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2012 2/26

2012 2/26 ───────





──今日の起きる時間。



本当は目覚めて欲しくないけれど──どうせ起きてもこわいまま──



……だけど、体だけは冷たい空気を感じれている。


暗い、まるで海の底みたいに──わたしは平穏な朝の光なんて浴びれない──


黒い、まるで空に置いてかれた底みたいに──わたしは夜に追いやられるべきだ──



死ぬ方法は───まだ解らない。



まぶたを開けて体をベッドから起こすと決まってアノ日の血を見る。



──わたしは覚えている


 あの入道雲(あの子の死)

 

 蝉の音(命の音の残響が煩い事)



いつもさいしょは あいずのように、みえる けしき が こわくなる。





つぎに このこ ができるだけ はやく トまるにはどうするかを かんがえる。


こころ がありそうな まんなか のほうじゃなくて、くび のほうに さす ほうが このこ は うごかなくなるってことをしっている。


うまく、うごかせない。


やさい を きる みたいにはいかないみたい。


そのたびにわたしは じゅうよん ぶんかつにすることをあきらめる。


くび と うで の つけね と うで とか あしのかんせつ とか。


てっきりかんたんにきれるとおもっていたのに。


スパスパと じゅうよん かい きる ほうがいいんだとなぜかおもってた。


ミーン。


ミーン。


ミーン。





そして殺した。


わたしだけが殺したいと思ってた。


わたしが生きている時間は一番最初にソレを見る。




だから、まぶたは開けたくない。




ずっと暗闇を見ていたい。


見たくないからまぶたを閉じる。



──でも、まぶたを閉じても見たくないものが見えるのなら、どうすればいいんだ。



あの時からずっと見える世界は怖いままだ。


みんなわたしをここに置いていく。


みんな壊れていくみたい。


良いものなんて何も見えやしない。


わたしは人を殺したくない。


わたしは人を殺したくないはずだ。


あの子にはもう謝れない。


わたしはどうやら壊れた人間みたいだ。


わたしは生きていちゃいけないんだ。


死んだほうがいい人間は、いるんだ。


この世界ではわたししかいない。


いつ、壊したいなんて思っても大丈夫だ。 


ここで壊せるのはわたししかいないから


大切な人が生き続ける為に──





──わたしは、わたしを殺し続けることにした




 

B,VOID 0/10「深窓少女」 her six years 了

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