表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妄想能力者と現実能力者の討伐戦  作者: 忽那 和音
Series2 バベルの塔編
74/255

Episode 73

 中学二年生としての生活が始まり二か月が過ぎた。

 アテナ達の感覚では既に半年が過ぎたという体感をしている。

 これまで三月の終業式に気絶をしてから始まった。

 ほぼ毎日、附属病院にも通った感覚があるが、実際には週に一回。

 先月は塔の出現により、学校での授業だけでなく、市民生活まで影響を及ぼした。

 メルタ主導の研究会があった事にも驚いた生徒達。

 それだけではなく、力について既に把握している事。

 バベルの塔作戦を見据えた計画を密かに立てていた事など、アテナ達中学生には直ぐには理解できない事を次から次へと話していた事に情報の整理が追い付かなかった。

 その間に会議に呼ばれなかった慧は米軍の候補生となっているポーレットから作戦用のスーツを支給された。

 初めての会議後には直ぐにアテナ達は特注の軍服を着て、作戦へ参加した。

 いつの間にか会議に出席していなかった慧と緊急来日したポーレットも作戦に参加した。

 その場はとてもドロドロしく、エロテックで、神々しかった。

 三日間寝て、一週間検査入院をしたアテナにとって、目まぐるしく毎日が変化していった。

 学校復帰から一週間。

 気絶騒動により、い組や一部中学生の生徒達は思いおもい部活動に励む事が出来なかった。

 塔が消滅してから、学校側は通常通りの部活動実施を容認した。

 ミツキ、バン、慧、トリンドル達運動部所属のMUSEメンバーは解放後に続々と練習を始めている。

 アテナもクリエイティブ部活の再開を考えていた。

 昼食。アテナは教室でい組のMUSEメンバーを集めて活動会議をしていた。

 向かい合っている二人は濃い眉毛と濃いつむじを見せ合って話す。

「ねぇ、皆」

「なんだい? アテナ」

「次の個展何にしよう?」

 彼女達の声はいつもより低かった。

 ミツキの右隣に座っているエレンは唇裂な目を向けていた。

 特に小学校から友人の女子ソフトボール部兼任の生徒を見ている。

 左にお弁当箱。右にお箸を持っている彼女は一旦、卓上へ置いた。

 空になった左手を縦にした。

 そのまま、ミツキの左上へクリーンヒットした。

「うわ!」

「そんなトーンで言う事じゃないでしょ」

 エレンだけは二人のスナイパーストーリーへ他作品から乱入していた人物と同じ違和感がある。

「けど、これまでメッセージで、話がしてきているから、この内容で良いと思うよ」

 そういいながら、アテナはスマホを取り出して、会話画面を見せた。

 これまでの会話からは空想に飛んだ内容が交わされていた。

 バベルの塔をモチーフに可愛らしい曖昧色をした城に、馬に乗った騎士団がやって来るというアイディアが人気だった。

 そこから、騎士と城に住む者との間に繰り広げられる物語というのが話のベースとなっている。

「あとは」

 アテナの左隣に座るサーカが言った。

「制作だね」

 アテナの右隣に座るトリンドルが言った。

 制作可能な部員から映像、音楽、イラストを完成させていっている。

 問題は展示場所だった。

「去年と一緒に大学は楽だと思うけど、もっと違うところで展示したいよね」

 ミツキが肘をついて言った。

「そういえば、マリン先生が言ってたけど、いい場所があるから困ったら聞きに来てって言ってたよ」

トリンドルが重要な事を言った。

「それじゃあ、放課後に行こ」

 アテナの判断で放課後、クリエイティブ部活・MUSEの顧問を務めるマリンがいる図書館へ向かった。

 去年の文化祭でマリンは多くの生徒達の前で、もっと部活に顧問として参加したいと言ってから事あるごとにマリンを頼るようになった。

 彼女自身も半年たった今、やっと自身でも顧問をしているという気持ちになれて嬉しいといつも喜んでいた。

 アテナ達はきっとまた図書館にこのメンバーで行ったら、返ってくるシチュエーションが想像できた。

 アテナの考えたシチュエーション。

「カチャー」

 前に押す、または後ろに引くタイプの扉に前方へ体重をかけた。

 左には貸出カウンターが設置されている。

 多くの生徒が昼食休みに訪れて必ず列の出来る図書館は放課後も数人の生徒達が勉強をする。彼らのような生徒達は図書館で過ごす者もいる。

 MUSEのメンバーはカウンターの奥へ行き、管理室にノックをする。

 マリンはアテナ達の存在に気付いた。

 扉を開き、彼女達のもとへ来る。

「どうしたの? 皆」

 そこからはとんとんと進む。

 マリンに関してのシミュレーションはほぼほぼ外す事はない。

 アテナやミツキ達は余裕の顔をした。

 日暮れの光の中。席を立った。

 ドラマ上で行われる院長回診の列を作り、アテナを先頭に図書館へ向かった。

「ふぅ」扉の前で息を吐いた。

 右手で扉を掴んだ。

「カチャー」扉を前へ押した。

 左には貸出カウンターが設置されている。

 イメージ通り、放課後は数人の生徒が勉強をしている。

 MUSEのメンバーはカウンターの奥へ行き、管理室にノックをする。

 マリンはアテナ達の存在に気付いた。

 扉を開き、彼女達のもとへ来る。

「どうしたの? 皆」

 普段とは違う疲れた顔をしていた。

「先生、お聞きしたい事があるのですが、よろしいですか?」

「あ~ごめんなさい。今、どうしても読んで欲しいと言われているものが立て続けに……」

 アテナは読み物を読むのを手伝う事になった。

 これはアテナが予想を反する事だった。

 しかし作業を任される事によってよりマリンとの仲を深めるチャンスとなった。

 読み物が終わり、二時間後の現在。

 辺りは真っ暗となった。

「こんな時間までありがとう~ 皆~」

 解放された顔をしていた。

 肝心の本題については作業をしながら聞いた。

 マリンが以前言っていた場所というのが、埼玉の都市部にある場所が学生から一般でも借りられる展示場所だという。

 特急や電車を乗り継げば、中学生の足でも行ける。

 別の展覧会で来た為、マリンはMUSEの個展開催地として推薦をした。

 翌日。放課後に再度皆を集めて、検討した。

「それじゃあ、今回はここで頑張ろう!」

アテナは卓上に置かれた紙の一枚に指を指した。

「\\\\\\\\おぉぉ! ////////」

 部員達は鼓舞した兵士とまではいかないが、ある程度の落ち着きを保って言った。

 以降、八月中の開催を目指して、準備を進める事になった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ