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妄想能力者と現実能力者の討伐戦  作者: 忽那 和音
Series2 バベルの塔編
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Series2 Epilogue

 ピエールは学会。希和子はアテナ達MUSEの展示会を見に行ってきた。

 帰宅後。希和子とピエールは順番にお風呂に入った。

 希和子は履いていた靴と靴下を脱いで聞いた。

「ピエール。先にお風呂に入ってきていいですか?」

「いいよ。僕はレディーファーストだからね」

 そのような事は何度も聞いた気がした。

 だがそれ以前にレディーファーストの前にかなり強引に入ってきた事もある。

 記憶に残る範囲だけでも、まだ十歳の希和子にとっては刺激が大きい事が多かった。

 何回かのあった出来事を瞬時に思い出した希和子は怪しい人を見る目で彼を見つめた。

「何々~? 人を疑うような顔をして~」

「本当に疑っているんですよ」

 その顔は終わらなかった。

 ピエールは真面目に言った。

「気に障るような事があった事は謝るよ。僕は書斎で仕事をしているから、それでいい?」

 本当に困った顔をしていたピエールに言った。

「分かりました……。けど、手洗いうがいはしてください」

「分かったよ」

 希和子は理解をしめした顔で部屋に入った。

 言われた通り、手洗いうがいをしたピエールは自室へ入った。

 学会の時だけ着るスーツを脱ぎ、過ごしやすい部屋着に着替えた。

 バックから書類を取り出しホルダリングする。

 脳神経外科に関する資料は日本語のものだけでなく、アメリカからの情報も多い。

 ピエールにとって英語は独り言をする時の言語。小学生からイギリスに住んでいた。

 希和子もピエールに居候してきた当初は、挨拶しか言えなかった。

 試験勉強も兼ねた生活を送っていた事もあり、現在では英語で会話できるところまで上達した。

 配られた資料を軽く見直しした。

 パソコンの電源を開き、医学書とは別の資料を見ていた。

 電源を入れた画面を早速操作した。

 書き留めたメモには、日本神話に関する文章が立ち並んでいた。

 剣、石、鏡は皇帝としての地位を示す。これは日本に古くから伝わる伝統。だがその真の姿は見た人はいない。少なからず、この生きている世には。

 その内の一つが出現。

 または反応したら、一体世の中はどのように変わってしまうのか。

 実際に、陰光大学教育学部付属陰光中学の生徒達。

 特にアテナがその証拠を示した。

 軍内部と研究チームだけで、その情報は守る事ができるのか。

 親戚のメルタがあんなにも落ち着いているのが、不思議でしょうがなかったピエール。

 だが後々に希和子に届いた鳳凰の印された書簡が届いた事には驚いていた。

 ピエールはその憶測は口にはしなかった。

 ここでの繋がりが無いのにもかかわらず、希和子宛に皇帝からの書簡が届く理由も分からなかった。

 もしかして戸籍上では希和子と皇帝は血筋がつながっている。

 そうなった場合であっても、より近い距離で一般市民として生活をしている者達は知っているはずだ。

 考えるだけ、現段階では全て仮定だとしても、ピエールはあくまでただの同居人。

 保護責任者という重要な立場ではない。

 だが希和子の事をどうしても手放しきれなかった。

 あの玄関前で助けを求めていた出会いから、ピエールに彼女を放置するという選択肢はなかった。

「ピエール。ピエール」

アテナ達とは違い希和子は鉱物を手にしていない。

「ピエール。ピエール。ねえ、ピエール!」

 これまでに起こった出来事の前触れはほとんどが彼女から情報だった。

 仮に石も無しに予言の力があったとしたら。その情報を皇帝が握っていたら。

「ねえぇぇぇぇぇ!!」

「うわぁ!」

 ピエールのすぐ右横で、希和子はピエールを読んでいた。

 彼女の間地かで発せられた大きな声にピエールは驚いた。

「きっ希和ちゃん」

「もう~このまま放置しようか考えたけど、体を洗う前にずっと家の中にいられるのも気持ち悪いので」

「悪いね。でも、これで入るよ」

 ピエールはパソコンの電源を切り、バスルームへ向かった。

 希和子は彼の反応を怪しく思った。

 ピエールが戻ってくる前に、こっそりパソコンで見ていた内容を確認した。

「あ……。私……、親戚がいるんだ……。なら、私の力は……。これで、私の目標が果たせるよ」

 口角を少し上げた。

 そして先ほどまでのページに戻し、電源を切った。



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