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妄想能力者と現実能力者の討伐戦  作者: 忽那 和音
Series2 バベルの塔編
51/255

Episode 50

 中庭で地震の振動に耐えていたアテナ達クリエィティブ部活・MUSE。彼らの元に顧問兼図書館司書のマリン・ヘルベドールがやって来た。

 生徒達は落ち着きを取り戻し、マリンと一緒に校舎へ戻っていく。

「先生、大丈夫ですか?」

「皆こそ~私は大丈夫だけど……」

 マリンは本棚の方へ顔を向けた。

 そこには無残にも綺麗に陳列された本達が地震の振動により、散乱していた。

「沢山、倒れちゃって……」マリンは悲しそうな顔をしていた。

「片付け、私達も手伝います」

エレンは率先して、顧問を務めるマリンの手伝いをした。

 三時間程かかって散々な部屋となっていた図書室を片付け終わった。

「やった~! 皆ありがとう~」

 マリンはアテナ達へ感謝を述べた。

「いいえ、先生。私達も心配していたので、元通りに戻って良かったです」エレンが答えた。

「皆、この後はどうするの?」

 マリンが大地震後の現在。

 帰宅手段は少なからず存在はする。

 しかしここで中学生のみでの判断は危険を伴う事も防災の知識として理解していた。

「歩いて帰れる人は帰りますが、電車、バス通学の人は今日中には帰れないかもしれません」

 アテナが言う通り、陰光大学周辺の交通網は少々麻痺していた。

 普段、大規模の地震後は歩道には多くの帰宅者が殺到するが、現在は起こっていない。

 最寄りの駅と地下鉄は現在、動いていない。

 バスも信号が動かないため、乗用車と一緒に混雑をしている。

「それなら、皆今日は学校にいた方が安全よ。とりあえず、玄関にある公衆電話で連絡を入れて行って。詳しい事は後で話すから」

 マリンは珍しく教師らしいキリッとした目をして言った。

 アテナは自分達にはスマホという手段があるという事を忘れているのかと自分の画面を見た。

 彼女は見た事も無いものを見た。

 スマホ画面には災害時仕様と書かれていた。

「あー、アテナ知らなかった? ここら辺、災害時は民間人が電話とか使わせないように自動的に回線の制限とかさせられちゃうらしいんだよ」

 陰光大学のある地域は住宅街と商店街、駅ビルで構成されている。

 以前の首都程に近くにオフィスビルが点在しているという訳ではない。

 地域の混乱を避けるためにその場で地震が起きた場合は学校などではそこから移動してはならない。

 半強制的ともとれる法律が存在する。

 個人持ちのデバイスの代わりに公園などに設置されている公衆電話で災害用の連絡手段のみは利用ができる。

 アテナ達は外のシューズに履き替え公衆電話へ向かった。

「あー、やっぱり」

 目の前には地震発生時時、学校にいた生徒達が家族へ連絡を取るために大勢が並んでいた。

 校内には公衆電話は各所に点在しているがどこかしこも生徒達でいっぱいだった。

「まぁ。私達はそんな急いでもないし。むしろ有山るほど時間はあるし。のんびり行こうよ」ミツキは焦らずに言った。

 アテナ達が家族へ電話をかける頃には日差しは傾いていた。

 電話を終えたアテナ達は周辺の状況やニュースを刑事する電子掲示板が玄関と中庭近くに設置された。

「流石、うちの学校だね」

 ミツキは校内で災害時に行われるサービス内容に納得を示した。

「凄い……」アテナにとっては圧巻だった。

 他の自治体は必要に応じて人々は各自必要な持ち物を持って避難をし、風呂無しで数日間を過ごす。

 食事はご飯のみがほとんど。寝るときにはほぼ地べたに冷たい床へ横へなり、起きた時には節々を痛めているのが通例。

 だが、大学を含め各避難場所は各々快適に避難性格が遅れるように備品が必ず備え付けられている。

 これはおよそ三十年前に決まった条例だった。

 今日の夕飯提供は七時からと記述がある。

「たぶん……、食堂も明日の分とか残りや備蓄があるからそれで作っているわ」

 サーカがこの学校が災害時に提供される食材について言った。

 これもそれも、食品の無駄遣いを避けるためだった。

「でも~最悪の場合。誰かが家から食べないものって持ってくればまた材料が増えるようね」

 トリンドルが周辺地域全体で食品ロスを避けようと言う強制的なルールがあるのか。

 アテナには分からなかった。

 クリエィティブ部活・MUSEは食堂へ行き、夕食を取りに行った。

 今日の夕飯はカレーと書かれていた。

 皆、一人一つお盆を持って、テーブルへ行った。

「ベターだね」「ベターだな」「山にキャンプに行った気分だな」

 ミツキ、バン、慧は言った。

 三人揃って仲良く食前の感想を言った事にトリンドルは少し嫉妬した。

「皆~私も運動部員なのに~!」

「安心して、トリンドル」

「ミツキちゃん……」

「特に、運動部とか考えていなかったから」

「いや……、そういう事じゃなくて……」

 トリンドルは絶賛避難中に少々傷を負った。

 内面的に。

 しかし、ミツキがカレーを一口あげると言われた。それでトリンドルの心は一件を許した。

((ちょろいな))これは男子二人の気持ちだった。

「おーい、バン。いいご身分だな~」

 バンにはその声に聞き覚えがあった。

 食事中のバンに話かけてきたのは助っ人で度々顔を出すバーベル部の副部長だった。

「あっ、お疲れっす」バンはボソッと挨拶をした。

「お疲れっす、じゃなぁーい! お前、まさか女の子に着いていって一緒に寝ようとしていないか?」

 副部長は今後の行動について言った。

「ご安心をそれは We never ですから」

 ミツキはオールイングリッシュではなく、変なところで英語を使い否定した。

「まあ、とりあえず……」

(よく流したわ)エレンは先輩の行動に感心した。

「お前は俺達と暫く行動しろ」

 副部長の言葉にバンは忠実な犬のように食事中のお盆を持って一緒に別の場所へ向かった。

「それじゃあ、そういう事だから」

「暫く、お別れだな」ミツキは少々寂しそうに言った。

「また、会うから……」

 そういい、バンはクリエィティブ部活・MUSEのコミュニティーを後にした。

「これで、慧のハーレム状態になったな。ははははは……」

 ミツキは急にとんでもない事を言った。

事実、否定できないのがエレンにとっては痛いところ。

(ツッコミどころが分からないわ)

「慧がハーレム状態なので、先輩から連れて帰れと言われ僕達がやってきました~」

 次にやって来たのは慧が所属するサッカー部の同級生達だった。

 慧は数秒静止した後に動いた。

「そんな事で俺も行くわ」

 慧も立ち上がり、お盆を持って行った。

「じゃあね~」トリンドルが手を振った。

 夕食後。

 生徒達は体育館で寝る準備をした。服装は体操着着用が指示された。

「それじゃあ、お休み」

 アテナは両隣に寝るミツキ達に夜の挨拶をした。



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