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妄想能力者と現実能力者の討伐戦  作者: 忽那 和音
Series2 バベルの塔編
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Episode 49

 地震発生・一時間前。

 アテナは久々にクリエイティブ部活・MUSEの活動を行っていた。

 今回はネタ探しの為、陰光大学付属中学にある図書館で調べものをしていた。

「やっぱり~魔法少女が敵を倒して、ご飯をしたのならば、次は水泳イベントとかいいのでは~?」

 ミツキはどこからのスマホやブラウザゲームの期間限定で行われるイベント的な事を言った。

「水着イベント……」

「それは、学校の規制にかかってしまうわ! アテナちゃん」

 エレンが空かさず、水泳という偽の被り物を被ったイベントの真の名前を漏らしたアテナへすかさずツッコミを入れた。

「そっそれなら……私は……ふふふっっっ……」

「サーカちゃん、なんかいかがわしい事を考えてない?」

「ふぅん?」

 トリンドルも何か規制に関わる事を考えているのではないかと不安になり聞いた。

 よくよく考えてみればまともなものだった。

 設けた時間の中で超過した。

 アテナ達は部活場所の一年い組に戻った。

「皆~お待たせ~」

「あ! エレンちゃんお帰り~」

 トリンドルが帰って来たエレンを迎えた。

 エレンは放課後直後にあったクラス長達の会議に参加していた。

「エレンちゃん。今度の個展、内容的にやるとしたら何かな?」エレンに聞いた。

「そうね~」

 書き出した内容をまとめた黒板を見た。

 黒板には夏に開催する個展のアイディアとして『水着、女子の泥臭い野球 or サッカーの青春、パステルカラーの〇〇ランド、諦めない東西警察、ゴミ収集艦隊、ドレミ坂とコケ神社の旅』

 エレンは煮えつくしたような空気が天井近くに漂っている。

 その感情を超えて、開き直ったアテナ達はAIを突飛押しもない考えで超えようという気持ちがあるのか分からない。

 結果的にこのような意見のまとめ方となったのだろうとエレンは推察した。

「皆、せっかく私を待ってくれたとは思うけど。これでは良いアイディアも浮かばないわ。一先ず、外の空気を吸いに行かない?」

 エレンは部員達を外へ出して、校内を散歩した。

「はぁ~じいちゃん……。もう、桜が葉桜になっちまったよ……」

 ミツキは朝ぶりに日光を浴びたからか、走馬灯を見ているかのような目で木々を見ていた。

 彼女の発した言葉のイントネーションもどこか山奥に住んでいるような人のアクセントをしていた。

「ミツキ、大丈夫か? 俺はお前のじいちゃんじゃないぞ」

 慧も連れられた話し方となった。

「ミツキちゃん、それ松の木だよ」

 トリンドルは木々の種類に関する根本的な違いをツッコミした。

「ぐらぐらぐら……」

「なんか、眠いのかな~私」

 ミツキは日向にぽかぽかしていた。

「確かに~日向ぼっこって足元ぐらつくときあるよね~」

 トリンドルもぽかぽかしている。

「はぁふ~こんな日がずっと続けばいいのに~」

 サーカももはや体から浮きそうになる。

「ぐらぐらぐらぐらぐらぐら……」

「ちょっと、ミツキしっかりして!」

 エレンがミツキの両肩を振る。

「トリンドル、きちんと目を開けろ!」

 バンもトリンドルの登場を頭皮マッサージ機のように手を動かしている。

「サーカちゃん、地震だよ。しゃがんで!」

 アテナは強い地震に耐えながら、それでも中腰でサーカの肩に手を置き、しゃがむように言う。

 揺れは非常に強く、中学校内にあるグラウンドやテニス事で部活をしている運動部員達が悲鳴を上げている。

 アテナ達も中庭でしゃがみその揺れに耐えていた。

「いっ、いや~」

「ヤバいぞ~」

「皆、頭を守って~」

 程なくして、三分近く続いた地震は収まった。

「ふぅ~、皆大丈夫?」

 エレンが部員達を気にかけた。

「うっ、うん……」

 先ほどまで浮かれていたトリンドルは動揺していた。

「は~、怖かった~」

 ミツキは恐怖を感じていた。

 先ほどまでの日向に癒されていたかのような表情は吹っ切れていた。

「なんだあれは~」

「あんなのあったか~」

「いや、朝にはなかったぞ~」

「何かしら、地震直後なのに緊張感が無いのかしら」

 エレンは地震直後に練習再開をしない運動部員達に呆れた言葉を放った。

 立ち上がりひきつけられるように外が見やすいグラウンドへ足を踏み出したアテナ。

「アテナちゃん……」

 サーカは声をかけたが、歩みを止めない。

「どうしたの?」

 トリンドルも声をかけたが、振り向きもしない。

 部員達はアテナの様子に目を合わせた。

 不思議に思ったクリエィティブ部活・MUSEの部員達はアテナに着いて行った。

 先にグラウンドへ出たアテナがグラウンドにいる生徒達が見ている方向を見た。

「黒い……塔……」

 悍ましいほどに黒く不気味な近づいたら生きてはいられないほどの雰囲気を漂わせる塔があった。

「嘘、あれ誰が作った?」

 ミツキは製作者について聞いた。

「誰も作れないだろ、こんな短時間に」

 バンは常識的な事を言った。

「ブーンブーン!」

「今度は何?」エレンが反応した。

「ただいま……、地震が……、発生……、しました……」

 防災無線からの地震情報だった。

 震源地は江戸湾だと言う。

「江戸湾って、最近二酸化炭素の流出ってニュースになっていたところだよね」

 トリンドルがここ数日、ニュースのあくまで脇役として一部の番組で報道されていた問題を出した。

「それとこれと何が、関係が」

 ミツキは上の空のように言った。

「分からないけど、何か関係はあるだろう」

 慧はそこまで深刻にならずに、一般庶民の感覚で言った。

 しかし、防災無線からは今後の余震の可能性なども考慮して今日中の帰宅は場合によっては避けて欲しいと言っていた。

「うちの学校、結構電車通学とかいるよね」

 ミツキはクラスの重役を務めているエレンに聞いた。

「そうね……。けれど、ここら辺も駅近くだから、遠くから来る人達もいるだろうから、私達も今日は帰宅を諦めた方が良いかもしれないわ」

「え~! そうな~」

 ミツキは残念がっていた。

「あ!」

 アテナが別方向を見て気づいたように言った。

「今度はどうしたの?アテナちゃん」

 サーカがほぼたった一人の世界で何かに気づいたアテナに反応した。

「先生だ……」

 アテナの見る方向には図書室の窓から手を振る図書館司書のマリン・ヘルベドールがいた。

「おお~い! 皆~!」



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