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107限目 まゆらが大道寺家に来た

 風が暖かくかり、コートやマフラーが必要なくってきたころ、腰にちいさな荷物をさげて満面の笑みを浮かべたまゆらが大道寺のベルを鳴らした。


 レイラは専属の家政婦のなぎとともに彼女を出迎えた。


「本日からご厄介になります。河野かわのまゆらです。よろしくおねがいします」


 まゆらは丁寧に挨拶をした。レイラも挨拶をすると、横にいる専属家政婦を紹介した。 


「私の専属家政婦の凪です。以前、お話した通り、少し前から働いてもらってます」


 まゆらはじっと凪のことを見ていたが、彼女が「よろしくおねがいします」と言って手を揃えて頭を下げると慌ててまゆらも同じように頭を下げた。


「それでは部屋に向かいますわね」

「はい」


 まゆらが靴を脱いでいると、凪が彼女のそばに来た。


「お荷物を運ぶ手伝いをして構いませんでしょうか」

「え、はい」


 凪はまゆらの返事を聞くと「失礼いたします」と言って、彼女のまゆらの肩掛け荷物を持つと部屋に向かった。

 まゆらは靴を揃えると、2人の後を追った。


「ここですわ。私も部屋は隣ですので不安な事がありましたら、いつでも来てくださって構いませんわ。それと、兄の部屋は同じ階の更に奥ですわ」


 レイラがリョウの部屋の方向を指指すと、まゆらは頷いた。

 レイラが合図を送ると凪は、お辞儀をして下がった。それをまゆらは目で追っていた。


「まゆらさん。お荷物が少ないですが大丈夫でしょうか」

「あ、はい。もともと服も今着てるのと後1着くらいなので」


(まじか。買わないとな)


「そうですか。どうぞ」


 レイラが扉を開けて待っていると、まゆらは慌てて返事をして入室した。室内に入ると説明するレイラにまゆらは頷いていた。


 一通り終わった所でレイラはまゆらの方を見た。


「食事は今言った通り担当の家政婦が作ります。時間ですが……」

「大丈夫です。いつもレイラさんと一緒でいいです」


 レイラの言葉の途中ではっきりと答える彼女にレイラは目を大きくした。


わたくし、習い事がありいつも同じ時間には食べませんわ。それに今後、まゆらさん自身に予定ができるかもしれませんわ」

「レイラさんの習い事は待ってます。私の予定なんて大丈夫です」

「それは……」

「私はレイラさんがいればいいです」

「そうですか」


 まゆらのキラキラとした目を見ると嬉しくなりレイラは“まぁ、いいか”と思った。


(笑顔、めちゃくちゃ可愛いなぁ)


「そうですわ。まゆらさん制服ができましたの」


 そう言って、レイラはクローゼットをな黒いワンピースを取り出した。セーラー襟とリボンがついてる。


「わぁー」


 まゆらは制服を見た途端、大きな声を上げた。

 レイラにニコリと笑い、制服を彼女に当てた。


「ありがとうございます。特待の支援金が入りましたら必ずお返ししますわ」

「必要ありませんわ。それに、桜花会でも構わないと父は言っていましたわ」


 まゆらはギュッと制服を抱きしめた。


「素敵な部屋を用意して頂き更に桜花会にもなんてそんなには……。高等部に進学しましたら寮にはいります」

「寮なんて入らず、ずっといていいですわよ」


(まゆタソが桜花会に入れば、ゲームと変わったのになぁ。いや、中学から桜華に入学する時点変わってるか)


 まゆらが高等部から入学して黒服であることは、数少ない前世の知識だった。


「ありがとうございます」


 嬉しそうに笑うまゆらを見ると、先ほどあった不安がどこかに消えた。そして、まゆらがただ、可愛かった。


「それでは、夕食に行きますわよ」

「はい」


 レイラの声掛けに、まゆらは制服をクローゼットに掛けると彼女と共に部屋を出た。

 居間に来ると、レイラはまゆらにタエコを紹介した。まゆらが挨拶をすると、タエコは快く迎えてくれた。


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