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妄想能力者と現実能力者の討伐戦  作者: 忽那 和音
Chapter 2 青春編 体育祭編
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Episode 16

 第一試合が行われる校庭に、競技対象者の中学一年と高校一年が集まっている。

「これより、第一試合・玉入れが中学校庭で行われます――」

 マイク前の体育委員が競技説明を始めた。

「競技は、中学一年と高校一年の二部制で行われます。七つのクラスごとに色や籠は分かれています」

 声質が違う二人が交互に説明する。

「中学生の皆さんは所定の位置まで移動してください」

 各クラスは整列し待つ。

 い組、ろ組、は組、に組、ほ組、へ組、と組の七クラスは各持ち場へ移動した。

 い組は赤。ろ組は朱色。黄色、黄緑色、青色、藍色。紫色と設定されている。

 ミツキはアテナの姿を見つける度に落ち着いて競技に取り組めるように話しかける。

「これは団体競技。自分のできる範囲で頑張ればいいんだ。面倒くさかったら手を抜いていいんだよ」

 ミツキの優しいフォロー。

 しかし、真面目なアテナは言葉の罠にはまってしまうとルーム長は危機を感じた。

「アテナちゃんに何を言っているのかしら。ミツキと違って真面目なのよ。手を抜くなんてしないと思うわ」

 エレンは彼女に対するイメージのままに言う。

 真面目な人間でも、時に甘えそうになる。

 しかし、い組の生徒としてきちんと働く。

「エレンちゃんの言う通り、下手過ぎて手を抜いているように見えるときもあるかもしれない……でも私頑張るから」

 アテナは自分の思う出来る限りを尽くす。

 こぼれ球を狙い腰の低いプレーを心がける。

 玉入れの準備は整った。

「それでは、発砲音にて競技はスタートします」

 校庭が静寂に包まれた。

 体育委員の一人がスターターピストルを空に上げる。

「パーーン!」

 発砲音が聞こえた。

 一斉に生徒達は走り出した。

「競技スタートです!」

 アナウンスの声は見物客しか届いていない。

 中心にいる生徒達は玉を手にし籠の中に入れようと必死。

 朱色のろ組は玉を手にしているが、籠へ入れようとしない。

 うちの四人の生徒が玉の集合体を持つ。一斉に籠へ入れようと上げた。

「すっ凄いぞー、ろ組! これが必勝法か」

 十分な程、ろ組の玉は全て籠へ吸い込まれた。

「やばーい! 私達も」

「ダメ。もう時間がない」

「ピッピー‼」

 校庭中にマイクを通したホイッスルが響く。

 中学の競技が終わった。

「中学の部は終了です! 生徒の皆さんは整列してください」

 玉の数を数えなくとも、一クラスだけ結果が明らかだった。

「では、結果を発表します」

「一位はろ組」

 ろ組は歓喜に湧く。

 他クラスは沈黙の一つ。

 競技をしていた身からは力不足しかなかった。

「あのまとめて入れる作戦は賢明でしたね」

 放送部のアナウンスが中学のスピーカーにまで覚醒される。

「はい。ろ組の作戦に恐れ入りました」

 ラジオ化していた。 

「二位は、へ組」

「ろ組の作戦を途中から取り入れましたね。まさに目で盗めですね」

 続けて以下の順位を公表する。

 い組、と組、ほ組、に組、は組。

 順位が発表されて最初から一位を狙っていたい組。

 エレンは著しく落ち込む。

「無計画で進めたのが仇となったわね。次は高校一年。作戦を練らないと」

「あそこまで上手くいったのってなかなかないよね。あれ絶対、仲の良さだよ」

 ミツキは直感的な分析を展開する。

「そうね。私達も内部、外部関係なくコミュニケーションを深めないとね」

 エレンも彼女の仮説に同感する。

 お互いに反省点を上げていく。

 中学一年生は競技中央から撤退する。

「続いて、高校生の部です」

「高学年の意地を見せつけられるか!?」

 体育委員のアナウンスに放送部員が続く。

 整えられた校庭の一角に出番を終えた生徒達は座る。

 彼らはは先輩達を応援する。

 一年い組は悔しさを滲ませる。

 作ってしまったロスを埋める為にも、熱意は必死。

「頑張れー先輩!」

 多くの中学生が声援を送る。

 高校生達は走る構えをする。

 前半の一年生と見物客は今か今かとピストルに注目する。

「よーい!」

 ピストルを持つ体育委員が声を上げる。

「パーン!」

 破裂音と同時に高校一年生が走り出す。

 各々、練った作戦を実施する。

 中学生の試合を参考に同じような作戦をとるクラスが多い。

 特に身長が高い四人がまとめられた玉を上げる。

 高校生の部は五分で終わる。

 かごや生徒達の周りを見る限り、玉の数で争うレベルの話では無い。

 結果は瞬時に発表された。

 中学の部で三位に終わったい組が、一位になった。

「よし!」

 慧はガッツポーズで喜ぶ。

「今はなんとか、絶えたわ。けど、まだまだ序盤。皆、気を抜かないで」

 エレンはクラスメイトに続く競技や試合に向けて気を引き締めるように鼓舞する。

 一年い組は先輩の頑張りで総合順位が二位になる。

「続いては、各種団体競技です」

 落ち着いた体育委員の放送が流れる。

「サッカー、野球、バレーボールが行われます」

 生徒達は競技ごとに分かれて移動を始める。

「長時間の試合になりますので、水分補給などをこまめにして健康管理には注意してください」

 丁寧な生徒を含めたアナウンス。

 涼しい季節になったが、生徒達は必ず手元に水筒を手にしていた。

 会場近くで誘導する体育委員が大きな声で身振り手振り案内する。

「バレー参加者は、競技場所へ移動してください」

 一年い組バレーボールチームの戦いが始まる。



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