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120/130

120限目 勘違い

 春はテーブルに顔をつけたまま、首を振った。


「恥ずかしい。恥ずかしい。これじゃただ春がうぬぼれてたみたいじゃない」

「みたいじゃなく事実だ」


 泣きそうな声で叫ぶ春に、真人は感情のない声で告げた。それが胸刺さったようで、ポロポロと涙をこぼした。

 春の涙にギョッとして大晴は慌てた。


「え、いや、そんな。俺じゃなくても二階堂を好きって言ってた子いっぱいいたじゃん」

「好き人に好きになってもらわなきゃ意味ない」

「え、二階堂、俺の事そんな好き? 顔と家柄って言ってなかった?」

「そうだけど。誰にも媚びない横山君に惹かれたのは事実」


 大晴は困った顔をしてポリポリと頬をかいた。


「もう、わかったよ。近づかないから」


 ヒステリックに春が叫び立ちがあると、大晴は春の手をぎゅと握りしめた。


「そんな事、言ってないよ。友だちとして接してくれれば。同じ桜花会だし仲良くやろ」


 にこりと大晴が笑うと、春は真っ赤になった。


「また、そうやって勘違いさせる」

「え? またって?」


 春はむれながら、じっと大晴の瞳を見た。


「春は可愛いから皆に好かれるんだけど、3年の時、男だって広まり新人教師が春のスカートを禁止しようとしたんだよ。その時、横山君が庇ってくれて……」


 大晴はその話を聞いて首かしげた。それからじっと考えてからポンと手を叩いた。


「あー、あれか。廊下歩いてから悲鳴が聞こえて駆けつけたんだ。すると、女の子がスカートを引っ張られていて教師ソイツに跳び蹴りかましたわ。それから他の教師がきて色々あったみたいだな」


 大晴はケラケラと笑うと、春は眉を下げ大晴を見つめた。それを真人は目を細めてみた。


「あのさ、悪気はなかっただけど……しつこくしてごめん」

「おう」


 にこりと笑う大晴に春ははにかみ、首を。


「そうえば、あの騒動で揉めてた桜花会はのメンバーは今いないね。レイラ様はそれに入らなかったし」

「ほんとだ」


 春が首をかしげると、大晴も同じように「うーん」と言って首を曲げていた。そして、以前聞いた“外部受験組”の話を思い出した。


「解決しました」

「え?」


 二人は真人の方を向くと、彼は電話はしていた。丁寧な言葉で話す彼を見て、2人は胸が弾け飛ぶような気持ちになった。


「こちらにですか? わかりました。お待ちしてます」


 電話を切ると真人は立ち上がり、扉の横に立った。それを見て二人は慌てて、真人を追いその横に同じ様にたった」。


「ねぇ、真人様が敬語で話す相手って?」


 春が小声で話すと、大晴は何も言わずに頷いた。


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