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妄想能力者と現実能力者の討伐戦  作者: 忽那 和音
Chapter 2 青春編 体育祭編
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Episode 21

 一年い組カーリングチームは学食で食べていた昼食を終える。

 陸上競技の観戦をする為に、競技が終わった生徒達から続々と陰光大学のグラウンドに集まっていた。

 陰光大学のグラウンドは、観客も見やすいように常時、ベンチが設置されている。

 注目度が高い中高合同の体育祭。

 中高だけでなく、大学の各所でもライブビューイングができるよう中継地点が設置されている。

 アテナ達は学級ごとに割り振られているい組の待機室に来た。

「アテナちゃん! サーカちゃん!」

「トリンドルちゃん! 射撃どうだった?」

「うん! ばっちり、優勝してきたよ」

「他にも経験者が多かったけど、余裕で優勝しちゃった」

 一方の試合、射撃はい組から八人が出場。

 トリンドルが優勝した。

 入賞対象のランキングは四位から二十位以内となる。

「二人とも、もうすぐレーだけど……。もちろん、大丈夫よね……」

 サーカが心配そうに言った。

「たぶん。い組が優勝した種目が二つ」

 アテナも体育祭のプログラムを見る。

「陸上種目は上位のい、ろ、へ組で争っていたからね。結果は両方ともろ組が一位。い組と、へ組で二位、三位を譲り合ったって感じ」

「総合結果はあまり変わらなかったけど、ここがラストチャンスみたいな感じかな。最初と比べれば、差は縮んだ方ではあるから、まだ希望はある。エレンちゃん達がちゃんとミツキちゃんの管理しているから大丈夫……だと思いたいな」

 二人はリレー代表の慧とミツキの心配をしながら、グラウンドへ行く。

 陸上競技の会場。

 陰光大学のグラウンドは大会フィナーレとなる種目のため、多くの見物客が集まっていた。

「いよいよ、二日目最後の試合。学年別リレーです!」

 会場中に実況アナウンスが響く。

「ミツキ。きちんと休んだ? 適量の食事をした? 変なもの飲んでないよね? ――」

 待機室にいたエレンがミツキに質問攻めにしていた。

「お母さんじゃないんだから、大丈夫だよ」

 同じクラス通しで固まっていたため、慧も一緒にいる。

「ミツキ。なんか太った?」

 失礼な一言にミツキは黙っていない。

「デリカシーが無いな~、慧。でも、むしろこれでダイエットしたほうなんだな。太ったというのは体が大きくなったからだよ。脂肪ではなく、筋肉がね」

「へ~。意外と考えてるんだな~。感心感心!」

(いや、私が管理するからできたんだけどね)

 エレンは口では言わなかった。

 心の中で、私を労って欲しいと思った。

「それじゃあ、時間だから。エレン、行ってくるね」

 ミツキと慧は照りつけるグラウンドへ向かう

「ええ、慧くんも頑張って!」

「おお!」

 エレンは代表として走る二人を見送った。

「お願いね。二人とも」

 二人は他学年のい組代表達と一緒にグラウンドのリレー会場へ向かった。

 出場者は、各チーム六人。

 選抜で、ルーム長同士で検討し、選抜した。

 ミツキは、スポーツ万能。持久力とスピードを兼ね備えている。

 慧も野球部員。長距離も短距離も得意。

 発走順は学年ごとに中学一年から高校三年の順番で基本的には行われている。

 しかし、学年同士とクラス同士の被りは二人まで許されている。


「\\\\\\さとるー! 力まずに走れー!//////」

 スタート位置に着いた慧へ仲間達が激励を送る。

「では、中学・高校リレーを始めます。スタートの合図はピストルで行います」

 一番のランナーはクラウチングスタートの姿勢になった。

「よーい、パーン‼」

 同時に、ランナーが勢いよくスタートした。

「ハッ、ハッ、ハッ……」

 周りに大勢の人達から声援が聞こえる。

「頑張れー!」

「追い抜けー!」

「現在、ろ組が先頭だ! 続いて、へ組、と組、い組に続きます」

 ろ組は先頭のままライバル達と攻防する。

「負けるかー!」

 慧は半分を切った地点で二クラスを追い抜いた。

「慧くん、頑張れ!」

(慧、私が先頭になって見せる)

 ミツキは直進で来る慧の目を見た。

(頼む、ミツキ)

(まかせて‼)

 慧から預かったバトンを取り、先にバトンを託されたろ組の背中を目指す。い組代表は先頭の座を狙う。

「一位は変わらず、ろ組。ここで、い組がどんどんどんどんと距離を縮める。早い! これは早いぞ!」

「(負けるものか。私は……、皆が喜ぶ姿を……)見たいんだー!」

「凄いぞ! ハイペースで半分程あった距離を塗り替えている。さらに、距離を離す中学・一年い組のミツキさんー!」

(先輩、あとは頼みましたよ!)

(おう! 任せろ)

「ここで、中学三年に交代だ! なんと、グラウンドの四分の一に距離を引き延ばしたぞー!」

 リレーは折り返し。

 半分以上あったい組とろ組の差は同組が入れ替わり、繰り返される。

「五周目。い組、ろ組の攻防はどこまで続くのか」

(やばい、私じゃ……)

「諦めるな! 一歩でも追い抜け。その気持ちを俺が倍に、十倍、百倍に広げてやる!」

「うっ……、せっ……せんぱーい!」

 高校二年・い組の女子生徒は高校三年生のアンカーに向けて走りやすくしたい。

 勝ちたいという気持ちに答えるために、捥げそうな足と腕を前へまえへと進んでいく。

「い組。わずかに先頭。いや、圧倒的なパワーで前へ進んでいきます!」

「うっ? この終盤で!?」

「先輩、お願いします!」

「任せろ」

 バトンを握った途端。

 もう、スピードでグラウンドのコースを走り抜ける。

 後ろに舞い上がった砂煙は会場中を目視できないほどのものだった。

「砂煙が起こっています、非常見にくいです。三年い組のランナーは一体……。はっ! いました。なんと、すでにゴール? ゴールを決めています! い組、総合優勝です……」

「はっ、早すぎだろ!」

「やった‼」

「アテナちゃん、トリンドルちゃん! 皆‼」

 い組生徒たちはエレン、慧。そして、ミツキが待つグラウンドへ向かった。

 激戦続きの二日間が終わる。

 授賞式にはい組代表の高校三年生が登壇した。

「総合優勝されたい組のみなさん。そして、各種目で優秀な成績を収めたみなさんに副賞を贈呈いたします。提供は鉱物や宝石などの製造・販売をしているサムシングクラウド株式会社様から頂きました」

「宝石の製造・販売!?」

「ミツキちゃん。たまにこんな感じの副賞があるの?」

「いや、聞いた事ない。今までお食事券とかだったのに、なんかつまらないかも……」

「皆で食事はまたできるよ」

「そうだね」

 教室に戻り、帰宅用意をする。

 中学一年い組の生徒たちは贈呈品を貰う。

 ルーム長のエレンがクラスとして打ち上げてバーベキューがしたいと提案する。

 後日了承され、今週末にバーベキューをする事となった。

「ブレスレットとか食事と比べればうれしくないものって思っていたから、良かったわ。何より、これだけ成果を上げた私達だもの、良いものは食べたいものよね」

「流石~、我らがルーム長様は分かっていらっしゃる」

 生徒達は、帰りの支度を済ませ下校した。

「う~ん。私、右利きだから左に着けた方がいいよね~。あ! もう、こんな時間。早く寝ないと」

 アテナは布団の中へ入り眠りについた。

 布団の中にいるのに、気持ちはお花畑をスキップしている気分でいた。

 アテナの目の前には、服に装飾をつける少女がいた。

「よし! これを着れば、私は一部保有している魔力を存分にだせるのだ~」

(魔法少女。よし、これだ‼)

 夢の中で決断した事があるみたいだ。


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