Episode 71
アテナ、エレン、サーカの三人は塔の破壊・解体作戦の反省を含めた会議に参加している。
三人の左後ろに座っている理学研究所職員のファウスト ・アクィナスは挙手をして、メルタに少々強烈な質問をした。
「あの~ちょっといいですか? 子供達を集めて他に何か企んでいませんか?」
強い追及の声をしたファウストの質問をメルタは淡々と答える。
「これまで生徒達に体育祭から詳しい話をしてこなかった事は我々が仕組んでいたと思われていても仕方がない事です。ですが、この作戦からは意志のある子達に参加してもらいます。それがリスクに対する最大の答えです」
メルタの答えにファウストは口を濁らせていた。
「ファウス~辛気臭い事ばかり言うなよ~」
横から女性が彼の頭を胸で抱きしめた。
革ジャンとTシャツに下に薄っすら見える陰にはどこまでも続く深い谷間があった。
ボリューミーな胸元は中学生の三人には大人の色気を感じるものだった。
「なっ、何をするめぐ!」
ファウストは戸惑っていた。
「やっと、気が抜いた。メルタが言ってるだろ、最終的には自分達の行いで罪滅ぼしをするって。私達が招集されたのは彼女達の安全確保とメルタ達の監視。それ以外に何がある?」
彼にこの場での一先ずは参加の了承を促す瓜生は、男性の頭を乳房の下にまで飲み込ませるまで抱きしめていた。
「分かった。分かったから、もう放せ! 苦し~い!」
ファウストは十分ほど瓜生の豊満な乳房に拘束されていた。
「失礼。うちのファウスが失礼した。続けてくれ」
瓜生は司会・進行、会議のチーフへ話の中心を返した。
「ごめんなさい。けど、今後はこの会議内では鉱石や参加生徒達を第一に共有をしていきたい」
改めて、メルタはこの会議の前提を言った。
話はアテナを完全武装へと導いた力と鉱石について話題が上がった。
「実は私やサーシャも石を持っています」
見せたのは、簪のような棒状の上に施された飾りに色が違う鉱石が埋め込まれているものを拡大カメラでメルタは見せた。
「色や形状。また、備え付けられているものも様々です」
アテナについては完全武装までたどり着いたが、次の襲来に備えて完全武装の長時間が求められる。
この事実は当時作戦に参加した一部の隊員と軍幹部に広がった。
政府には伝えられていないが、今後政府からの命令があれば、アテナ達が悪用される可能性があると言われた。
メルタと幹部の競技した結果。
プライバシー保護や未成年という理由からアテナ達の管理は大学内で行うという話で一時片付いた。
基地内部で起こったこの一件も軍を離れる者には、誓約書として口止めをするという徹底ぶりだった。
今後鉱物の保持を認める生徒達と完全武装済みのアテナ達を対象に、トレーニングプログラムを授業と部活とは別の時間として導入する。
実施は一か月後。
その間、研究チームは本業の傍らアテナが起こした完全武装時の分析や石を放棄した生徒達から受け取った石を基に研究を進める事になる。
メルタは次のタスクへ話を移した。
「次にアテナの武装した姿についてです」
彼女はアテナの完全武装化した姿について話を進める。
アテナの武装はギリシャ神話のアテナが元となっている。
石の力を与えた神達が武装の元となっている。
神によって完全武装時の体形や戦闘フォームに合わせて武装姿が決まる。
また、男女によって、石からの武装段階が違う。
ある程度の練度と使用者の気持ちなどがリンクしないと完全武装は完成しない。
「あ~だから、私の目の前にギリシャ神話の神様達がいたのか」
アテナは見た時に聞けなかったいつの間にかあった神達の事を知った。
「アテナちゃん。よく覚えているわね」エレンは驚いた顔で言った。
「エレンちゃんも誰かから力を与えてもらったんじゃないの?」不思議に思いながら言った。
「それが、変なおじさんが私の体を持っていた剣で叩いてきて……。怪我はしかったけど、変な人だったわ」
そういいながら、疲れた顔をして思い出した。
エレンは詳しくその状況を言った。
目覚めた時にはどこかの城内。
剣の稽古をしていた老人はエレンのもとへやってきて言った。
「おー来たか。しかし……」
老人はエレンの体をよく見た。
「お前のその体では……」
エレンはらしくもなく、唾を飲み込んだ。
「剣士にはむかん! ほれ、ちょっと教えるとするかの」
そういうなり、老人はエレンの体を剣士に向く満足となる姿にすべく叩きに叩きまくった。
右太もも。左脹脛。背中。胸。頭部。
彼の指導はエレンにとっては滅茶苦茶だった。
エレンは西洋式には疎いが、小学生時代は剣道を習っていたため、一度剣などを持つと剣道の持ち方や攻撃と守りになる。
それでも彼の教えは偽物だと感じた。
言われるがまま、時間は過ぎた。
「よし、これでいいじゃろ」
老人は満足げに言った。
「やっ、やっと……終わった~」
久々の剣による稽古と言っていいのか怪しい拷問に近い時間は終わった。
エレンは大理石の床に倒れた。
「ふ~ん、こんなんで我々の力を存分に発揮できるかは分からんの~。しかし頼まれたものは仕方がない。ほれ、エレンとやら。これから託す力。悪いようには使うなよ」
老人は右手平から出て来た光はエレンの左ブレスレットに刻み込まれた石に入っていった。
「元気でやれよ。エレン……」
エレンの認識はない。
老人は白い光によって見えなくなった。
会議室で自身の経験を口にしたエレン。
メルタはその状況に補足をした。
「神話に名を連ねる神々の他に、英雄や先祖が神になっている場合もあるわ」
「へ~」
三人は感心した。
メルタは話を続けた。
「アテナさんは勿論。他の保持者達にも共通する事は作戦時に照らし合わせると、転送された時に力を与えられたと言って間違いはないわ」
アテナは皆、何を見たのか分からない。
アテナの後に次に待っている人物がいると言っていたのを思い出す。
恐らく一緒に参加していた石の保持者が同じ神話から該当者がいるとアテナは予測した。
「この機会なので、もう一つ話したい事があります」
メルタは追加で話す内容に想像力豊かなアテナはポカンとしてしまった。
「この世界と異世界についての話をしたいと思います」




