうなの?」
就活生「エクセルとワードも作れます」
人事「エクセルとワードも作れるの?!え、使えますの間違いじゃなくて?」
就活生「はい。1からプログラミングして作り出せます」
人事「凄いな君。いや本当に。天才じゃないの」
就活生「よく言われます」
人事「だろうね。えー次は、弊社を選んだ理由、志望動機を聞かせてもらえますか」
就活生「御社の経営理念に共感を覚えました!」
人事「ああ言ってたね。それ最初にね。他にもあるかな。弊社のここが気に入った、というところなどがあれば教えてください」
就活生「御社の経──」
人事「もういいよそれ。さっきも聞いたよ」
就活生「違うことを言おうとしたのですが」
人事「あ、そうだったの。申し訳ない遮ってしまって。どうぞ続けてください」
就活生「はい!御社の経理の子に好感を覚えました!」
人事「女目当てか。確かにうちの経理の子可愛いけども。君ね、さっきからふざけてるでしょ」
就活生「僕は本気で彼女のことが好きです!」
人事「そういう意味じゃないから。はっきり言ってこのままだと落とすつもりだけど、どうする?」
就活生「負けませんよ」
人事「なんで私が唐突に恋のライバル宣言したと思ったの。彼女を恋に落とすとかじゃないから。君を面接で落とすって言ってるの」
就活生「……そんなことを私に言っていいんですか?後悔しますよ」
人事「なんだなんだ急に」
就活生「御社のカブの8割以上を私が買い占めてありますからね」
人事「そ、そんな……。いやでも、うちで自社株の5割はおさえてるはずだけど」
就活生「御社の元気野菜おいしいカブのほとんどが私のものですよ」
人事「自分で言ってるけどそれ野菜だね。だから先月の野菜商品の売上が跳ね上がってたのか。お買い上げありがとうございます」
就活生「ですのでもうお金がないんです!どうか僕を雇ってください!」
人事「私より既に君が後悔してるよね。まぁ、うちの商品をそれだけ買っていただけてね、私も心がちょっと揺らいだというか。君を採用できるように上に掛け合ってみますよ」
就活生「ありがとうございます!後、経理の子を僕にください!」
人事「それは彼女の親御さんに掛け合ってください」