Episode 32
臨海学校明けの学校。
近く行われる学園祭に向け再び個展の計画が進められているクリエィティブ部活のMUSEは、放課後に部員を集めた。
「今回はお集まりいただき……あっ、集まってもらって、あっ、ありがとうございます」
「ぎこちないね、アテナ」
ミツキが少々苦笑いで言った。
「えへへ、なんか、敬語にならないようにっと思っても自然に……。癖を直すのって難しいね」
「とりあえず進めましょう」
エレンがフォローをした。
「はい……、今回は学園祭の展示について話し合いたいと思います」
「夏休みも個展をやったけど、系統は同じ?」
慧が質問をした。
「うん。流石にクラスの事もあるから、今回はというより、一年を通して同じ系統・テーマで個展は行うようにしたいな」
「私も賛成。皆掛け持ちで部活に参加するから、あまり負担を掛けさせたくない」
何人かの部員もこの意見に賛成した。
展示内容は夏休み中に行った個展の発展版。既存からさらにインスピレーション・世界観を広げようとする。
初期段階のアテナからのストーリーから部員達からのアイディアを肉付けしていき、徐々に展示内容も決まり始めた。
「週末にかけて買い出しをしよう」
ミツキやトリンドル、慧が画材などの材料を洗い出した。
今後、これらのリストによって、MUSEの展示構成をグレードアップしていく。
一通り、話合いが終わった。
「それじゃあ、今日はこれで終わります」
「は~、もうすぐ学園祭か~」
ミツキがしみじみ思った。
「運動部は特にないけど、茶道とか何かするの?」
トリンドルはサーカに聞いた。
「う~ん。時間指定で茶道の実演とかあるかもしれないけれど。度々、実演しているわけではないから、説明のパネルとかは用意するかな」
「いいな~。私もサーカちゃんの茶道姿見てみたい」
アテナがサーカの茶道姿に興味を示した。
「え~、どうしようかしら~」
サーカはじらすようにして言った。
話合いから解散後は、運動部員の一部は部活に合流。アテナ、サーカ達は下校した。
翌日。
授業直前の一年い組の教室。生徒達は授業の準備の為、席についていた。
だが、まだ教師が来ていなかったため、語らい合っている中だった。
学校のチャイムが授業の開始を知らせる。
一年い組担任のラレス・サーシャが教室に入ってきた。お団子に長髪を出したヘアースタイル、紺の髪を揺らしながら歩く。
日直の生徒が号令をかけ、挨拶を済ませた。
「みなさん、この時間は一年い組の学園祭の出し物についての話をしたいと思います。進行はエレンにお願いします。書記は……サーカさん。お願いします」
「はい」
エレンが返事する。
「はい、先生」
サーカも反応を示す。
二人とも前方へ進み、話し合いの態勢となった。
「では、一年い組の出し物について決めたいと思います。まず、ステージでの出し物とクラスで販売など方法がありますが、みなさん、何がしたいかという意見はありますか?」
クラス中に間が起こった。
「はい!」
「どうぞ、アテナさん」
「私は、クラスでの販売が良いと思います。皆、部活に参加していて忙しいので、授業時間内で済ませられればいいなと思い、販売を推薦します」
「分かりました。ありがとう、アテナちゃん。他に賛成・反対の意見がありますか?」
「はい!」
「どうぞ」
その後も、多くの生徒が学園祭の販売や出し物に対する意見を募った。
「では、これまでの意見を取りまとめた上で、決めたいと思います。多数決でもいいですか?」
「いいです!」
「大丈夫です」
「では、多数決の判断という事で……みなさんは他の人達の判断を見ないように顔を伏せてください」
生徒達は顔を机に向き合う形で伏せ、希望する選択に手を上げた。
「では、出し物をしたいと思う方……。次に、販売が良いという方……。最後に体験型の展示が良いという方……。分かりました。顔を上げてください」
生徒達は顔を上げ、時折体を伸ばしていた。
「集計ができました。一番多かったのは体験型の展示でした。次に、販売。最後に出し物です。次は体験型の展示について内容を話し合いたいと思います」
運動部員の多くはこれと言った展示などはないという場合が多く、彼らが中心となって、体験型の展示品や管理する。
学園祭まで二週間。
授業の空いた時間や放課後に精力的に学園祭の準備する生徒が増えてきた。
アテナが部長のMUSEも一緒だ。
画材も手に入れ、手分けして作業を進めていた。
「アテナ、こんな感じ?」
ミツキがアテナへ聞いた。
「うん。あっ、でも、もうちょっと毒々しくもいいよ。あ! トリンドルちゃん大丈夫?」
「だっ大丈夫~、うわっ! は~ありがとう~~バンくん」
「無理すんなよ」
付属中学だけではく高校も同日開催のため、夜遅くまで学校中に明かりが灯されている。
学園祭まで二日前。
「できた~。よし、最終テストしよう」
MUSEの部員達は照明や映像、音声などを通しで見た。
「うん、良い」
「すごくいいよ!」
「これで、当日まで持っていける」
「完成だね」
アテナ達は学園祭までの期待が高ぶるような出来栄えだった。
MUSE史上、二度目の展示が始まる。




