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妄想能力者と現実能力者の討伐戦  作者: 忽那 和音
Series2 バベルの塔編
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Episode 57

 緊急来日したポーレットをアテナ、サーカが迎える。

 三人は部活や休み時間へよく来る図書館に来た。

「日本の図書館。なんだか、楽しみだわ」

「ポーレットちゃん。去年の文化祭もだけど、陰光に来た時は楽しそうだよね。何か面白いところがあるの?」

「ええ。アメリカの学校はなんかポップな感じでいかにも子供のいる場所って感じ。日本の学校はシンプルだけど何かあるんじゃないかとワクワクする事があるのよね」

「そう? 私はアメリカとか海外の学校は壁に貼ってあるシールとか。カラフルな部屋とか。そういう教室で一度は勉強してみたいな」

「私は今のままでもいいかな。ベージュ色の教室とか馴れているからいきなりハイカラになればちょっと戸惑ってしまいそうだわ」

 三者三様の意見だった。

「アテナ。一度留学しにくれば良いじゃないのかしら?」

「そうだね。でも~、住居とか生活費とか色々と考えちゃうな~」

「大丈夫よ。うちの学校は毎日新しい留学生が来るような学校だから」

 キャンパスは軍事基地の隣にあるため職業軍人の家族が通う事も多い。一方で空港から近い立地の為、代わる代わる新しい留学生が入ってはまた新しい場所や元の場所へ戻っていく事もある。

「去年に一度タマとチャンミンも来たのだから、アテナはすぐに打ち解けられると思うわ」

「そう・・・・・・かな」

「そうよ! ミツキなんて出会って五秒で一緒に食堂へ行くでしょうね」

「あーそれはなんか想像できる~」

 本人の知らぬ所でやるかも確証の得ないありそうな光景を想像していた。

 三人は階段を上り図書館の前へ来た。

 ポーレットは図書館の出入り口扉を両手で握り見つめた。

「素晴らしいわ!」

「どうしたの?」

「だって、こんな重厚でデザイン性もあるブラウンカラーの両扉を開けるだなんて

! 素晴らしいわ」

「そっそうかしら?」

「なんかポーレットちゃんって、無性に感動しちゃう子なのかな?」

「それはないわ。日本に来ているからよ」

「そっか。アメリカにはあまり無いか」

「歴史のある公立図書館であれば建築的にも美術的な所はあるけれど、普通の学校には他の教室と変わらない作りで図書館があるわ。中も教室と同じようにカラフルな椅子と机が並んでいて。自主学習には向かないわ」

 ポーレットは両手をお手上げるポーズをした。

 なんとなくではあるが、時に見るアメリカで制作されたヤング向けのドラマで海外の学校らしい光景は彼女との会話をする上で教科書的な見本として創造している。

 ポーレットが待ちに待った中学の図書館へ入る。気になっていた中学の知を発信する基地。彼女の期待は最高潮に高ぶっていた。

 サーカは片方の扉を開く。

「さ、どうぞ」

 ポーレットを図書館へ迎えた。

「わぁー!」ポーレットは感動する。

「なんてこと。これが中学の図書館だと言うの・・・・・・」

「ポーレットちゃんがこんな感情を乗せて話す子だなんて」

「普段はここまで感じるものはないわ。でも、こんな落ち着いた。これがThe Libraryというものなのね」

 まるで魔法で作られた秘密の部屋へ入って外からの見た目よりも広い部屋に感動する。

 中に入るな否や小走りに図書館へ入る。

 主人公のように図書館の中心で体を一回転させる。

 ここが青々とした高原地であればさぞかし気持ちがいいだろう。だが、ここは図書館。時と場合によればほこりが舞って仕方がない。

 ポーレットとサーカは空いている席へ座る。

 アテナは新聞部が定期的に発行している校内新聞のアーカイブを見せる。

 入学するまで知らずにいた事の一つに校内新聞の存在がある。

 通常、校内新聞は委員会。または部活が発行して生徒や教師達からアンケートをまとめる。集めた情報を校内の出来事を記事にして発行するものだ。

 それが世の校内新聞である記事の内容。

 しかし陰光大学教育学部付属陰光中学が創立されてから十年後に出来た新聞部は記事の幅も取材内容も違う。

 電車などで距離のある場所から通う生徒達の為におすすめの電車での過ごし方や付近の駅やバス停にあるおすすめスポットなどが載っている。

 ポーレットは中学を出て右に曲がってすぐにある商店街の地図を指す。

「ねえ。ここは一体どこにあるの?」

「あ~。ここはね。ちょっと入り組んでいて道を知っていても地図を片手にしないと最初はたどり着かないんだ。でも、ここのオムライスは多分、ここの地域では一番おいしいものだと思うよ」

「オムライス……。食べてみたいわ」

 プライバシーの観点から学校外から読む事ができる記事には限りがあるが、学区内に住む住民達も自治体で発行する会報誌と同じくらい重宝している。

 二人の間に挟まれる形でポーレットは目を輝かせて新聞を読んでいた。

 目先に読んでいた記事は(さん)(よう)(えき)と陰光にある都市伝説。

 オカルトやちょっと怪しい情報まで乗せるのはローカル新聞の良いところ。それさえも、陰光中学はネタにしている。

 ちなみに中学から大学まで新聞部はあるが、皆別組織で独自に取材、編集、発行を行っている。



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