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妄想能力者と現実能力者の討伐戦  作者: 忽那 和音
Series3 UFW編
84/255

Episode 82

 昼食前の練習は水泳。

 アテナ達は更衣室で水着に着替え、水泳場に来た。

 コーチングを行う体育教師も全身水着に着替えた状態にあった。

「よーし、皆来たな。それじゃあ、エレン。体操の先導を頼む」

「はい」

 水泳をする前には体を事前に動かすことが重要だ。

 エレンは前に出てきた。

「てんててててててて、てんてててててて、ててててててててててててて」

(まずはそこからなんだ~)

 彼女は忠実にピアノ演奏の冒頭から始めた。

「ててててて、てん、てん、ててて~ん」

 エレンは最後まで例の体操音楽をピアノ伴奏まで言い切った。

「それじゃあ、順番に入水していくよ~」

 参加者は皆、列になり直線コースを泳ぐ。

 陰光大学付属陰光中学は三年間に一年必ず行われる臨海学校の為に、ある程度の水泳スキルを習得する。

 つい最近まで練習をしていた参加者は皆、コーチからのアドバイスも無くスムーズに泳いでいく。

 水泳は得意科目の一つである。だが基礎の運動種目でもあるため、体育教師はこれを外さなかった。

「はい。いいね~。じゃあ、皆上がって~」

 教員は長かった週末の基礎体力強化プログラムを終わらせた。

 全員、列になりプールへ向けて方向を合わせた。

「ありがとうございました」

「\\ありがとうございました~! //」

 生徒達は午後に控える鉱石に合わせた訓練の為、更衣室へ行き着替える。

 着替えが済めば待ちに待った昼食だ。

 先日、イザベルがい組の教室に来た時に言われたことをアテナは思い出した。

「あっ!当日は昼食を持ってこなくても用意するから」

 参加者が想定よりも多いわけではないと聞いていたが、そこまで用意する余裕があるのかと思った。

「エレンちゃん。サーカちゃん。昼食って何か聞いてる?」

「うんうん。何も聞いてないよ」サーカは首を横に振る。

「私も」エレンも珍しく何も聞いていなかった。

 朝から動き詰めのアテナ達のお腹は着替えをしている間も活発に動いていた。

「あはははは……」

 皆のお腹からの物欲しさにアテナは笑ってしまった。

「早く着替えて、ご飯食べましょ」

 エレンは着替えの手を速めた。

 二人も着替えを済ませ、トレーニングセンター一階に降りてきた。

 そこには、今回のプログラムで顔を見せなかった少女がいた。

 彼女は普段通り上にパーカー。下にはミニスカートという服装でいた。

「希和ちゃん!」

彼女の名前を呼ばれ振り向いた。

「あ、アテナちゃん。サーカちゃん。エレンちゃん」

 希和子は友人である三人の名前を呼んだ。

「今日はどうしてここに?」サーカが言った。

「メルタ先生から手伝ってほしいって言われて……それで……」

 希和子は両手の人差し指をツンツンして言った。

「この前の作戦の時にもいたのに、今回の会議にはいなかったから、心配したよ~」

 アテナは彼女の動向について心配していた。

「むしろ、私は皆のことを心配するよ。多分……バテているんだろうなって……」

「なっ、なぜ、それを!?」

 彼女の予想は現実のものとなっていたことを彼女は知らずにいた。

 しかし、サーカは驚きを隠せずにいた。

「わ! なっ、なんか、サーカちゃん……。気に障ることでも言ったかもしれない……」

 希和子は彼女のリアクションに驚いて、自分の発言を気にし始めた。

「そっそんなことはないよ~。でも事実のことを言っていたから、ちょっとショックで……」

サーカは壁に顔を向かい合わせた。

「サーカちゃん、落ち込まないで。誰しも皆が得意ってわけではないから」

 アテナは励ました。

「私も、運動が嫌いだけど……サーカちゃんにも、できることがきっとあるよ」

「ありがとう、希和ちゃん」

 希和子は基礎体力強化プログラムに参加した生徒達に向けて作ったお弁当を渡した。

 四人は外のベンチで食べることにした。

 中身には、から揚げ、だし巻き卵、ミニトマト、枝豆とひじきの炊き込みご飯、漬物など彩豊かな内容が繰り広げられていた。

「うわ~! 美味しそう~」

 アテナは大きな目を開いて言った。

「さぁ、食べよ」

 希和子が皆に食べるように促す。

 四人は手を合わせた。

「\\\いただきます///」

 皆それぞれ好みの順番に箸で取っていく。

「う~ん。おいひぃ~」

 アテナは頬張りながら言った。

「アテナちゃん。食べるか、喋るかどっちかにした方がいいよ。味は最高だけど」

 エレンは母親役としてアテナに行儀よくするように言う。

 だが、味などお弁当のクオリティが高く感心した。

「私、こんな美味しいお弁当が出てきたら毎日トレーニング頑張る‼」

 先ほどまで辞めたいや逃げたいなどは言わなかったものの、腰が砕けていたサーカとは思えないほど目や顔、肌が生きいきしていた。

「サーカちゃんって、そんなに大変だったの?」

 希和子がサーカの様子を二人に聞く。

「そうなんだよね~」

 エレンが思い出して言った。

「やっていることは皆と一緒なのに、軸がなんか違うというか」

 アテナが当時の様子を言った。

「それなら、基礎をまず見直してやったほうがいいかも。何事も姿勢良く行うのがいいよ」

 希和子は量を増やすだけでなく、姿勢の悪い状態を良い状態に修正するように言う。

「私……練習を見に行きたい」

 希和子の提案に三人は賛成した。

 昼食を終えた四人は片づける。

 アテナ、サーカ、エレンの三人は次のプログラムへ向かう。



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